石井輝男監督・脚本の'75年作品『大脱獄』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
雪の降る中、屋外に置かれた絞首台。最後の食卓を終え、暴れたところを取り押さえられ、絞首台の縄に首をかけられた梢(高倉健)は、ハッと目を覚まします。タイトル。
「死刑執行の宣告は 朝の点呼前に告げられる。生か死か?! 彼等は焦躁に耐えられず 獣のように咆哮する!」の字幕。死刑囚の点呼で、最後に呼ばれた者は自殺していました。「死刑囚たちの中には、精神的苦痛に耐えられず、自ら命を絶ってゆくものもある。仲間の死はショックではあるが、食欲の前にはたちまち忘れ去られていくように見える」の字幕。雪の中の運動時に今夜脱獄の決行を話し会う7人。
隣の囚人が変な声を出すと言って看守を誘い出すと、舌を噛み切った大池(室田日出男)は房に入ってきた看守を絞殺します。脱獄し、民家で服を調達する7人。右翼の北郷は左翼の爆弾犯・赤田を殺し、大池が娘を強姦しようとするのを止めた赤田は大池に射殺されます。大池が強姦しようとした時、老人の風見(加藤嘉)が捜索犬の声がすると言って、彼らは民家を後にします。拳銃を持っていた大池と南川は、残りの3人からオーバーと食糧を奪って2人で逃げますが、風見は彼らが向かったのは行き止まりの谷で、きっと狂い死ぬだろうと言います。死んだ南川の側で全裸になり狂い死ぬ大池。雪を掘り夜を越す3人。梢は一緒に強盗をした郷田(田中邦衛)の罪を負わされて、郷田の情婦の偽証で死刑になったことを回想します。朝日を見ながら凍死する風見。
別れて逃げようという梢に、強盗の分け前に預かろうと付いてくる国岩(菅原文太)。流氷の見える番小屋に着くと、2人は鼠を食べて飢えをしのぎ、梢は隙を見て国岩を殴って失神させ、1人で出発します。
途中で行き倒れになっていた踊子・アキ(木の実ナナ)を助けた梢は、夫婦を装って2人で旅館に泊まり、アキを医者に診せます。アキから金がないと聞いた梢は線路の雪掻きで日当をもらいますが、人足頭(山本麟一)は梢が脱獄囚であることに気付いて上前をはね、顔の割れた梢は人足頭とその助手を殺し、金も盗みます。身寄りのないアキは故郷が梢と同じ博多であることで心を通わせ、病気も治ります。旅館にいた男(小池朝雄)も新聞で梢に気付き、梢に声をかけてくると、旅館は警官に囲まれますが、捕まったのは殺人犯であるその男の方でした。梢が脱獄囚であることに気付いたアキでしたが、自分を抱いてもいいと言うと、梢は自分を大事にしろと言います。梢から金を渡されて別れるアキ。
「札幌」の字幕。裁判で偽証した女を訪ねた梢は、首を絞めて脅して、郷田の居場所を聞き出します。女と列車で移動中に梢は国岩に会い、強盗の金など元々ないと言って、持ち合わせの金の半分を渡します。女がトイレに残した密告状を見つけて、それを梢に渡す国岩。
「小樽」の字幕。わざと転んで警官に助けられた女を置いて、1人郷田の元へ向かう梢。先に郷田の元へ着いた女は、郷田が別の女を抱いていたことから痴話ゲンカとなり、女は熱湯を浴びて顔に大ヤケドを負います。梢のことを聞き、大急ぎで逃げ出す郷田。梢はヤケドを負った女から郷田がボスの松井田のところにいて、松井田の命令で梢の妹と妻が車で轢き殺されたことを聞き出し、女としての自分は終わったという女に「女としてお前は死刑になったんだ」と言い放ちます。
「函館」の字幕。梢に付きまとう国岩は、母を安楽死させ、非情な医師も殺した過去を語ります。松井田が郷田と大金を列車で運ぶところを狙う梢と黒岩。郷田は松井田から金を横取りしようとしますが、そこへ梢と黒岩が銃を持って現れ、命乞いをする郷田の頭を撃って破裂させ、松井田の両目を撃ち抜き、妹殺しの実行犯の腕を撃ち落とし、口に銃を突っ込み撃ち殺します。足を撃たれた梢は、自分に気付かないアキを目の前にして救急車で運ばれていくのでした。
前半の雪の中の脱獄劇と、後半の町の中の復讐劇がまったく別のドラマを見ているようでした。石井監督ならではの残酷描写も結構見られて、それなりに楽しめたと思います。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
雪の降る中、屋外に置かれた絞首台。最後の食卓を終え、暴れたところを取り押さえられ、絞首台の縄に首をかけられた梢(高倉健)は、ハッと目を覚まします。タイトル。
「死刑執行の宣告は 朝の点呼前に告げられる。生か死か?! 彼等は焦躁に耐えられず 獣のように咆哮する!」の字幕。死刑囚の点呼で、最後に呼ばれた者は自殺していました。「死刑囚たちの中には、精神的苦痛に耐えられず、自ら命を絶ってゆくものもある。仲間の死はショックではあるが、食欲の前にはたちまち忘れ去られていくように見える」の字幕。雪の中の運動時に今夜脱獄の決行を話し会う7人。
隣の囚人が変な声を出すと言って看守を誘い出すと、舌を噛み切った大池(室田日出男)は房に入ってきた看守を絞殺します。脱獄し、民家で服を調達する7人。右翼の北郷は左翼の爆弾犯・赤田を殺し、大池が娘を強姦しようとするのを止めた赤田は大池に射殺されます。大池が強姦しようとした時、老人の風見(加藤嘉)が捜索犬の声がすると言って、彼らは民家を後にします。拳銃を持っていた大池と南川は、残りの3人からオーバーと食糧を奪って2人で逃げますが、風見は彼らが向かったのは行き止まりの谷で、きっと狂い死ぬだろうと言います。死んだ南川の側で全裸になり狂い死ぬ大池。雪を掘り夜を越す3人。梢は一緒に強盗をした郷田(田中邦衛)の罪を負わされて、郷田の情婦の偽証で死刑になったことを回想します。朝日を見ながら凍死する風見。
別れて逃げようという梢に、強盗の分け前に預かろうと付いてくる国岩(菅原文太)。流氷の見える番小屋に着くと、2人は鼠を食べて飢えをしのぎ、梢は隙を見て国岩を殴って失神させ、1人で出発します。
途中で行き倒れになっていた踊子・アキ(木の実ナナ)を助けた梢は、夫婦を装って2人で旅館に泊まり、アキを医者に診せます。アキから金がないと聞いた梢は線路の雪掻きで日当をもらいますが、人足頭(山本麟一)は梢が脱獄囚であることに気付いて上前をはね、顔の割れた梢は人足頭とその助手を殺し、金も盗みます。身寄りのないアキは故郷が梢と同じ博多であることで心を通わせ、病気も治ります。旅館にいた男(小池朝雄)も新聞で梢に気付き、梢に声をかけてくると、旅館は警官に囲まれますが、捕まったのは殺人犯であるその男の方でした。梢が脱獄囚であることに気付いたアキでしたが、自分を抱いてもいいと言うと、梢は自分を大事にしろと言います。梢から金を渡されて別れるアキ。
「札幌」の字幕。裁判で偽証した女を訪ねた梢は、首を絞めて脅して、郷田の居場所を聞き出します。女と列車で移動中に梢は国岩に会い、強盗の金など元々ないと言って、持ち合わせの金の半分を渡します。女がトイレに残した密告状を見つけて、それを梢に渡す国岩。
「小樽」の字幕。わざと転んで警官に助けられた女を置いて、1人郷田の元へ向かう梢。先に郷田の元へ着いた女は、郷田が別の女を抱いていたことから痴話ゲンカとなり、女は熱湯を浴びて顔に大ヤケドを負います。梢のことを聞き、大急ぎで逃げ出す郷田。梢はヤケドを負った女から郷田がボスの松井田のところにいて、松井田の命令で梢の妹と妻が車で轢き殺されたことを聞き出し、女としての自分は終わったという女に「女としてお前は死刑になったんだ」と言い放ちます。
「函館」の字幕。梢に付きまとう国岩は、母を安楽死させ、非情な医師も殺した過去を語ります。松井田が郷田と大金を列車で運ぶところを狙う梢と黒岩。郷田は松井田から金を横取りしようとしますが、そこへ梢と黒岩が銃を持って現れ、命乞いをする郷田の頭を撃って破裂させ、松井田の両目を撃ち抜き、妹殺しの実行犯の腕を撃ち落とし、口に銃を突っ込み撃ち殺します。足を撃たれた梢は、自分に気付かないアキを目の前にして救急車で運ばれていくのでした。
前半の雪の中の脱獄劇と、後半の町の中の復讐劇がまったく別のドラマを見ているようでした。石井監督ならではの残酷描写も結構見られて、それなりに楽しめたと思います。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)