イギリスのTVドラマ「スモールアイランド」前後編を観ました~。
終戦直後のロンドン。夫が戦地から戻らず、精神を病んだ義父とともに下宿を営みながら留守を守るクイーニーは、黒人のマイケルと恋に落ちる。一方、下宿人であるギルバートは、ジャマイカから妻のホーテンスを呼び寄せる。マイケルはホーテンスの初恋の男だったが…
今をときめくベネディクト・カンバーバッチ出演、ということで、バッチファンのmy motherと一緒に観たですが、バッチ主演!というのはJAROに通告ものな誇大広告です。バッチさんは重要な役ですが、脇役で出番もそんなに多くありません。でも、ドラマ自体は想定外の感動作でした。my motherなんか泣きながら観てました。冷血人間の私は一粒の涙も出ませんでしたがいいドラマ観たな~という満足感は得ました。
ジャマイカで生まれ育ったホーテンスが夢見ていたように、私にとってもイギリスは憧れの国。でも…文化的で優雅で洗練されている美しい国イギリスは、厳然たる階級社会とシビアな人種差別が横行している恐ろしい国でもある、というのが現実。このドラマで描かれていた、当時の人種差別・偏見には戦慄せずにはいられませんでした。アメリカの黒人差別偏見も壮絶だけど、イギリスも非道すぎる。黒人を人間扱いしてないんですよ。何であんなに卑劣で残酷なことができるんだろう、と疑問に思ったり憤ったりするほうが、彼らにとっては理解しがたい誤ちなんですよね~。黒人が自分たちより劣っているという考え方は、信号が青になったら横断歩道を渡ることと同じぐらいの常識、みたいな。そこが怖くて虚しい。いろんな映画の中での、陽気なアメリカ人や上品なイギリス人に魅せられつつ、黒人を虐げ蔑む彼らの野蛮さ醜さに恐怖もする私です。
劇中でギルバートが舐める辛酸には胸が痛み、怒りを感じずにはいられませんでした。とにかく、黒人であるがゆえに理不尽で非情な目に遭いまくるギルバート。これでもか!と冷遇やイヤガラセ、暴力を受けるのですが、勤め先の郵便局で白人の同僚たちから受ける仕打ちとか、ほんと下劣で陰湿。犬だって、猫にはもっと優しいですよ。部屋に戻れば、世間知らずで気位が高くてKYで料理が下手でエッチもさせてくれない女房が待ってるし、心身ともにストレスだらけのギルバートが可哀想すぎ。私だったら、絶望のあまりテムズ川に身投げしてるかも…そうはならず、悔しさや怒りをバネにして前向きに明るく、そして他人への思いやりも忘れず生きるギルバートの姿に、日ごろ些細なことで凹みがちな私は大いに勇気づけられました。自分のことで精一杯な時も、優しさを失ってはいけない。無情で過酷な人生の中にあっても、誰かを恨んだり憎んだりせず、強く優しく生きるギルバートとクイーニー。思いがけない形で報われたり救われたりする彼らに、神さまってちゃんと見てくれてるんだな~と心が温まりました。
キーパーソンであるマイケルが、不思議な存在として印象的。夫の留守中、マイケルと恋に落ち彼の子を身ごもるクイーニー。彼女の家の下宿人になったギルバートの元に身を寄せるホーテンスは、ジャマイカでマイケルに片想いしていた幼なじみだった…なんて、ありえないメロドラマチックな偶然・運命が、ちょっと韓流ドラマっぽかった。当時のイギリスとジャマイカの関係も興味深かったです。ギルバートの台詞『イギリスは母で、ジャマイカは子。子は母のことを慕ってるのに、母は子のことを知らない』が胸に残りました。
このドラマ、キャストが秀逸でした。実質の主人公ギルバート役のデヴィッド・オイェロウォ(名前、言いにくい!書きにくい!)が特に素晴らしかった!
キング牧師役を熱演した「グローリー 明日への行進」など、最近躍進目覚ましい彼、いや~いい役者ですね!すごい好きになりました!どんなに困難で挫けそうでも~最後に愛は勝つ~♪なギルバートの、たくましく明るく茶目っ気たっぷりなキャラが最高にチャーミングだったということも要因ですが、オイェ(名前が難しいので、略す)の見た目や雰囲気も男らしくて愛嬌があって、いい男なんですよ~。私の黒人俳優ベストはテレンス・ハワードだったのですが、このドラマ観てオイェがナンバーワンに踊り出たかも。すっぽんぽんになるシーンで、すごい肉体美も披露。
ベネディクト・カンバーバッチは、クイーニーの夫役。わけあって失踪し、ひょっこり戻ってきて波風を立てる困ったちゃんな男を、バッチがデリケートに演じてます。善人なんだけど、どこか破綻してる危うさ、悲哀はバッチならでは。ホーテンス役は、007のミス・マネーペニー役でおなじみのナオミ・ハリス。お高くとまった自己チューKY娘役でイラっとする、けど何かズレてて笑える。ホーテンスとギルバートの噛み合わないやりとりは、かなりコミカルで楽しかったです。
↑ジャック・オコンネルくん、バッチさん、オイェの3ショット。誰とでも仲がよさそうなバッチさん、いい人なんだろうな~
終戦直後のロンドン。夫が戦地から戻らず、精神を病んだ義父とともに下宿を営みながら留守を守るクイーニーは、黒人のマイケルと恋に落ちる。一方、下宿人であるギルバートは、ジャマイカから妻のホーテンスを呼び寄せる。マイケルはホーテンスの初恋の男だったが…
今をときめくベネディクト・カンバーバッチ出演、ということで、バッチファンのmy motherと一緒に観たですが、バッチ主演!というのはJAROに通告ものな誇大広告です。バッチさんは重要な役ですが、脇役で出番もそんなに多くありません。でも、ドラマ自体は想定外の感動作でした。my motherなんか泣きながら観てました。冷血人間の私は一粒の涙も出ませんでしたがいいドラマ観たな~という満足感は得ました。
ジャマイカで生まれ育ったホーテンスが夢見ていたように、私にとってもイギリスは憧れの国。でも…文化的で優雅で洗練されている美しい国イギリスは、厳然たる階級社会とシビアな人種差別が横行している恐ろしい国でもある、というのが現実。このドラマで描かれていた、当時の人種差別・偏見には戦慄せずにはいられませんでした。アメリカの黒人差別偏見も壮絶だけど、イギリスも非道すぎる。黒人を人間扱いしてないんですよ。何であんなに卑劣で残酷なことができるんだろう、と疑問に思ったり憤ったりするほうが、彼らにとっては理解しがたい誤ちなんですよね~。黒人が自分たちより劣っているという考え方は、信号が青になったら横断歩道を渡ることと同じぐらいの常識、みたいな。そこが怖くて虚しい。いろんな映画の中での、陽気なアメリカ人や上品なイギリス人に魅せられつつ、黒人を虐げ蔑む彼らの野蛮さ醜さに恐怖もする私です。
劇中でギルバートが舐める辛酸には胸が痛み、怒りを感じずにはいられませんでした。とにかく、黒人であるがゆえに理不尽で非情な目に遭いまくるギルバート。これでもか!と冷遇やイヤガラセ、暴力を受けるのですが、勤め先の郵便局で白人の同僚たちから受ける仕打ちとか、ほんと下劣で陰湿。犬だって、猫にはもっと優しいですよ。部屋に戻れば、世間知らずで気位が高くてKYで料理が下手でエッチもさせてくれない女房が待ってるし、心身ともにストレスだらけのギルバートが可哀想すぎ。私だったら、絶望のあまりテムズ川に身投げしてるかも…そうはならず、悔しさや怒りをバネにして前向きに明るく、そして他人への思いやりも忘れず生きるギルバートの姿に、日ごろ些細なことで凹みがちな私は大いに勇気づけられました。自分のことで精一杯な時も、優しさを失ってはいけない。無情で過酷な人生の中にあっても、誰かを恨んだり憎んだりせず、強く優しく生きるギルバートとクイーニー。思いがけない形で報われたり救われたりする彼らに、神さまってちゃんと見てくれてるんだな~と心が温まりました。
キーパーソンであるマイケルが、不思議な存在として印象的。夫の留守中、マイケルと恋に落ち彼の子を身ごもるクイーニー。彼女の家の下宿人になったギルバートの元に身を寄せるホーテンスは、ジャマイカでマイケルに片想いしていた幼なじみだった…なんて、ありえないメロドラマチックな偶然・運命が、ちょっと韓流ドラマっぽかった。当時のイギリスとジャマイカの関係も興味深かったです。ギルバートの台詞『イギリスは母で、ジャマイカは子。子は母のことを慕ってるのに、母は子のことを知らない』が胸に残りました。
このドラマ、キャストが秀逸でした。実質の主人公ギルバート役のデヴィッド・オイェロウォ(名前、言いにくい!書きにくい!)が特に素晴らしかった!
キング牧師役を熱演した「グローリー 明日への行進」など、最近躍進目覚ましい彼、いや~いい役者ですね!すごい好きになりました!どんなに困難で挫けそうでも~最後に愛は勝つ~♪なギルバートの、たくましく明るく茶目っ気たっぷりなキャラが最高にチャーミングだったということも要因ですが、オイェ(名前が難しいので、略す)の見た目や雰囲気も男らしくて愛嬌があって、いい男なんですよ~。私の黒人俳優ベストはテレンス・ハワードだったのですが、このドラマ観てオイェがナンバーワンに踊り出たかも。すっぽんぽんになるシーンで、すごい肉体美も披露。
ベネディクト・カンバーバッチは、クイーニーの夫役。わけあって失踪し、ひょっこり戻ってきて波風を立てる困ったちゃんな男を、バッチがデリケートに演じてます。善人なんだけど、どこか破綻してる危うさ、悲哀はバッチならでは。ホーテンス役は、007のミス・マネーペニー役でおなじみのナオミ・ハリス。お高くとまった自己チューKY娘役でイラっとする、けど何かズレてて笑える。ホーテンスとギルバートの噛み合わないやりとりは、かなりコミカルで楽しかったです。
↑ジャック・オコンネルくん、バッチさん、オイェの3ショット。誰とでも仲がよさそうなバッチさん、いい人なんだろうな~