「You Will Die at Twenty」
ナイル川のほとりにあるスーダンの小さな村。ムザミルは生まれてすぐに、イスラム教の聖者から20歳で死ぬと予言される。敬虔な母同様、それを信じて育ったムザミルは20歳になる直前に、村はずれに住む老人スレイマンと知り合い親しくなる。世界を放浪したスレイマンとの交流は、ムザミルに広い世界への憧れを抱かせるが…
珍しいスーダン映画。スーダンといえば、アフリカにある内紛がおさまらない物騒な国、というイメージ。自衛隊派遣が物議を呼んだPKOとか思い出されます。映画どころじゃなさそうなスーダンで、こんな美しい佳作が製作されるとは。失礼ながら意外でした。
アフリカの国といえば、飢餓とか貧困、伝染病に民族紛争、不衛生で危険、ぜったい住みたくない生き地獄、なんて先入観と偏見を抱いてしまいますが、この映画の舞台となった村は、そんな苦患には満ちておらず、村人たちは素朴なシンプルライフを静かに平和に営んでいて、スマホもネットもないけどみんな特に不自由もなく、おかしな知識や情報に惑わされることもなく清らかに生きている。私たちが心身ともに、便利だけど不要で有毒なものに踊らされて歪められてるか、つくづく思い知らされました。東南アジアの後進国と違い湿気がないからか、ハエがぶんぶん飛んでたりとか暑さでぐったりしてたりとか全然なくて、光も青空も空気も乾いて澄んでるところも印象的でした。まばゆいまでに明るいけど、のんきでユルい陽気さはなく、みんなどこかストイックな感じなのは、信仰が生活の、人生の中心にあるからでしょうか。
現代社会に毒されてはないけど、村人たちは古くからの因習や厚い信仰心に囚われ縛られていて、その閉鎖的な狭い世界はかなり窮屈にも思えました。そんな世界のしがらみと、未知の広い世界への憧憬との狭間で揺れるムザミルの20歳の決断と行動は、アフリカという特殊な国だけの特異なものではなく、どこの国の若者にも重なる青春の痛みと希望に衝き動かれてのもので、静かだけど大きな感動をもたらしてくれました。ナイル川や砂漠など静謐な悠久の風景や、神事などが醸すスピリチュアルな雰囲気、エスニックな衣装と家屋なども、アフリカの神秘や風趣を伝えてくれました。ムザミルのガールフレンドの髪型とか部屋とか、アフリカらしからぬモダンさで面白かったです。スレイマンの家のインテリアとか置物とか、同じものがほしい!と思いました。
聡明で生真面目、どこか虚無的で内省的なムザミル、20歳で死ぬ運命(と周囲も自分も信じている)なのに、自暴自棄にもならず親孝行な優等生で、ほんといい子!私がムザミルなら、絶望的になってグレて身を持ち崩すでしょうし。ムザミル役の俳優がかなりイケメンで、美しい肉体のセクシーな男の子だったのもポイント高し。さらにこの映画、ほのかにBLのかほりがするんですよ。同性愛者は誰一人出てこないのですが、ムザミルひょっとして?と思わせたりする言動や、男たちとの絡みが多いんです。ガールフレンドから性的な誘いをされると嫌悪に近い表情で拒んだり。若くて男前な神官に裸になれと命じられ、美しい上半身を愛撫のように撫でられたり。お父さんやスレイマンとのスキンシップも、親子や友人以上のものが感じられた。
子どもの時ムザミルをいじめていた幼馴染もイケメン!当時を悔いて謝る彼にスゲなくするムザミル、あのシーン何か萌えたわ。あの後二人がBLになるのかと期待してしまいました。映画のポスターも、ショタとイケメン青年のBL映画っぽいですし。この映画の監督、ゲイなのかな?と思わせる感性が、そこかしこに散りばめられていました。
ナイル川のほとりにあるスーダンの小さな村。ムザミルは生まれてすぐに、イスラム教の聖者から20歳で死ぬと予言される。敬虔な母同様、それを信じて育ったムザミルは20歳になる直前に、村はずれに住む老人スレイマンと知り合い親しくなる。世界を放浪したスレイマンとの交流は、ムザミルに広い世界への憧れを抱かせるが…
珍しいスーダン映画。スーダンといえば、アフリカにある内紛がおさまらない物騒な国、というイメージ。自衛隊派遣が物議を呼んだPKOとか思い出されます。映画どころじゃなさそうなスーダンで、こんな美しい佳作が製作されるとは。失礼ながら意外でした。
アフリカの国といえば、飢餓とか貧困、伝染病に民族紛争、不衛生で危険、ぜったい住みたくない生き地獄、なんて先入観と偏見を抱いてしまいますが、この映画の舞台となった村は、そんな苦患には満ちておらず、村人たちは素朴なシンプルライフを静かに平和に営んでいて、スマホもネットもないけどみんな特に不自由もなく、おかしな知識や情報に惑わされることもなく清らかに生きている。私たちが心身ともに、便利だけど不要で有毒なものに踊らされて歪められてるか、つくづく思い知らされました。東南アジアの後進国と違い湿気がないからか、ハエがぶんぶん飛んでたりとか暑さでぐったりしてたりとか全然なくて、光も青空も空気も乾いて澄んでるところも印象的でした。まばゆいまでに明るいけど、のんきでユルい陽気さはなく、みんなどこかストイックな感じなのは、信仰が生活の、人生の中心にあるからでしょうか。
現代社会に毒されてはないけど、村人たちは古くからの因習や厚い信仰心に囚われ縛られていて、その閉鎖的な狭い世界はかなり窮屈にも思えました。そんな世界のしがらみと、未知の広い世界への憧憬との狭間で揺れるムザミルの20歳の決断と行動は、アフリカという特殊な国だけの特異なものではなく、どこの国の若者にも重なる青春の痛みと希望に衝き動かれてのもので、静かだけど大きな感動をもたらしてくれました。ナイル川や砂漠など静謐な悠久の風景や、神事などが醸すスピリチュアルな雰囲気、エスニックな衣装と家屋なども、アフリカの神秘や風趣を伝えてくれました。ムザミルのガールフレンドの髪型とか部屋とか、アフリカらしからぬモダンさで面白かったです。スレイマンの家のインテリアとか置物とか、同じものがほしい!と思いました。
聡明で生真面目、どこか虚無的で内省的なムザミル、20歳で死ぬ運命(と周囲も自分も信じている)なのに、自暴自棄にもならず親孝行な優等生で、ほんといい子!私がムザミルなら、絶望的になってグレて身を持ち崩すでしょうし。ムザミル役の俳優がかなりイケメンで、美しい肉体のセクシーな男の子だったのもポイント高し。さらにこの映画、ほのかにBLのかほりがするんですよ。同性愛者は誰一人出てこないのですが、ムザミルひょっとして?と思わせたりする言動や、男たちとの絡みが多いんです。ガールフレンドから性的な誘いをされると嫌悪に近い表情で拒んだり。若くて男前な神官に裸になれと命じられ、美しい上半身を愛撫のように撫でられたり。お父さんやスレイマンとのスキンシップも、親子や友人以上のものが感じられた。
子どもの時ムザミルをいじめていた幼馴染もイケメン!当時を悔いて謝る彼にスゲなくするムザミル、あのシーン何か萌えたわ。あの後二人がBLになるのかと期待してしまいました。映画のポスターも、ショタとイケメン青年のBL映画っぽいですし。この映画の監督、ゲイなのかな?と思わせる感性が、そこかしこに散りばめられていました。