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G・ガルシア=マルケス『百年の孤独』その3

2012-05-11 05:44:00 | ノンジャンル
 先日、クリント・イーストウッドが初監督した'71年作品『恐怖のメロディ』の後半部分をWOWOWシネマで見ました。グラミー賞でレコード・オブ・ディ・イヤーを受賞したロバータ・フタックの「The First Time Ever I Saw your Face」が使われていたこと、そしてどのようにして撮ったのか分からない、海に浮かぶジェシカ・ウォルターの姿からズームダウンして岸壁に波しぶきを上げる風景につながるラストの1ショットをすっかり忘れていました。

 さて、またまた昨日の続きです。
 村の建設時のホセ・アルカディオ・ブエンティアはいわば若き族長として振る舞い、村の発展のためならば肉体労働をふくめて、一同への協力を惜しみませんでした。そして彼の指導の元にできあがった村マコンドは、勤勉でほんとうに幸せな村でした。
 しかし、率先して社会に奉仕するという心がまえも、磁石熱や天文学上の計算、物質変成の夢やさまざまな世界の不思議を見たいという願望などに引きまわされて、あっさり消えました。てきぱきして身ぎれいだったホセ・アルカディオ・ブエンディアは、ぐうたらな身なりをかまわない人間に変わり、彼は狂ってしまったのだと噂する者まで現れました。やがてホセ・アルカディオ・ブエンティアはマコンドをすばらしい文明の利器と接触させる道をひらくためだと言って、自らすすんで山刀や斧をにない、長旅へのみんなの協力を求めたとき、仕事も家族もなげうってあとに従ったのは、ほかでもない、その狂気を信じて疑わない当の男たちでした‥‥。

 以上、全429ページ中、11ページ強のあらすじです。無駄な文といったものが一切無く、エピソードに次ぐエピソード。話の展開も速く、このペースでいくと膨大な量のストーリーが溢れんばかりに詰め込まされていることになります。ホセ・アルカディオ・ブエンティアを頂点とする6代の世代の記録であり、その中には「どんでもない巨根の持ち主やら、教会建立のためにチョコレートを飲用して空中浮遊を見せる神父やら、三十二回の反乱と敗北を繰り返し十四回の暗殺と七十三回の伏兵攻撃と一回の銃殺刑を生き延びる大佐やら、奇人変人」(『読まずに小説書けますか』より引用)が多く含まれているとのことなので、一日一冊の本を読むという読書家であり作家でもある桜庭一樹さんが、無人島に持っていく一冊としてこの本を挙げていることにもうなずけました。読書好きの方が長期旅行に持って行く一冊として選ぶなら、最適の本なのではないでしょうか? なお、もっと詳しく知りたい方は、私のサイト( Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/))の「Favorite Novels」のところにアップしておきましたので、是非ご覧ください。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/