みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

コロナと選挙 有権者との関係大切に/波は一度でないのかも コロナ禍に考える/

2020-04-28 22:51:06 | ほん/新聞/ニュース
パートナーのマイクロ波治療で、また東京に行ってきました。
「ステイホーム」と外出自粛を呼びかけられている東京に行くのは心配ですが、
マイクロ波は、定期的に施術すると効果がでるといわれているし、
じっさいに治療を受けるたびに体調がよくなっています。

何度か東京に行って思うのは、東に行くほどまちを歩く人が少ない、
みんなひととの間隔をきちんととっている、ということ。

「銀座」といえば人が多いと思いがちですが、
いまは空いてるお店も少なくて、閑散としています。
逆に言えば、岐阜に近づくほどに緊迫感がなくて、
東京での緊張感になれている身には
電車の席も人が多くて、戻りながらはらはらします。

新幹線は、行くたびに乗る人が少なくなっていて、
指定席でも一両に数人くらい。
名古屋も東京もホームに人はいません。
なので、今回から高いグリーン車はやめて、
指定席の特急券を買う時に「まわりに人がいない席を」と頼んで、
行きも帰りもゆったり。

東京駅からは、八重洲中央南口から徒歩でホテルにチェックイン、
治療に行く以外はホテルの部屋から出ないので、
岐阜にいるよりも人に合わないかも。
と、ひんぱんに東京に行くことを心配している方たちに報告です(笑)。

帰ってから留守中の新聞を読んで、
朝日新聞と中日新聞の社説を紹介します。

社説:コロナと選挙 有権者との関係大切に
2020年4月28日 朝日新聞

 新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、人と人との接触を抑える前例のない選挙戦が各地で繰り広げられている。
 与党候補が野党統一候補らを破ったおとといの衆院静岡4区の補欠選挙では、各党幹部が現地入りをやめ、候補者は集会や人の集まる場所での演説を自粛した。投票率34・10%は、3年前の前回衆院選を20ポイント近く下回り、現在の区割りになってから過去最低となった。
 投票率の低下傾向は地方選挙でも顕著である。すべてがコロナの影響とは限らないが、選挙運動が制約され盛り上がらない、感染を警戒した有権者の足が投票所から遠のくといったことがあるのだろう。選挙戦や投開票作業が感染拡大を招いてはいけないが、低投票率は代議制民主主義の基盤にかかわる。重く受け止めねばならない。
 選挙は自粛を求める「不要不急の外出」にはあたらないとして、総務省は都道府県選挙管理委員会に対し、投票日当日の集中を避けるための期日前投票の積極的な活用や、投票所での感染防止策の徹底などを通知している。現場では、筆記具や記載台をこまめに消毒するなどの工夫がこらされている。各選管は、安心して投票できる環境整備に力を尽くしてほしい。
 候補者にとっては、有権者とのふれあいが減ることは、自らの政策や人柄を直接訴える機会を狭めることになる。特に新人候補にとっては不利益になりかねない。
 今回、コロナ禍のハンディキャップを乗り越えるため、候補者や陣営がSNSを積極的に活用する動きが広がっている。日本では2013年にネット選挙が解禁されたが、候補者側の一方的な発信や日程の告知にとどまるケースも少なくない。双方向性を生かし、有権者個々人とつながる回路として定着する機会になればよい。
 阪神大震災と東日本大震災の際は、特例法をつくって被災自治体の選挙を延期した。今回も公明党が特例法の制定を呼びかけている。しかし、多くの投票所が物理的に使えなくなった震災時とは状況が異なるうえ、収束時期の見通しがたたないコロナの場合、いつまで延期すればいいのかもわからない。現状では、細心の注意を払いつつも、予定通り選挙を実施するのが現実的ではないか。
 緊急事態宣言により、国民の自由や私権が制限されている今だからこそ、民主主義の土台をなす選挙の意義、危機対応を担う政治指導者の資質を見抜く重要性に思いをはせたい。選ばれた政治家の側も、国民から負託された責任の重みを改めてかみしめてほしい。


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 社説:波は一度でないのかも コロナ禍に考える
2020年4月27日 朝日新聞

 「世界的流行の原因については全然無知なり。病原体が毒力を増大する理由も全く不明なり。感染の予防は目下の医学的知識にては密居を避くること、マスクの使用等を可とし、ワクチンは将来の研究を要す。口腔(こうくう)鼻咽腔の洗浄は有効なるべし」(東洋文庫「流行性感冒」より)
 これは大正時代のスペイン風邪について、厚生労働省の前身である内務省衛生局が刊行した本の記述です。流行性感冒(インフルエンザ)をコロナに変えれば、今とさほど変わりません。

荒れ狂う新型ウイルス
 細菌を原因とする感染症は、多くを克服できるようになりましたが、新型ウイルスへの対抗手段は限られ、百年前の本から数々の示唆が得られます。このころウイルスを見ることのできる電子顕微鏡はなくラジオ放送もまだ。電話も普及していませんでした。国産の大型蒸気機関車がようやくでき、道路には路面電車とわずかなクラシックカーが走っていました。
 一九一八(大正七)年八月下旬に日本に上陸したスペイン風邪は十一月に一気に大流行し、いったん収まった後、翌一九年も半月の患者数が五十万人に達するほど荒れ狂いました。ようやく三月に感染者が減り始め、六月には月間八千人程度に。このシーズンの患者は二千百十七万人、死者は二十六万人となりました。
 これで終わったかと思ったら、同年の十月末から流行が再燃しました。二〇年二月まで猛威を振るい、患者は二百四十一万人、死者は十三万人でした。衛生局は「本回における患者数は前流行に比し十分の一に過ぎざるも、病性ははるかに猛烈にして、死亡率非常に高く、前回の四倍半にあたれり」と記しています。
 大流行といえる期間は、それぞれ三~四カ月も続きました。

寒いと爆発的に大流行
 スペイン風邪により海外では社会学者のマックス・ウェーバー、画家のグスタフ・クリムトら、日本では、東京駅を設計した辰野金吾、陸軍元帥大山巌の妻・捨松、劇作家の島村抱月、野口英世の母シカらが命を落としました。当時の日本の人口は五千六百万人くらいですから、計二千四百万人の感染者は43%に当たります。世界では数億人が感染し、四千万人が死亡したと考えられています。
 スペイン風邪からは、数々の教訓が読み取れますが、最大の教えは「波は一度ではない」ということでしょう。
 ウイルスの種類は違っても、飛沫(ひまつ)により呼吸器に感染するウイルスということで、似ている点も多いのです。インフルエンザには季節性があり、冬から春にかけて流行します。従来のコロナウイルスにも季節性はみられ、やはり冬に風邪をはやらせます。

 新型コロナウイルスも、中国の冬に爆発的な流行を起こし、寒い欧州や米国東海岸で大流行しました。一方、暖かい地域での流行は比較的小規模です。
 スペイン風邪は、二冬目の方がパワーアップしました。毒性が強くなったのは、ウイルスの遺伝子がわずかに変異したのが原因とみられています。必ずしも強毒だから恐ろしく、弱毒だからくみしやすいとはいえません。弱毒のウイルスは宿主を死なせないので、拡散が大規模になりがちです。
 相違点は、スペイン風邪は二十代、三十代の人々が高齢者よりもずっと多く死亡したことです。高齢者が持っていた免疫が影響した可能性があります。
 欧米の感染拡大は、すでにペースを落としており、夏に一服するという見方も出ています。しかし南半球は、今後寒い季節に入り、北半球にもいずれ冬がやってきます。次の感染拡大までの準備期間ととらえるべきかもしれません。衛生局は二度目の傾向として「前回の流行時にかからなかった人が重症となる」「前回激しく流行しなかった地方で、本回は激しく流行した」と記述しています。
 新型コロナの流行には油断がありました。世界保健機関は今年初め「人から人へと感染する証拠はない。中国からの渡航制限はしないように」と言っていました。

異なる道を進むために
 欧州諸国もひとごとととらえ、ロンドン市長候補が日本に代わってオリンピック開催の用意があると豪語しました。いざ流行が始まると、中世さながらの方法、つまり隔離によって感染拡大を防ぐということしかできませんでした。
 二回目はそれではいけません。救命の技術は百年前とは段違いであり、これから治療薬とワクチン開発に注力することで、スペイン風邪の第二波とは異なる道を進むことができるでしょう。
 スペイン風邪が終息した百年前は、黄金の二〇年代ともいわれるほど世界的に繁栄した時代になりました。今の辛抱を、近い将来の楽しみにつなげたいものです。  




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