マノエル・ド・オリヴェイラ監督・脚本の'42年作品であり、同監督の長編第1作である『アニキ・ボボ』を渋谷オーディトリアムで見ました。
轟音を上げて走る列車。崖を転がり落ちる少年。叫ぶ少女。タイトル。少年のカルリトスは母にせかされて登校します。途中で仲間たちと出会いますが、ベランダから見下ろす美少女テレジニャの前に行くと、リーダー格のエドゥアルドは、やはり彼女を見上げるカルリトスを押し倒し、カルリトスは牛乳の池に顔から落ちます。それを見て笑いさざめく仲間たち。学校に着くと、彼らは廊下に帽子をかけ、教室に入ります。廊下で揺れる帽子たち。遅れてやってきた木靴のピスタリンは、小さいため、背伸びして帽子をかけ、先生の目を盗んで机に行こうとしますが、結局見つかって、教壇の横の高椅子に座らされ、新聞紙でできた冠を被せられます。窓にやって来た猫に気付いて、笑う生徒たちと、それを知らずに叱る教師。エドゥアルドはピスタリンの冠にパチンコで石をぶつけ、それに気付いた先生が叱ると、猫は逃げてしまい、生徒たちは落胆します。
下校時にテレジニャに出会ったカルリトスは彼女に笑いかけますが、すぐにエドゥアルドに邪魔されます。エドゥアルドは仲間たちと水泳に興じ、1人クレーンの先から高飛び込みをし、皆から喝采を受けた後、泳ぐのを嫌がるピスタリンを無理矢理泳がせようとしますが、カルリトスはそれを止め、エドゥアルドと喧嘩になります。騒ぎを聞きつけた警官がやって来て、逃げ出す子供たち。1人逃げ遅れたカルリトスはピスタリンに服を投げてもらい、泳いで逃げます。
帰宅途中、店のショーウィンドウに飾られた人形を見つめるテレジニャに出会ったカルリトスは、エドゥアルドから受けた目の傷を心配されますが、転んだだけだと嘘をつきます。何とかしてその人形をテレジニャに買ってやりたいと言うカルリトスに対し、ピスタリンは自分の貯金箱を店に持ち込みますが、店主に全然足りないと言われます。カルリトスは、店主が金持ちの相手をしている隙に、人形を盗み出します。夜に泥棒チームと警官チームに別れて追いかけっこをして遊ぼうというエドゥアルドは、カルリトスを泥棒チームに指名しますが、カルリトスは驚いた表情で拒否します。チームと別れて1人逃げ出し、エドゥアルドに捕まったカルリトスは、エドゥアルドの顔と警官の顔を重ねます。深夜に帰宅したカルリトスは、窓から自室を抜け出して、屋根伝いにテレジニャの部屋まで行き、彼女に人形を贈り、買ったと嘘をつきます。
翌日、学校をサボッてテレジニャをデートに誘ったエドゥアルドは、凧を作って遊ぼうとしますが、仲間が紙を家に忘れてきたので、自分で店に紙を買いに行きます。学校があるのに紙を買いに来たエドゥアルドを不審に思った店主は、凧を作っていた彼らを見つけ、追いかけ始めます。高台に登り、また喧嘩を始めるカルリトスとエドゥアルド。そこへ列車がやって来て、彼らは飛び跳ねながら喜びますが、エドゥアルドは足をすべらせて崖を転落し、線路脇に落ちて動かなくなります。仲間たちとテレジニャは、カルリトスが突き落としたと勘違いをし、今後は口を聞かないと宣言します。病院に運ばれるエドゥアルド。
翌日、先生から二度と学校をさぼらないように誓わされ、エドウアルドの見舞いに行くように言われた生徒たちでしたが、エドゥアルドは面会謝絶でした。テレジニャは病院から出て来た店主から、カルリトスがエドゥアルドを突き落としていないことを教えられます。1人港で途方に暮れていたカルリトスは密航しようとしますが、船員に見つかり、船を下ろされます。そこへ仲間とテレジニャがやって来て、彼の無実を喜びます。カルリトスはピスタリンと人形を返しに店に行きますが、店主は人形をテレジニャに持っていってやれとカルリトスに言い、ピスタリンには飴を好きなだけ持っていけと言います。泥棒猫を捕まえたから給料を上げてくれと言う無能な店員に、猫を投げつける店主。カルリトスはテレジニャに改めて人形を渡し、2人が階段を登っていく後ろ姿で映画は終わります。
終始、小津のような音楽が流れ、最後の幸福なラストシーンには涙してしまいました。ネオリアリスモの先駆的作品と呼ばれているのも当然と感じた次第です。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
轟音を上げて走る列車。崖を転がり落ちる少年。叫ぶ少女。タイトル。少年のカルリトスは母にせかされて登校します。途中で仲間たちと出会いますが、ベランダから見下ろす美少女テレジニャの前に行くと、リーダー格のエドゥアルドは、やはり彼女を見上げるカルリトスを押し倒し、カルリトスは牛乳の池に顔から落ちます。それを見て笑いさざめく仲間たち。学校に着くと、彼らは廊下に帽子をかけ、教室に入ります。廊下で揺れる帽子たち。遅れてやってきた木靴のピスタリンは、小さいため、背伸びして帽子をかけ、先生の目を盗んで机に行こうとしますが、結局見つかって、教壇の横の高椅子に座らされ、新聞紙でできた冠を被せられます。窓にやって来た猫に気付いて、笑う生徒たちと、それを知らずに叱る教師。エドゥアルドはピスタリンの冠にパチンコで石をぶつけ、それに気付いた先生が叱ると、猫は逃げてしまい、生徒たちは落胆します。
下校時にテレジニャに出会ったカルリトスは彼女に笑いかけますが、すぐにエドゥアルドに邪魔されます。エドゥアルドは仲間たちと水泳に興じ、1人クレーンの先から高飛び込みをし、皆から喝采を受けた後、泳ぐのを嫌がるピスタリンを無理矢理泳がせようとしますが、カルリトスはそれを止め、エドゥアルドと喧嘩になります。騒ぎを聞きつけた警官がやって来て、逃げ出す子供たち。1人逃げ遅れたカルリトスはピスタリンに服を投げてもらい、泳いで逃げます。
帰宅途中、店のショーウィンドウに飾られた人形を見つめるテレジニャに出会ったカルリトスは、エドゥアルドから受けた目の傷を心配されますが、転んだだけだと嘘をつきます。何とかしてその人形をテレジニャに買ってやりたいと言うカルリトスに対し、ピスタリンは自分の貯金箱を店に持ち込みますが、店主に全然足りないと言われます。カルリトスは、店主が金持ちの相手をしている隙に、人形を盗み出します。夜に泥棒チームと警官チームに別れて追いかけっこをして遊ぼうというエドゥアルドは、カルリトスを泥棒チームに指名しますが、カルリトスは驚いた表情で拒否します。チームと別れて1人逃げ出し、エドゥアルドに捕まったカルリトスは、エドゥアルドの顔と警官の顔を重ねます。深夜に帰宅したカルリトスは、窓から自室を抜け出して、屋根伝いにテレジニャの部屋まで行き、彼女に人形を贈り、買ったと嘘をつきます。
翌日、学校をサボッてテレジニャをデートに誘ったエドゥアルドは、凧を作って遊ぼうとしますが、仲間が紙を家に忘れてきたので、自分で店に紙を買いに行きます。学校があるのに紙を買いに来たエドゥアルドを不審に思った店主は、凧を作っていた彼らを見つけ、追いかけ始めます。高台に登り、また喧嘩を始めるカルリトスとエドゥアルド。そこへ列車がやって来て、彼らは飛び跳ねながら喜びますが、エドゥアルドは足をすべらせて崖を転落し、線路脇に落ちて動かなくなります。仲間たちとテレジニャは、カルリトスが突き落としたと勘違いをし、今後は口を聞かないと宣言します。病院に運ばれるエドゥアルド。
翌日、先生から二度と学校をさぼらないように誓わされ、エドウアルドの見舞いに行くように言われた生徒たちでしたが、エドゥアルドは面会謝絶でした。テレジニャは病院から出て来た店主から、カルリトスがエドゥアルドを突き落としていないことを教えられます。1人港で途方に暮れていたカルリトスは密航しようとしますが、船員に見つかり、船を下ろされます。そこへ仲間とテレジニャがやって来て、彼の無実を喜びます。カルリトスはピスタリンと人形を返しに店に行きますが、店主は人形をテレジニャに持っていってやれとカルリトスに言い、ピスタリンには飴を好きなだけ持っていけと言います。泥棒猫を捕まえたから給料を上げてくれと言う無能な店員に、猫を投げつける店主。カルリトスはテレジニャに改めて人形を渡し、2人が階段を登っていく後ろ姿で映画は終わります。
終始、小津のような音楽が流れ、最後の幸福なラストシーンには涙してしまいました。ネオリアリスモの先駆的作品と呼ばれているのも当然と感じた次第です。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)