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秘書・藤江淳子が語る『うちの先生(宇野千代)』その1

2018-05-21 05:16:00 | ノンジャンル
 さあ、いよいよ今日からWOWOWでエドワード・ヤン監督の作品が4本放映されます。時間はいずれも午後11時スタート。映画ファンの方は必見です。

 また、先日急にエンニオ・モリコーネの音楽が聴きたくなり、アマゾンで「情熱のマカロニ・ウエスタン エンニオ・モリコーネ」というエンニオ・モリコーネのベスト盤のCDを買いましたが、なぜか『夕陽のガンマン』のテーマ曲だけが入っていませんでした。版権の問題なのでしょうか? まあ、それでも『荒野の用心棒』のテーマ曲と、ジョーン・バエズが歌う『死刑台のメロディ』のテーマソングが聞けたので、よしとして、CDはヤフオクで売ることとし、モリコーネの音楽はYouTubeで聞くことにしました。

 さて、‘17年に刊行された、KAWADE夢ムック・文藝別冊『生誕120年記念総特集 宇野千代』に掲載された「秘書・藤江淳子が語る『うちの先生』」全7編を転載させていただきます。

『長生きの秘訣』
「うちの先生が亡くなられてからもうすぐで二十一年が経ちます。その間、あまりにいろんなことがありました。いまではその日によって感じ方が違って、もうずいぶん前のことだったようにも思いますし、つい最近のことだったような気もします。
 私は最初、たまたまお手伝いで先生のお宅に入ったんです。文学好きというわけでもなかったし、先生のファンというわけでもない。『おはん』を書いた人だというくらいの認識で、なんとなく一緒にいるようになって、三十六年も経ってしまいました。
 それだけ居心地が良かったのでしょう。もし九十八歳で亡くなられていなければ、今でも一緒にいたいと思うくらい。そうしたら今年で先生は百二十歳ですね。
 うちの先生はとてもざっくばらんで、お手伝いの私にも気を遣わせることのない人でした。お料理もよくご自分でなさって、朝起きて顔を洗ったらもう台所に立って、まな板の上で何かを切るトントンという音を響かせます。洗い物もお好きだからご自分でやりたがって、だから私は『こちらでやりますから』なんてことも言いません。ほんとうに、家族のような関係でした。先生のお料理をいただいて、平気で『これちょっと辛いんじゃないですか』なんて申し上げたりして。
 先生のお料理は、ぱっと作ってすぐに出せるお惣菜がほとんど。ただ、内容はささやかでも、彩りにはこだわりがあるんです。テーブルに並ぶお皿はぜんぶ同系色で、そして、それらがぜんぶ違うお皿でないと嫌がるんです。お着物も、同系色で統一するのがお好きでした。
 そうした色彩へのこだわりがあるから、先生のお料理は豪華でなくても綺麗に見えます。
『見た目で美味しさを味わわなくてはいけませんよ』と、よく仰っていました。
 先生は美食派ではなく粗食派(笑)。だからあんなに長生きできたんだと思います。」

『前向きの達人』
「うちの先生は前向きの達人でした。嫌なことがあっても、楽しい気持ちに転換することにかけてはまさに名人。
『スマイル』という言葉が好きで、苦手な歯医者さんへ行く時にも、ふたりで『スマイル、スマイル』なんて言いながら青山通りを歩いて行きました。すると、いつのまにか歯医者さんが素敵な人に変換されてしまうんです。
 病院に着いてからもいろんな医療機器を見て『これはなに?』『あれはなに?』なんて言って、興味を自分で作り出してゆく。すると苦手な場所も、興味のあるものだらけになる。そしてだんだんと、そこに馴染んでゆく。そうすると、次に歯医者さんに行く時にはまるで好きな人に会いに行くように錯覚する。そうした雰囲気を、歯医者さんに限らず、嫌な人や苦手な人に対しても、自分で作り出してしまえるんです。
 私は先生から失敗を咎められたことがありません。私がお着物の仕事で失敗した時なんか、おもむろに料理を並べはじめて、『まずは食べて、考えるのは明日にしましょう』って、私は落ち込んでいるから、なかなかそんな気分にはなれないのだけれど、だんだん賑やかな気持ちになっちゃう。
 そうしてお食事を美味しくいただいて一晩眠ると、翌日には気分が嘘みたいに変わるんです。どうしてあんなに悩んでいたんだろうって。
 先生が起きるのはいつも七時から八時の間でした。私が『おはようございます。ご気分はいかがですか』と挨拶すると、どんな時でも必ず『最高ですよ』と返ってきました。入院している時ですら、『最高ですよ』って。
 私は三十六年間一度も、先生の涙を見たことがありません。喜怒哀楽の激しい揺れ、というものは、先生にはありませんでした。
『よよと泣かない』という先生の随筆があります。その通り先生は、相手にすがって何かを求めたり、怒ったり泣いたりすることを一切しませんでした。
 それでいて、驚くほどの自然体なんです。」(明日へ続きます……)

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P.S 昔、東京都江東区にあった進学塾「早友」の東陽町教室で私と同僚だった伊藤さんと黒山さん、連絡をください。首を長くして福長さんと待っています。また、この2人について何らかの情報を知っている方も、以下のメールで情報をお送りください。(m-goto@ceres.dti.ne.jp)

斎藤美奈子さんのコラム・その20 & 山口二郎さんのコラム・その6

2018-05-20 06:03:00 | ノンジャンル
 恒例となった、水曜日の東京新聞に掲載されている、斎藤美奈子さんの「本音のコラム」の第20弾。
 
 まず、5月9日に掲載された「部長の恋愛」と題されたコラム。
「四月からスタートしたテレビ朝日系の土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』が人気である。
 女性にまったくモテない三十三歳の会社員・春田創一(田中圭)が、上司の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)に愛されてしまうという内容で、キャッチコピーは『ある日、僕は部長に告白された』。しかも春田は同居している後輩の牧凌(林遣都)にも思いを寄せられ、頭を抱えることとなる。
 テレビ朝日のフレコミでは『抱腹絶倒の胸キュン・ラブコメディー』。だけど私は胸キュンどころかハラハラしっぱなしである。なぜって黒澤が春田に対してやってることはすべて典型的なセクハラだからだ。仕事の話にかこつけてデートに誘い出す。相手が嫌がってるのにしつこく迫る。春田が拒否できないのは、相手が男だからではなく上司だからだ。後輩とはいえ、いきなりキスしてきた牧の行為も褒められたものではない。
 牟田和恵『部長、その恋愛はセクハラです!』(集英社新書)にはそんな事例が数多く載っている。セクハラと恋愛妄想は紙一重。どんなに黒澤が『ピュアすぎる乙女心』の持ち主でも、相手が異性でも同姓でも、上司が絶対やっちゃダメなことはあるのだよ。
 もっとも、黒澤の暴走と春田の動揺は、セクハラの複雑さを学ぶよい教材ともいえる。春田の身になったら、笑えないでしょ。」

 また日曜日の東京新聞に掲載されている、山口二郎さんの「本音のコラム」の第6弾。

 まず、5月5日に掲載された「改憲論議以前」と題されたコラム。
「安倍首相はしつこく憲法改正ムードを作ろうとしているが、およそルールを守らない意欲も能力もない政治家に憲法改正を叫ばれると、ふざけるなと言いたくなる。常習犯の泥棒が、汝(なんじ)盗むなかれと説教するようなものである。
 憲法は国家のアクセサリーではない。為政者が日々実践すべき規範である。また、憲法や法律に明記されていなくても、憲法の前提とも言うべき当然の常識がある。公務員が正確な記録を残すなどもその例である。
 安倍政権の異常さは、この種の常識が破壊され、さらに公務員に常識を守るよう監督する立場にある首相以下の閣僚もこの種の非行を黙認した点にある。安倍政権には順法精神がないと言わざるを得ない。
 加えて、憲法論議をしたいという者は、当然日本語のルールを守らなければならない。野党議員が自衛隊の日報にあった『戦闘』の意味を尋ねる質問主意書を出したところ、政府は『国語辞典的な意味での戦闘』と自衛隊法などで定義する『戦闘行為』とは異なるという答弁を決定した。犬を見て、あれは自分の考える犬ではなく、猫であると言い張るならば、もはや議論は不可能である。
 政権の指導者たちは、小学校の国語と道徳からやり直した方がよい。憲法論議は政治家が言葉を正しく使えるようになるまでお預けにするしかない」。

 また5月13日に掲載された「諸悪の根源は経産省」と題されたコラム。
「安倍政権を支える実働部隊は経産省の官僚である。現総理秘書官の今井尚哉氏、先日参考人招致された柳瀬唯夫元秘書官は、いずれも経産省の官僚であり、政権運営の鍵を握っている。政策の基本的枠組みを打ち出すのは経済財政諮問会議、産業競争力会議などの審議機関である。これらは省庁にまたがる課題についてトップダウンで方向性を支持する機関だが、これらの議論を誘導するのは加計学園案件に関して活躍した藤原豊氏のような経済官僚である。
 バブル崩壊後、経済成長の戦略を描くべき経産官僚は何一つ成功していない。経産省が執念を燃やす原発輸出にしても、民間企業では背負えないリスクが広がっている。自分の本業がうまくいかないものだから、労働、農業、医療、教育など他の畑を荒らしに行って、それらの世界で長年存在したルールを壊し、新しいビジネスチャンスを作ることを自分たちの手柄にしようとしている。
 これから国会審議の焦点となる働き方改革にしても、日本経済再生本部が産業競争力の強化のために打ち出した労働法制改革を土台にしている。成長のために労働者にもっと働かせろという発想がその根底にあるように思える。
 森友、加計問題も徹底的な究明が必要だが、経産省が日本をおもちゃにしていることを厳しく追及する必要がある、」

 どれも勉強になり、またこちらの想いを代弁してくれる見事な文章だったと思います。

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サミュエル・フラー監督『殺人地帯USA』その7

2018-05-19 06:37:00 | ノンジャンル
 いよいよ来週の月曜日から木曜日までWOWOWシネマでエドワード・ヤン監督の作品が放映されます。21日(月)が『台北ストーリー』、22日(火)が『恐怖分子』、23日(水)が『牯嶺街少年殺人事件』、24日(木)が『ヤンヤン 夏の想い出』です。(いずれも午後11時から。)私は今までに『台北ストーリー』と『ヤンヤン 夏の想い出』は見ていますが、どちらも文句無しの傑作でした。今回は『恐怖分子』にももちろん期待していますが、何と言っても長年見たくてたまらなかった『牯嶺街少年殺人事件』が放映されることが私にとっては大事件で、今からこの映画を見られることに興奮しています。映画好きの方でWOWOWにまだ加入されていない方は、すぐに加入して、エドワード・ヤン監督の作品を一つでも多く見ることをお勧めします!

また、先日WOWOWライブで、「produced by 武部聡志 PERFECT ONE presents SONGS & FRIENDS 荒井由美『ひこうき雲』」を観ました。今年の5月17日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナで開かれたライブをそのまま放送したものです。荒井由実さんのデビューアルバム『ひこうき雲』に収録された10曲の中から、出演するアーティストが自分の好きな曲を歌うというライブで、実際に歌われた歌は、原田知世さんが『雨の街を』&『ダンデライオン~遅咲きのタンポポ』、ヨンスさんが『返事はいらない』&『Hello, my friend』、家入レオさんが『紙ヒコーキ』&『卒業写真』、クレイジー・ケン・バンドの横山剣さんが『ベルベット・イースター』&『雨のステイション』、JUJUさんが『きっと言える』&『曇り空』(『曇り空』は途中から久保田利伸さんとのデュエット)、久保田利伸さんがソロで『雨の街を』(途中から原田知世さんとデュエット)、そして司会の中井美穂さんによる武部さんへのインタビュ(武部さんはユーミンさんの音楽監督をずっとされてきたのだそうです)を挟んで、荒井由実&キャラメルママさん(ユーミンさんがデビュー前に組んでいたバンド名。当然当時のオリジナル・メンバーによる演奏)が『ベルベット・イースター』、荒井由実&ティン・パン・アレーさん(ファーストアルバムの時のオリジナルメンバーにドラムスとして武部さんが参加)が『そのまま』(ユーミンさんが14歳の時に作った曲で、アルバム『ひこうき雲』の中で最初に作った曲)&『返事はいらない』、そして、ゲストに井上陽水さんを迎えて『空と海の輝きに向けて』、、再び荒井由実&ティン・パン・アレーが『ひこうき雲』を歌っていました。荒井由実さん、すなわちユーミンファンの方ならば必聴の番組だったと思います。おそらく来月以降も再放送が行われると思うので、まだ御覧になっていない方は、是非WOWOWと契約することをお勧めします!

 さて、また昨日の続きです。
 ガス来る。トリーに拳銃を渡す。「これはお前のだ」「何のため?」「帳簿係を知ってるな? 娘がはねられただろ? 俺がやった。隠れ家が分かった」「なぜ俺に銃を?」「お前が仕留めろとさ。を消しに行く。カドルスだが、スミスを売ったのはあの女だ。保護されていようと、いずれは消される。コナーズは必ずやる。これで密告する奴はいなくなる。お前の腕が認められれば、カドルス殺しを任されるかも。行こう」。ガスの背後から拳銃で殴りお失神させるトリー。
 警察の前で車を停め、ガスを下し、クラクションを鳴らして去るトリー。「こいつの銃とジーラ殺害の銃弾を調べろ」のメモ。
 物思いにふけるトリー。車を降り、コナーズの許へ。
サンディー「コナーズと後ろはガスの車だわ。ここは危険よ」。
警備の者を拳銃で殴り倒すトリー。トリーの拳銃を見て、コナーズは危険を感じ、二人はプールに落ちて取っ組み合い。逃げるコナーズと追うトリー。やがてコナーズの頭を両足ではさみ、コナーズを水死される。うつ伏せで、ぽっかり浮かぶコナーズ。“コナーズ、犯罪対策委員会と対決”の見出しの新聞紙も浮かぶ。去るトリーに護衛の者、一発を放つ。トリーは腹に受け、雨上がりの路上をよろよろと歩きながら、最後には路地裏で息絶える。駆け寄るサンディーとカドルス。サンディ「あなたの使命は証言すること」カドルス「スミスなんてもうどうでもいい」「トリーのために証言して。彼を犬死にさせないで」。視線を挙げるカドルス。最後、トリーの拳へのズームアップで映画は終わる。

 文句なしの傑作でした。

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サミュエル・フラー監督『殺人地帯USA』その6

2018-05-18 05:30:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 回想するトリー。「こんな感じ、初めてよ。どんな感じ? 女ってキスされると赤くなったり興奮したりする娘もいれば、叫んだり笑ったり泣き出す娘も。私は魂が抜ける。死んじゃうの。あなたのキスは最高」。
 ガスが入口の見張りをしてる。トリー、ドリスコルに「コナーズが書類を真っ先に見せろと」「いいぞ、仲間を信じてない」「次の書類は?」「ない。しばらくはないことにしよう」「なぜ?」「気をもませろ」「早くジーラもやろう」「もちろんだ。が、慎重にやるべきだ。続きすぎは怪しまれる」「そっちに任せる」。
 ドリスコルが去った後、彼の事務所に入りこみ、ジーラとの密会の書類を偽造するトリー。
 “極秘報告書 水曜午前2時、ジーラと密会 土曜午後10時、ジーラと密会 日曜午後4時ジーラと密会……”。コナーズ「誰にも見せてないな?」ガス「はい」「トリーと言ったな」「ええ」「よくやった。元の場所に戻せ。ジーラを24時間見張らせ、彼の行動を細かく私に報告するように伝えろ」。
 ジーラ、国際プロジェクト社へ。尾行する男。
 夜の一軒家。トリー「酔ったはずみで言ったんじゃないか?」ドリスコル「何を言った?」「俺がプールに行くと、ジーラと子分がいたな? 泳いでないぞ。酔っていたから。減刑を条件に極秘であんたと取引したいと」「本当か?」。
 ジーラ帰宅。ドリスコル現われ、「子分をよそへ。暴力は振るわない」「何しに来た?」「君の気持ちは分かってるつもりだ」「じゃあ失せろ」。考え込むドリスコル。
 尾行の男、ジーラがドリスコルと接触したことを報告。「確かだな?」「間違いなく相手はドリスコルでした」「ガスを呼べ。尾行はもういい」。
 トリー宅にメモ。トリー、すぐに電話。
 ガス「新たな書類があるとジーラに連絡を。書類はお前が取りに行くと言え。実際には俺が行く」。
 トリー、ジーラに電話。ジーラ「分かった。30分後に書類を届けてくれるんだな? 扉の鍵を開けておく」。
 ジーラ宅。「トリー、書類は?」「ガキの頃、忌まわしい物を見た。4人が男を殺す場面だ。生涯忘れない。殺されたのは親父。20年かけてようやく分かった。その4人の正体が。(だんだんジーラの表情が曇っていく。)1人目は許しを請いながら病院で死んだ。ヴィク・ファラーだ」。トリー、ジーラの腹を殴る。思わず倒れ込み、這いつくばるジーラ。その襟首をつかみ、「2人目は電気椅子に送られるスミスだ」。また腹を殴る。這いつくばるジーラ。「3人目は丸焦げ、ガンサーだ」。また腹を殴る。うめくジーラ。4人目はジーラさん、あんたさ。しめくくりだよ」。
 サングラス姿のガス、ブザーを鳴らす。トリー「ガスだ。俺が仕組んだ。これでチャラだな」。ドアを開け、そこにジーラを立たせる。ジーラはガスの放った銃弾を2発受け、倒れる。
 ブザー。サンディー、戸を開ける。トリー、真暗な室内を見て「電気代を滞納した? 元気かい? 俺にだって考えがあるんだ」カドルス「もう聞いたわ」「足を洗ってやり直すが、相棒が要る。サンディーの話だと最良は結婚相手だと」「何が言いたいの、トリー?」「俺と結婚してくれ。2人でやり直そう」。
 ドリスコルの事務所。「デブリンという男が会いに来てる」「ここにか?」「二人きりで会いたいと」「呼んでくれ。皆10分休憩だ」。トリー、現れ、「家の人がまだ仕事だと」「一体どういうつもりだ?」「ジーラが死んだ」「殺したか?」「いや」「誰がやった? 何で知ってる?」「死んだんだ」「ハメたのか?」「どうでもいいだろ。あんたとはいいコンビだった。後は一人でやれ」「まだ道半ばだ」「終わりさ」「コナーズの逮捕までには君が必要だ」「俺には関係ない」「どうする?」「結婚する。足を洗う」「コナーズは?」「奴とも縁を切る。結婚して人生をやり直すのさ。何だよ? 堅気なんて無理だと?」「そうじゃない。協力はするからコナーズ逮捕まで手伝ってくれ。部下がいるだろ?」「組織から抜けるなんて不可能だ」「俺はできる」「命を狙われる。コナーズを逮捕しない限り無理だ」「奴は諦める。必ず。俺がヤバいとなったら諦める」「花嫁に喪服を買えと言え」。
 電話。カドルス「こっちに来て。なるべく早く」「まずコナーズに会う」「やめて」「奴と話すなら今だ。プールにいる」「言う通りにして」「愛してるよ」。電話を切るトリー。(また明日へ続きます……)

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サミュエル・フラー監督『殺人地帯USA』その5

2018-05-17 06:00:00 | ノンジャンル
 今日は私の母方の祖父の命日です。浄土真宗では魂はお墓ではなく仏壇にいるというので、祖父の写真の前に、生涯好きだったお酒を置いてお参りしようと思っています。

 さて、また昨日の続きです。
 “9歳になる証人の娘が犠牲に”の記事。ドリスコル「コナーズに見つかれば残った家族の命もない。警察も総動員して行方を捜してる。連絡さえくれれば、隠れているよりもずっと安全なのに」「娘の殺害に関しては何の手がかりもありません」電話。「ドリスコル? トリー・デブリンだ。覚えているか?」「いや」「20年前、路地裏で、親父が殴り殺された。あんたは捜査官だった。自分がやると言った小僧がいたろ?」「思い出した。(中略)あ犯人を見つけると言ってたな?」「売春のボスのスミスは犯人の一人だ。スミスが女を殺してるのを目撃した女がいる」「証言するのか?」「だから電話した」「連れて来てくれ」「そっちが来い」「場所は……」」。
 捜査室。カドルス「フラッシーに彼は2発撃った」ドリスコル「なぜ証言する気に?」「(中略)トリーが喜ぶからだよ」「署名を」。サインするカドルス。「よし、スミスの逮捕状を取れ。君の勇気に感謝する。(中略)」。(中略)
 コナーズの館へボスたちが集結。“殺人罪でスミスを拘置”、“幹部逮捕で組織に亀裂”の記事。全国各紙が記事載せる。コナーズ「全国に網を張り、女を探し出せ。徹底的にだ」「ドリスコルの部下は? 一人ぐらい信用できるのでは?」「誰も信用できん。他にも証拠を掴んでないか探る必要がある」「ジーラがもう対策を」。電話が鳴る。コナーズ出る。「ジーラだ。金庫破りに書類を盗ませる」「このことは当面我々だけの秘密に」。
 ジーラ「トリー、役立つ情報で千ドルやる」「俺を組織に認めてもらうチャンスだ」。ジーラ、ガスに「お前見張りをしろ」トリー「他人がいると金庫開けに集中できない」ジーラ「分かった。だが目を離すな」。
 “連邦犯罪対策委員会”。ドリスコル「今夜は守衛を一人だけにしたが、ガスは疑ってないか?」トリー「大丈夫だ」「もう一度聞くが、私の金庫を破るため、ジーラは君を雇ったのか?」「その通り。いい考えがある。カドルスに言ったろ? スミスの殺人の目撃者が出たことにより、ボス同士で争わせないと、その為に撒けば?」「嘘の報告書を?」「そうさ」。
 タイプライターを打つドリスコル。「ガンザー、委員会への情報。引き渡しは月曜」。「これをジーラに渡せば幹部の結束は崩れるはずだ」。
 “地方検事局報告書 5866号 極秘 免責と引換に麻薬の情報提供をガンサーが承諾。引き渡しは月曜”。ジーラ「あさってだ。信じられん」コナーズ「監視はどうした?」「尾行につけてました」「ガンザーに電話しろ。金庫破りの男の名は?」「トリー・デブリンです」「褒めてやれ」「トリー、これを戻しに行け。30年来の相棒で友人だったが無意味だった。俺を裏切るとは」。
 ガンサー、現れる。「一体どうした?」コナーズ「お前が保身のために仲間を裏切った証拠を見たんだよ」「何を言う?」。背後からガスがガンサーを拳銃で殴り倒す。
 マッチをするガス。恐怖のガンサー。車が燃え上がる。コナーズとジーラ、車中から様子を見ている。
 トリー、カドルスに「回って見せろ。部屋を借りてやる」「なぜ?」「証言の礼だよ」「あなたに囲われた訳じゃない」「売春をやらせるためなんかじゃない。新しい生活を始める」「どんな生活よ!」「君って女は混乱してる」「私は混乱した女よ、だから?」「君のために提案している」「私のため?」「無理することない」「なぜ無理してると?」「俺には分かる。俺は構わん。いいか? 本当だ。分かってる。俺に物足りなくて出て行きたいなら、また別の男を探せ」。カドルス、トリーに平手打ちし、去る。トリー、物思い。
 ノック。トリー「俺が悪かった。嫌味を言ったりして」「いいえ、あなたは悪くない。今までうまくいった男はいなかった。あなたに会うまでは。あなたは誰よりも大事な人。こんな気持ち初めて。私たち普通に暮らしていいはず。人生をやり直して、失った分を取り戻す。あなたの子供がほしい」「何だって?」「二人で過去を捨てる。あなたの子供がほしい。あなたと……結婚したい」「どうかしてる。君と結婚?」。笑って去るトリー。悲しみに沈むカドルス。
 サンディー「彼女は正直な気持ちを言ったのよ」「結婚やら子供? 二人してからかう気か?」「自分を見なさい」「やめてくれ」「あんたは医者でも勤め人でもない。顔に傷ある元金庫破り。ケチなコソ泥じゃないか。彼女を傷つけるなんて! 過去がどうあれ彼女は立派よ。その理由を知りたい? こんなあんたを想ってるから。彼女の0.1%でも良心があればいいのに。あんたは何もかも貧しい人間よ」。やれやれと言った表情のトリー。(また明日へ続きます……)

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