昨日の続きです。
翌朝、善さんの娘の京子(池内淳子)が訪ねてくると、寝ていた善さんは急いで身支度をします。(ここはフィルムの早回しで描写されます。)「変なところに住んでるのね」と言う京子に、番地もないし、家賃も取られないので便利だと答える善さん。京子は恋人と結婚したいので、お母さんと仲直りしてほしいと言いますが、善さんは「男が一旦家を出たからには、自分から頭を下げて家に帰る訳にはいかない。仲直りしてほしいなら、お母さんにまず頭を下げさせてほしい」と言います。一方、混血児の母を殺した男は、アラメニア国王に会いに行き、それらしい少年を見つけたので、とりあえず50万円ほしいと言いますが、国王は少年を実際に連れて来た時にまとめて払うと言います。警察でアパートの住民たちに事情聴取をする刑事。1人の住民が、女性が殺された日、その女性を混血児が訪ねてきたのを見たと言い、その混血児はペンダントの中に収められた、殺された女性と外人の写真を見せて、これは自分の母と父だと言っていたと刑事に話します。
善さんの妻で、マッサージ屋を営む文子(清川虹子)は客に無茶な施術を行なっています。京子は家に帰ってきた文子に、善さんがお母さんのことを心配していたと伝えると、文子は20年も連れ添ってきたんだから、と微笑みますが、お父さんに自分からは頭を下げるつもりはない、と京子の頼みをつっぱねます。京子の恋人で、殺人の第一発見者であるカンペイは刑事から容疑者に疑われますが、そこへ駆けつけた文子と京子はカンペイが犯人であるはずがないと言って弁護します。一方、善さんに連れられ町に出た混血児は、自分の母親を殺した男を街頭で発見し、その男の後を追いますが、逆に気づかれてしまい、男から逃げ出します。男は善さんの家を突き止め、トラックと車を乗りつけ大勢で押しかけますが、善さんの家のドアに「3時まで昼寝中」と書かれているのを見ると、起こすのも可哀想だと言って、家ごとトラックに積みます。「地震かな? まあ大したことない」とまた寝る善さん。おしっこをするため部屋を出ようとした混血児は、危うく部屋から落ちそうになり、それ以降はトラックから落ちそうになり傾く家から落ちまいとする善さんと混血児の奮闘ぶりが描かれます。結局家はトラックから落ちて破壊され、家がなくなった善さんは、自分から頭を下げて文子の元へ帰ります。
「今日からこの家の子になりました。どうぞよろしく」と言う混血児に、いい顔をしない文子。善さんと文子が混血児について話し合うのを聞いて、沈む混血児。善さんは混血児を引き取ろうとしない文子と口論となり、部屋に戻ると、混血児はすでに消えていました。混血児が公園で寂しくブランコに乗っていると、刑事と警官らに見つかり、混血児は逃げ出します。樽の中に隠れた混血児でしたが、樽ごと坂を落ち、頭を打ったところを善さんに助け出されます。入院した混血児に、新聞にお前のことが出ていたぞと善さんは伝えますが、そこにやってきた男は善さんの頭を殴って失神させ、混血児を拉致します。
国王に呼ばれてマッサージをしていた文子の元に、男が混血児を連れてやって来て、この子を手に入れるために犯罪を犯したので、自分も国外に連れて出てほしいと国王に頼み、それを国王に拒まれると、男は混血児を人質にして拳銃で武装し、部屋に籠城します。警官隊と銃撃戦となる男。善さんは暖炉を通って男がいる部屋に侵入し、男をやっつけます。
善さんは国王に勲章を授与され、夫婦ともども1千万円ももらい、飛行機で去る国王と混血児を皆で見送るのでした。
ここに書き切れないほど、様々なギャグに満ち、画面が皆“ショット”として見事な構図におさまり、ユーモラスな音の多用もあって、大いに笑わせてくれました。テーブルが動き、それに合わせて食事をするところは、チャップリンの『モダン・タイムス』を想起させ、トラックの上で家が傾くシーンは、同じくチャップリンの『黄金狂時代』を想起させました。齋藤寅次郎監督、ただものではありません。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
翌朝、善さんの娘の京子(池内淳子)が訪ねてくると、寝ていた善さんは急いで身支度をします。(ここはフィルムの早回しで描写されます。)「変なところに住んでるのね」と言う京子に、番地もないし、家賃も取られないので便利だと答える善さん。京子は恋人と結婚したいので、お母さんと仲直りしてほしいと言いますが、善さんは「男が一旦家を出たからには、自分から頭を下げて家に帰る訳にはいかない。仲直りしてほしいなら、お母さんにまず頭を下げさせてほしい」と言います。一方、混血児の母を殺した男は、アラメニア国王に会いに行き、それらしい少年を見つけたので、とりあえず50万円ほしいと言いますが、国王は少年を実際に連れて来た時にまとめて払うと言います。警察でアパートの住民たちに事情聴取をする刑事。1人の住民が、女性が殺された日、その女性を混血児が訪ねてきたのを見たと言い、その混血児はペンダントの中に収められた、殺された女性と外人の写真を見せて、これは自分の母と父だと言っていたと刑事に話します。
善さんの妻で、マッサージ屋を営む文子(清川虹子)は客に無茶な施術を行なっています。京子は家に帰ってきた文子に、善さんがお母さんのことを心配していたと伝えると、文子は20年も連れ添ってきたんだから、と微笑みますが、お父さんに自分からは頭を下げるつもりはない、と京子の頼みをつっぱねます。京子の恋人で、殺人の第一発見者であるカンペイは刑事から容疑者に疑われますが、そこへ駆けつけた文子と京子はカンペイが犯人であるはずがないと言って弁護します。一方、善さんに連れられ町に出た混血児は、自分の母親を殺した男を街頭で発見し、その男の後を追いますが、逆に気づかれてしまい、男から逃げ出します。男は善さんの家を突き止め、トラックと車を乗りつけ大勢で押しかけますが、善さんの家のドアに「3時まで昼寝中」と書かれているのを見ると、起こすのも可哀想だと言って、家ごとトラックに積みます。「地震かな? まあ大したことない」とまた寝る善さん。おしっこをするため部屋を出ようとした混血児は、危うく部屋から落ちそうになり、それ以降はトラックから落ちそうになり傾く家から落ちまいとする善さんと混血児の奮闘ぶりが描かれます。結局家はトラックから落ちて破壊され、家がなくなった善さんは、自分から頭を下げて文子の元へ帰ります。
「今日からこの家の子になりました。どうぞよろしく」と言う混血児に、いい顔をしない文子。善さんと文子が混血児について話し合うのを聞いて、沈む混血児。善さんは混血児を引き取ろうとしない文子と口論となり、部屋に戻ると、混血児はすでに消えていました。混血児が公園で寂しくブランコに乗っていると、刑事と警官らに見つかり、混血児は逃げ出します。樽の中に隠れた混血児でしたが、樽ごと坂を落ち、頭を打ったところを善さんに助け出されます。入院した混血児に、新聞にお前のことが出ていたぞと善さんは伝えますが、そこにやってきた男は善さんの頭を殴って失神させ、混血児を拉致します。
国王に呼ばれてマッサージをしていた文子の元に、男が混血児を連れてやって来て、この子を手に入れるために犯罪を犯したので、自分も国外に連れて出てほしいと国王に頼み、それを国王に拒まれると、男は混血児を人質にして拳銃で武装し、部屋に籠城します。警官隊と銃撃戦となる男。善さんは暖炉を通って男がいる部屋に侵入し、男をやっつけます。
善さんは国王に勲章を授与され、夫婦ともども1千万円ももらい、飛行機で去る国王と混血児を皆で見送るのでした。
ここに書き切れないほど、様々なギャグに満ち、画面が皆“ショット”として見事な構図におさまり、ユーモラスな音の多用もあって、大いに笑わせてくれました。テーブルが動き、それに合わせて食事をするところは、チャップリンの『モダン・タイムス』を想起させ、トラックの上で家が傾くシーンは、同じくチャップリンの『黄金狂時代』を想起させました。齋藤寅次郎監督、ただものではありません。
→Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)