朝米、板門店・シンガポールのツートラックで交渉を加速化…
「ビッグディール」に集中
統一閣でソン元大使とキム副相が二日目の交渉
シンガポールにキム・チャンソン部長、ハーギン副室長などが到着
トランプ大統領「北朝鮮、偉大な国になるだろう」と称賛
朝米、核心争点めぐる隔たり埋められるか
ポンペオ長官「体制保証もCVID方式」
「迅速な非核化-過渡期の体制保証」
取り引き通じて接点を見出せるかに関心集まる
意見が接近した場合、金英哲副委員長が訪米する可能性も
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北朝鮮と米国が6月12日にシンガポールで開く予定だった朝米首脳会談を再推進するため、板門店(パンムンジョム)とシンガポールに交渉チームを派遣し、「ツートラック実務会談」を加速化している。日程が迫っていることを考慮し、「議題チーム」と輸送や警護、儀典を議論する「実務準備チーム」に分けて集中交渉に乗り出した。
板門店の北側地域にある統一閣では27日から29日まで、駐韓米国大使を歴任したソン・キム駐フィリピン大使と北朝鮮のチェ・ソ二外務副相を筆頭にした両国の交渉チームが議題に関する会談を続ける。この会談にはアリソン・フッカー米国家安保会議(NSC)朝鮮部長やランドール・シュライバー国防総省アジア太平洋次官補なども出席している。
「実務準備チーム」も交渉に拍車をかけている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の秘書室長に当たるキム・チャンソン国務委員会部長など8人の北朝鮮代表団は、中国北京を経由して28日夜遅く、シンガポールに到着した。同時刻にジョセフ・ハーギン・ホワイトハウス副秘書室長など30人を乗せた米政府専用機も、シンガポール空港に着陸した。彼らは29日に会合を開き、輸送や警護、儀典など会談実務を調整するものと見られる。二つの交渉で進展が見られた場合、早ければ週末頃、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長が米国を訪問し、マイク・ポンペオ国務長官と閣僚級会談を行う可能性もある。
二つの会談のうち、議題をめぐる板門店での交渉が、首脳会談の成功に導く決定的な橋渡しになる。北朝鮮の核廃棄と体制保証について接点を見出せるかがカギになるものと見られる。
北朝鮮の金正恩国務委員長は「完全な非核化」に向けた意志を示しており、ドナルド・トランプ米大統領も、(北朝鮮が)非核化した場合、体制保証と経済的支援を行うと約束した。トランプ大統領は27日(現地時間)にも「私は、北朝鮮が素晴らしい潜在能力を秘めており、いつか偉大な経済・金融国家になることを確信している」と述べた。ポンペオ長官は、前回の24日、上院外交委員会に出席し、エド・マキ民主党議員の質問に「金正恩委員長と会った時、北朝鮮に永久的で不可逆的であり、検証可能な非核化を要求するのと同じ方式で、安全保証を提供する案を協議した」と答えた。また、ポンペオ長官は、ベン・カーティン民主党議員が「(朝米合意を)上院に条約として提出するか」と聞かれ、「そうだ」としたうえで、「上院に提出する合意を達成するというのが我々の目標」だと答弁した。
問題は具体的方法論だ。 米国は11月の中間選挙前に「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)の可視的な処置が行われ、2020年11月の大統領選前までの非核化を完了することを求めているという。一方、北朝鮮は「一方的な核放棄はない」として、段階的・同時的な見返りに重点を置いている。
折衷の余地はある。 トランプ大統領は24日に放送された「フォックスニュース」の番組で、明示的に「段階的」という表現を使った。高度化された北朝鮮の核能力を一瞬で完全に廃棄することはできないという点を認め、申告→査察→廃棄→検証につながるの過程で、一定の相応措置を取る可能性を残したものと言える。「迅速かつ段階的な非核化」と「非核化の完了前まで過渡期的な体制保証」を交換する方式だ。
米国は北朝鮮がまず取るべき行動として、核兵器の搬出と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の解体を要求するものとみられる。チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員は「非核化の履行の始まりは“過去の核”(完成された核兵器)の一部を海外に搬出し、大陸間弾道ミサイル解体作業を2~3カ月以内に実施することかもしれない」とし、「この最初のパッケージに対し、米国は平壌(ピョンヤン)とワシントンにおける連絡事務所の開設や金融制裁の解除を行うこともあり得る」と話した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が推進する南北米による終戦宣言も、主要な安全保証案だ。大統領府関係者は27日、記者団に北朝鮮に対する体制保証案として、敵対行為の禁止▽不可侵の約束の再確認▽平和協定に向けた交渉の開始△南北米の終戦宣言を挙げた。