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マイケル・マン監督『ALI アリ』その1

2012-05-19 04:40:00 | ノンジャンル
 今朝の新聞で女優の中原早苗さんの死去を知りました。享年76才。ウィキペディアで調べると、一時川地民夫さんと事実婚状態になるも、短期で別れ、その後、深作欣二監督と結婚。深作監督のたびたびの女性問題にも深作監督の逝去まで別離を選ばず、深作監督の死後は表舞台に一切出ず、引退状態だったとのことです。私にとっての中原さんは、鈴木清順監督の映画での「おきゃん」で元気な女性という印象が強く、特に'63年の『関東無宿』で刺青に興味を示し、女学生にもかかわらず侠客の刺青見学に出向く役が鮮烈に心に残っています。改めてご冥福をお祈りいたします。

 さて、マイケル・マン監督・共同脚本の'01年作品『ALI アリ』をDVDで見ました。
 「1964年2月24日」の字幕。ノリのいいR&Bの歌手とそれに熱狂する女性の観衆のショットに、パーカーを着て夜の街でロードワークするカシアス・クレイ(ウィル・スミス)、パンチングボールを無心で叩く彼の姿、ブラックムスリムの教会でマルコムXが「いつか正義と平和がもたらされる」と演説するのを、後ろで立ったまま聞く彼の姿、縄跳びで汗を流す彼の姿、シャドーボクシングやスパーリングする彼の姿、それぞれのショットがインサートされます。計量時、チャンピオンのリストを挑発するクレイ。スタッフもクレイも無言で試合に備える控え室。下馬評ではチャンピオンが圧倒的に有利と見られる中、軽やかに相手のパンチをよけながらジャブを当てペースを握ったクレイ。一旦は油断してボディを喰らい苦し気な表情となりますが、休憩後はまた軽やかなフットワークが復活し、6ラウンド終了後、リストがマウスピースを吐き出して戦意を喪失し、TKO勝ちします。俺はまだ22才だと吠えるクレイ。
 行く先々に人だかりができる中、彼はマルコムXの訪問を受けます。白人からの差別に対し忍耐の限界に達したと述べるマルコムは、クレイをイライジャ師に紹介してあげると言います。スーツ姿で師の元を訪れたクレイは、奴隷の名前であるカシアス・クレイに替わってモハメド・アリという名前を師につけてもらいます。
 聖職者として停職処分を受けるマルコム。一方、故郷の地で凱旋パレードをするクレイは、イスラム教信者の旧友との再会を喜びますが、巡礼の話でケンカとなり決裂します。フェイドアウト。フェイドイン。
 クレイはクラブで出会ったソンジーと関係を持ち、彼女と結婚するつもりだと仲間に告げ、ブラックムスリムに改宗するとも告げます。そんな中、マルコムは大勢が集まった集会場で演説を始めようとしたところを、白人に雇われた黒人の放った銃弾を何発も受け、暗殺されます。知らせを聞いたクレイは表情を消しますが、目からはすーっと涙が流れ落ちます。
 クレイの試合会場はFBIによって警備され、試合はクレイが一発で相手を倒し、TKO勝ちします。祝福に訪れたソンジーと彼は口論となり、彼女は故郷のシカゴに去ります。
 有名なスポーツキャスターのコーセルの番組に出たクレイは、奴隷の名前を捨て、これからはモハメド・アリと名乗ると宣言し、批判するコーセルのカツラに手を出します。
 そんな彼の元に召集令状が来ますが、彼はクレイの名前での6週間の入隊を拒否し、逮捕されます。王者は自国の戦争に参加すべきだという仲間に反論するアリ。裁判では、自分は被告などではないと言って勝手に退席し、裁判は騒然となります。計量で相手を挑発し、相手に殴りかかられるアリは、それでも挑発し続け、試合では勝つものの、観衆から大ブーイングを受けます。
 裁判は徴兵拒否の罪でで執行猶予付きの懲役5年と5万ドルの罰金の判決となり、国内での試合を禁じられます。弁護士は来月連邦高裁に上訴すると言いますが、国はビザも出さない方針で、アリは試合ができなくなります。やがて子持ちのムスリム信者・ブリンダと付き合うようになるアリ。社会では反戦運動が激化していく一方、アリはブラックムスリムからも追放処分となり、仲間のブラウン(ジェイミー・フォックス)に八つ当たりします。地下鉄に乗り、無表情に景色を見るアリ。(明日へ続きます‥‥)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/