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山下耕作監督『博奕打ち 流れ者』その2

2012-05-01 05:08:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 岩佐は自分の賭場で木場の旦那衆から大金を巻き上げ、菊の夫らに店を明け渡すように迫ります。旦那衆から泣きつかれた木場政は自分が話をつけると言いますが、それを聞いていた英次郎は自分に任せてほしいと言います。岩佐の元を訪れた英次郎は旦那衆の借金1500円を返すために、仁輔から預かっている500円で博奕をさせてほしいと言い、熊谷と相談した岩佐は英次郎の命を賭けることを条件に要求を飲みます。その時たまたま熊谷の元で草鞋を脱いでいた新吉が岩佐の代理としてサイを振りますが、勝負は英次郎の勝ちとなり、借金の証文を持って帰ろうとする英次郎に斬りかかろうとする岩佐に対し、新吉は自分の責任だと言って英次郎をかばいます。
 英次郎が証文を菊の夫に返すと、菊は先日の無礼を謝り、改めて仁輔が残してくれた500円を英次郎から受け取ります。市は小秀を連れて旅立つように英次郎に言いますが、木場政親分への義理を理由に英次郎は留どまります。そこへ現れ、木場政に草鞋を脱ぐ勇作(若山富三郎)。熊谷は賭けに負けた落とし前として英次郎を殺せと新吉に迫りますが、そこに現れた市は小倉の話を菊駒にばらすと言って、熊谷を止めようとします。それならお前が英次郎を殺せと言う熊谷に、市は刃を向け、事情を知らない新吉は市を刺し殺します。倒れる間際に新吉に向かって「旅に出ろ」と言う市。家に運ばれた市は英次郎に、熊谷が木場政のシマを狙っているので気をつけろと言い残して死に、熊谷は新たに新吉に英次郎を殺すように命じます。
 手紙で英次郎を呼び出した新吉は、彼の弟分になるために5年の間修行してきたと言って勝負してくれと迫りますが、英次郎は小倉での本当の話を新吉にし、新吉は熊谷に騙されていたことを知ります。そこへ熊谷の手の者が現れ、新吉を刺し殺し、それをそばで聞いていた木場政は熊谷の盃を返上するよう、自ら熊谷に迫ることに決めます。市と新吉を一緒に葬る英次郎と小秀。その夜、兄の思い出話を一緒にしたいという小秀に対し、英次郎は一つ用を済ませてから行くと約束します。
 熊谷の元を訪れ、盃を返上するように迫った木場政でしたが、その場で岩佐に殺されます。弔い合戦に向かおうとする木場政組の人々に、自分が片をつけるので今晩は静かに通夜をやってほしいという菊駒。それを聞いていた英次郎は一人、熊谷の元へ殴り込みをかけようとし、その前に市の家に行くと、障子にはかいがいしく膳の支度をする小秀の陰が写っていました。英次郎の気配を感じて外に出る小秀と、姿を隠す英次郎。それまでの英次郎の立ち居振る舞いを見ていた勇作は英次郎の心意気に惚れたと言って、殴り込みをかける英次郎に同行を許されます。
 殴り込みで、兵隊を雇い待ち構えていた熊谷と岩佐を斬り殺した英次郎は、自分の受けた傷は大丈夫だと言って、勇作と別れます。腹をつたって溢れる血、それにオーバーラップする割れる簪と怯える小秀。腹を押さえながらよたよたと海岸を歩いていく英次郎の後ろ姿で映画は終わります。

 極端な縦の構図が多く見られましたが、画面は全体的にくすんだ色調で、暗い印象が残りました。70年製作ということで、任侠映画の「祭りの後」といった感じだったのでしょうか? ストーリーが複雑だったことも今いちノレなかった一因だと思います。余談ですが、天津敏が北野武にそっくりであることを、この映画で初めて気付きました。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/