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“ポーランド・ポスター展”&“はじまりは国芳”展

2012-12-02 04:48:00 | ノンジャンル
 昨日横浜へ、“ポーランド・ポスター展”と“はじまりは国芳 江戸スピリットのゆくえ”展を見に行ってきました。
 まず、“ヨコハマ創造都市センター”で行われている『ポーランド・ポスター展』。主に'50年代から'60年代に作られ、ポーランド(主にワルシャワ)の街角に張られたポスター、約150点を一挙に公開するというこの展覧会。3階の展示室で1つ1つじっくり見たい気持ちを抑え、受付の方に公式パンフレットに公開作品がすべて掲載されていることを確認した上で、それを2500円で購入。後でゆっくり見ることにし、取りあえず1階に降りて、ワルシャワで活躍するデュオアーティスト“シャ/ザ”の演奏を聴くことに。“シャ/ザ”はパヴェウ・シャムブルスキさんとパトルィク・ザクロツキさんがクラリネット、ヴァイオリンなどを演奏するアーティストということでしたが、今回は何とポランスキーの短編を無声映画に見立てて、それに音楽をつけるという試みをするとのこと! 演奏が始まるのを待ってる間に、お土産品を物色していたのですが、その時、ポーランドの国旗も日の丸と同じく、赤と白しか使っていないことを発見! お土産コーナーの方にそれを指摘すると、「そうですね」という気のない返事が返ってきました。さて、午後1時となり、いよいよ“シャ/ザ”の登場。大きなスクリーンに6本の映画が次々に映され、それに時には音楽、時には効果音や声が被されたのですが、これがなかなかユーモアにあふれていて面白かったです。映された短編は、眠っている男をドアから秘かに部屋に入ってきた中年男が刺殺するという1分足らずのもの、アパートの階段を降りてきた男が、ある部屋の窓を覗くと、そこには入浴中の若い女性がいて、ずっと覗き続けるのですが、その部屋に男が帰ってきた物音を聞き、あわてて階段を降り、その後、また窓に戻るのですが、そこでは先程の男が醜く歯磨きをしていたというもの、招待客だけの野外パーティに若者たちが乱入し、パーティを粉々に破壊するというもの、海からタンスを持って現れた2人の男が、町の様々なところへ行くのですが、どこでも受け入れてもらえず、また海へ姿を消していくという『タンスと二人の男』(「これは有名な作品だ」と“シャ/ザ”さんらも言っていました)、人形作りの男が仕事を終えて帰っていくと、漏電で人形が燃え出してしまうというもの(ここでは、ラストで『ローズマリーの赤ちゃん』のテーマが使われていました)、雪原のかなたから、橇に1人が乗り、もう1人が引っ張るのを交互にする2人組が現れ、最後にケンカしている間に他の男に橇を持っていかれてしまい、今度は交互におんぶして再び雪原のかなたに去って行くというものでした。上映は6本合わせて約1時間で、満場の拍手の中、演奏は終わりました。(そして、私は今回のイベントで、ポランスキーがヌーヴェル・ヴァーグとまったく同じ頃にデビューしていたのを初めて知りました。)
 次に向かったのは、“横浜美術館”で行われていた“はじまりは国芳 江戸スピリットのゆくえ”展。江戸時代末期から明治にかけて活躍した浮世絵師・歌川国芳の版画を中心に、その弟子たちの作品を集めたものでしたが、これも見ごたえ十分でした。国芳の版画には、巨大な魚や龍や骸骨が描かれていたり、亡者の大群が背景に描かれていたり、ガリガリの爺が包丁を手に持ち、反対の手に女の首を捕まえているなど、一目見るだけでギョっとするものが多い一方で、多くの猫を描いて“ふぐ”の字としたり、53匹もの猫を描いたり、だまし絵を描いたりと遊び心にあふれた作品も多くありました。またその多くの弟子の中で、特に芳年の版画は、京の五条の橋の上で義経が飛び上がっていたり、生首が転がっていたり、隅に猫がうずくまっていたり、鯉に金太郎が抱きついていたり、着物から出された母のおっぱいにすがる童子を兎が見ていたり、表情豊かな芸子が描かれていたりと、これまた面白いものが多くありました。
 帰りの電車の中で、ポーランド・ポスター展の公式パンフレットを読んだのですが、'55年から'65年にかけて花開いたポーランドのポスターは、ユゼフ・ムロシュチャク教授とヘンリク・トマジェフスキ教授を中心とした“ポーランドポスター学校”と呼ばれるグループが先導していったことを、これまた初めて知ったのでした。ちなみに“ポーランド・ポスター展”は、関東圏では明日まで(その後は名古屋に行くそうです)、“はじまりは国芳”展は、来年の1月14日までやっています。興味のある方は是非どうぞ。

 →Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto