まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

倫敦人肉餡餅理髪店

2008-06-24 | 北米映画 00~07
 歩いてたりバイクを走らせてたりしてる時、ふと目に入る更地やマンションなどの建設現場。あれ?ここって前は何があったっけ?ぜんぜん思い出せない。毎日のように通り過ぎ、目にしてたはずなのに。私という人間も、ひょっとして?多くの人たちと日々関わりながら、突然いなくなっても即座には気づかれず、そーいやそんな人いたっけ、で済まされる存在。ちょっと侘しくなってしまいました。

 「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
 ジョニー・デップの映画は、「ギルバート・グレイプ」から一つも欠かさず映画館で観てきた私なのに...ジョニーが盟友ティム・バートン監督と6度目のタッグを組んだこの作品は、痛恨の観逃し!いつの間にか上映が終わってたんだよ~!すぐに映画館に駆けつけなかった私を許してジョニー...というわけで、やっと(いや、もう?って感が強いかも。早いですよね)DVDで鑑賞とあいなりました。
 19世紀のロンドン。悪徳判事ターピンによって妻子を奪われ、罪人に落とされた理髪師ベンジャミン・パーカーは、15年後に脱獄し名前をスウィーニー・トッドと変え、復讐のためにフリート街へ戻ってくるが...
 ミュージカルなんだけど、内容や場面が陰惨でダークなので、もちろん思わず体がリズムに乗ったり高揚感を覚えたりはしません。躍動感あるダンスがないのも、ちょっと物足りないかも。同じジョニー&バートン監督の「チャーリーとチョコレート工場」」のほうが、ミュージカルっぽくて好きだなあ。ウンパルンパの歌と踊り、楽しかったよなあ。
 映画で初めて歌声を披露したというジョニー。聞き惚れるほどのものではないけど、頑張ってました。でもやっぱ歌声よりも、演技のほうが素晴らしいです。ジョニーならではの強烈で魅惑的なオーラは、ほんと唯一無二というか、他の俳優の追随を許さないものがありますよね。凡庸な俳優だと、き○がい殺人鬼にしか見えず、単なるホラー映画になってしまってたでしょうけど、ジョニーなので悪鬼みたいな怖い顔して、血まみれになって剃刀で首を掻っ切りまくっても、素敵と見とれちゃうんですよねえ。
          
 それにしても。子煩悩で有名なジョニーなので、この作品は自分の子供たちに観せないんだろうなあ。剃刀で首切るシーンは、ほんとエグくて怖い。小さい時に読んだ、き○がい床屋が客の首をいきなりズバっと切るという、日野日出志の恐怖漫画がトラウマになってる私なので...死体をミンチにしてパイにするなんてのは、ほとんど香港ホラーのノリです。
 スウィーニー・トッドと組み、人肉パイで商売繁盛するラベット夫人役、バートン監督の奥さんでもあるヘレナ・ボナム・カーターも、ジョニーに負けない怪演。彼女のキャラが、いつものバートン監督らしい人を食ったユーモアを感じさせて、ちょっと笑えるかも。
 最初の犠牲者になるインチキ理髪師役が、ボラットことサシャ・バロン・コーエン。いかがわしさが笑えます。ちょっとダニエル・デイ・ルイス似?ターピン判事の手下のおっさんと、ラベット夫人に拾われる男の子が、いい味だしてました。
 女浮浪者の正体にビックリ。トッド&ラベット夫人の末路が、どんな事情があれ人を殺せば地獄に堕ちる、という因果応報っぽかったです。
          
 この作品で、ゴールデングローブ賞を初受賞したジョニー。なのに!式典はこんな大事な年に、ストなんかすんじゃねえ!でも、3度目の候補入りとなったオスカーは、無事に開催。ジョニーの晴れ姿、見ることができました次こそ、the oscar goes to Johnny Depp!になるようI wish♪
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする