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清水宏監督『しいのみ学園』その1

2012-12-13 06:09:00 | ノンジャンル
 清水宏監督・脚本、助監督が石井輝男さんの'55年作品『しいのみ学園』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
 校庭でキャッチボールする子らを見ていた少年(河原崎建三)は、自分も仲間に入れてくれと言いますが、ミットもグローブも持ってない奴は入れないと言われます。少年は上着を着、ランドセルを背負って歩き出しますが、松葉杖を使い、右足を引きずります。並木道で父(宇野重吉)に会った少年・ユウドウは、野球部に入ったと言い、ミットとグローブを買ってもらえることになります。寝た息子の足をマッサージする母(花井蘭子)は、健康に生まれながらも、1歳過ぎに小児まひを患い、治療が遅れたことで、後は親の愛情と訓練しか治療する方法はないと医者から言われたことを回想します。アメリカのスケート選手も元は小児まひだったことを話し、妻を元気づける夫は、これまでありとあらゆる方法を息子の治療のために試してきたことを回想します。足の悪い子のために学校を作ることが自分の夢だとユウドウが語っていたと妻に教える夫。
 翌日、父が校庭に行くと、息子は相変わらず野球に参加させてもらえていず、息子に訳を聞くと、ミットとグローブを取られただけで、仲間には入れてもらえなかったと聞かされます。自分がアンパイヤをするから息子を仲間に入れてやってくれと父が言うと、子供たちは相談した後、皆ビッコの真似をして校庭を後にし、沈み込む息子に父は「一緒にキャッチボールをしよう」と言って、自分がピッチャーをし、ユウドウにキャッチャーをさせ、ユウドウの弟・久男にバッターをさせます。久男が打った球がブランコのところへ飛ぶと、そこには大学教授である父の教え子・カヨコ(香川京子)が妹といて、妹がやはり小児まひで、学校で虐められるため、自宅で妹を教え、学校の雰囲気を味あわせてあげるために、放課後に学校へ妹を連れに来ていることをユウドウの父に伝えます。
 翌日、ユウドウは同級生の定期を盗んだ罪を着せられ、帰宅して怒りを爆発させます。訳を聞いた父は抗議するため学校に向かおうとしますが、そんなことをしたら却ってユウドウが虐められることになると妻に止められます。すると、そこへ帰宅した弟は、ユウドウの無実の罪が晴れたことを報告します。
 大学で教育について講義する父。妻から電話を受けた父は、久男も高熱を出したことを伝えられ、すぐに帰宅しますが、結局久男も小児まひに罹り、兄と同じく足が不自由になるのでした。しかし兄弟は女医に励まされて歩く訓練をし始め、ユウドウは寺の階段を女医に励まされながら、登っていきます。その姿に勇気を得て、父におんぶされてきた弟も這いずりながら階段を登っていきます。
 ユウドウの両親は、全財産を注ぎ込んだ上、借金もして、小児まひの子供たちのための学校を作る決意をすると、それを聞いたカヨコもその仕事を手伝わせてほしいと申し出ます。小さな実ながら、美しい花は咲かずとも大木になることから“しいのみ学園”と名付けたその学校の開校式で、皆が君が代を歌うのを聞いて、ユウドウの母は涙し、夫は親からもらった財産を注ぎ込んでくれた妻に感謝します。
 彼らは不具者の劣等感を除くため、運動場を教室とし、まず運動機能の向上を目指し、自立心を育て、皆で励まし合う精神を持たせます。教室では丸を描く練習から始め、絵画療法、“しいのみ学園の歌”の合唱を行ない、汽車ごっこによる社会行動性の訓練も行ないます。母親の手を借りずに初めて歩いた少女は、汽車ごっこの中でやがて走り始めます。それを見て感激する母親。空に響くトンビの声。
 ある日、金持ちのママ母が子を預けにやって来て、ママ母のやっかい払いしたいという意向に対し、ユウドウの父は一旦は預かるのを断りますが、子供に罪はないと考え直し、その子・鉄夫を預かることにします。寝つかれない鉄夫にカヨコが優しく声をかけると、泣き出す鉄夫。カヨコは鉄夫が寝つくまで、そばにいてやります。歌うことも笑うことも知らない鉄夫を、きっと歌い、笑わせてみせると誓うカヨコ。(明日へ続きます‥‥)

 →Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto