まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

男前はスリル、ショック、サスペンス②

2008-06-05 | 日本のドラマ(単発)
 つづいて第二弾、火曜サスペンス劇場の再放送「冬の駅」。
 東京で独り暮らしの青年・信夫は、幼い時に自分を捨てて男と駆け落ちした母が、山陰の海で水死したとの知らせを受ける。母が住んでいた豊岡に向かった彼は、そこで幸子というバーのママと知り合って...
 火サスの非シリーズものには、たまにクオリティの高い作品があったんですよね。これもその一本。いちおう殺人は起きるけど、事件の謎とかサスペンスよりも、ドラマに重点が置かれています。
 信夫の母親と、過去のある女・幸子の、くらたまも涙する男運の悪すぎな“だめんず”ぶりが、愚かで悲しい。こーいう女性たちって、ダメ男・悪い男を引き寄せてしまう磁気みたいなのがあるんだろうなあ。そんなのがない私って、幸?不幸?
 ダメ男との因縁以上に、愛する子供を手放してしまった痛恨が、すごく重く悲しい信夫の母と幸子です。自分たちの孤独や不幸は我慢できても、子供がそれらを抱えて生きなきゃならないなんて、耐えられませんよねえ。

 母の子への悲しい愛が、しみじみ哀切に描かれています。ワタシ的には、惹かれ合う信夫と幸子のラブストーリーのほうを、もっと濃密にしてほしかったんだけど。幸子が信夫の想いを受け入れられないのは、彼が自分を愛してるというよりも、境遇が似ている母親を自分に重ねてるだけと悟っているから、という幸子の心情とかは細やかに描かれていて、大人の愛とはいえエッチすればいいってもんじゃないよな、とも思いました。
 人情ドラマとしては良くできてる脚本だと思うけど...信夫と、彼の母親に関わりのある幸子の出会いは、ありえないほど偶然すぎます。そんな“都合のいい運命の出会い”が許されるのは、韓ドラだけよ!
 2時間ドラマらしく、豊岡の街とか、山陰の海や砂丘とか、ローカルな魅力も満載です。信夫の母は冷たい海に浮かび、彼女の内縁の夫は砂丘に埋まってる。役者さんたち、死体演技ご苦労様!大変だったろうなあ。

 このドラマは無論、仲村トオル目当てで観たのさ♪
 信夫役の仲村トオル。9年前のドラマなので、さすがにちょっと若い、けど、今とそんなに変わってない?やっぱカッコいいですね、彼。背が高くて、どこにいてもガリバー状態。元ビーバップな目つきの鋭さといい、迫力があります。バーで酔っ払って絡んでくるトオルに、何だテメエは!とオッサンたちが怒るシーンがあるのですが、あんたたちじゃケンカしてもトオルには絶対勝てないよ!って感じなのです。見た目はクールなトオルですが、母親への屈折した愛憎や葛藤で、駄々っ子みたいな言動するのが、何だか可愛かったです。
 演技よりも、おおっと目を惹いたのが、トオルの超筋肉質ナイスバディ!幸子の部屋で着替えるシーンで、すごい肉体を見せてくれます(↑画像)。さぞや鍛えてるんだろうなあ。眼福ですが、フツーの会社員の信夫が、なぜあんなカラダしてんの?!濡れ場などはなかったのが残念。
 最近よく見る、うまいだろ?俺って演技うまいだろ?な、鬱陶しい演劇出身の俳優よりも、ちょっと不器用なトオルのほうが、役者として大きい感じがして好きです。
 幸子役の余貴美子が、ほんと素晴らしいです!翳があって色っぽくて、男たちがフラっとなるのも理解できる。場末のバーの美人ママ役が、これほど似合う女優もいません。わけありフェロモンむんむん。子供と別れるシーンとか、駅でのラストシーンとか、情感悲哀に満ちた演技で、若いトオルを完全に圧倒してます。くたびれたリアルな色香と同時に、声や喋り方に可愛らしさもあって素敵な余さん。同じ熟女でも、ブリッコな黒木瞳は気持ち悪いけど、余さんには憧れる私です。
         
 夏スタートの連ドラ「四つの嘘」に出演のトオル。主演は永作博美、内容はドロドロって、あの「週末婚」を彷彿とさせて楽しみ♪
コメント (1)
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