みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

2月11日(金)のつぶやき

2011-02-12 01:23:46 | 花/美しいもの
16:40 from Tweet Button
「当選率8割」選挙の勝ち方 教えます/2.12「市民派議員になるための選挙直前講座」 #goo_midorinet002 http://t.co/D7E1drn
by midorinet002 on Twitter
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「当選率8割」選挙の勝ち方 教えます/2.12「市民派議員になるための選挙直前講座」

2011-02-11 00:06:56 | 「市民派議員塾」「M&T企画 選挙講座」
中日新聞夕刊に、市民派議員になるための選挙講座の記事が載りました。
カラー写真入りの大きな記事です。

新聞を見て、次々に選挙講座の問合せの電話がかかっていますが、
この選挙講座に出さえすれば、当選させてもらえる(マサカ)、と思っている受身の方も・・・。
6時間×2回の講座をタダだと思っている人もいたりして・・・。

記事には参加条件、誓約書のことなどは詳しく書いてないので、
なかなか条件をクリアできるかたがみえなくて、ザンネンです。

夜の電話はなぜか全員、男性なのは、女性は夕刊を見てるヒマがないから??
そもそも若い人は、夕刊を取ってみえないのかもしれませんね。

   

応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

選挙の勝ち方教えます 名前の連呼はもう古い? 
2011年2月10日 中日新聞夕刊

 選挙戦の三種の神器といわれる「地盤」「看板」「かばん」。それらを持たない普通の市民が地方議員に当選するノウハウを伝授する選挙講座がある。主催するのは、岐阜県山県市に事務局を置く「女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク」。2003年と07年の2回の統一地方選では、男女の受講生28人中22人が愛知や三重県などで当選した。同ネットは、統一選直前になって出馬を決意した人に向け、「駆け込み講座」を12日に名古屋市内で開催する。

「当選率8割」講座 岐阜の市民団体
 6日にあった静岡県焼津市議選では、講座修了生の自営業秋山博子さん(54)が3000票余りを獲得し、6位で当選した。
 「お金も地盤も何もない、ただの素人」という秋山さんは、昨年7月から月1回岐阜に通い、「市民派議員になるための本」の著者、寺町みどりさん(59)=岐阜県山県市=と夫で同市議の知正さん(57)に師事した。
 講座は議会の役割や公職選挙法などの基礎知識から始まるが、選挙戦術はいたってシンプル。組織や地盤に頼らずに勝つため「いかに多くの有権者に政策とメッセージを届けるか」を追求する。
 印刷物は少しでも有権者の目に留まるよう、色や文字の書体、大きさまで細かく気遣う。演説は実地練習も。スピーカーの音量を切った仮の選挙カーに乗って岐阜市内を走り、マイクを握って模擬演説。傍らで「語尾をもう少しはっきりと」「伝えたい事柄は演説の初めに」とみどりさんの注意が飛ぶ。
 秋山さんは選挙中、名前を絶叫するだけの候補者を横目に、細かく選挙区を回ってまちづくりなどの政策を訴えた。演説は1週間で300回以上。事務所は自宅に置き、スタッフは市民活動などの仲間や家族の手弁当で、費用もかからなかった。
 講座は、政党や組織に縛られず市民目線を持った議員を増やそうと、02年に始めた。地縁、血縁が強固な地域でも通用するのは「名前の連呼と頭を下げるだけの旧来型選挙に市民が飽き飽きしているから。自分の一票を大切にしたいと考えている人たちに、中身のある政策とメッセージを出せば応えてくれる」と、みどりさんは指摘している。
 駆け込み講座は、12日と3月5日の連続2回で有料。性別は問わない。問い合わせは、同ネット=電0581(22)4989=へ。


友人から静岡県の記事も届きました。
見出しが刺激的です。

当選率8割の選挙講座
「三種の神器」ない市民を地方議会へ
   
演説や印刷物ノウハウ
焼津市議会議員 秋山さんも学ぶ


12日の選挙講座の内容詳細とタイムテーブルを決めましたので、
以下にアップしておきます。

まずこちらを全部読んで、講座の内容を理解して、
お問合せいただけると話がはやいです。

とはいえ、記事にもあるように、市民型選挙は「メッセージ型選挙」なので、
政策やスタンス、市民に届けるメッセージがない立候補予定者は、
かなりハードな講座のメニューをクリアすること自体がまず無理、ではないかと思います。

★「勝てる選挙~市民派議員になるための選挙直前講座」
《第1回》 市民型選挙の手法~選挙で伝える政策、スタンス、ハート
《第2回》 選挙の流れを理解し、勝つ選挙をイメージする~準備から選挙本番~当
選まで

日時:2011年 2月12日(土),3月5日(土)の2回連続講座
会場:名古屋市・ウイルあいち/会議室7
◇ 開 催:13時30分から19時30分
◇ 講 師:寺町みどり『市民派議員になるための本』著者。「む・しネット」事務局
寺町ともまさ 岐阜県山県市議会議員、市民活動家
◇ 対 象:無党派・市民派の立候補予定者=参加者は所定の誓約書を提出
       保守系および政党・組織関係者、政党系会派所属議員は除く
◇ 主 催:女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク(む・しネット)
◎ 問合せ:寺町みどり(TEL 0581-22-4989)
※参加を希望される方は、まず電話で問い合わせてください。
◆ 有料。全日程通しでの参加が基本。
◆ 参加を希望する方は、寺町みどり(tel0581-22-4989) までお問合
せを。

《第1回》  2月12日(土)13時30分~19時30分
市民型選挙の手法~選挙で伝える政策、スタンス、ハート


【内容の詳細・タイムテーブル】
◆セッションA. 市民型選挙:基本編
テーマ:「市民派議員とはなにか、市民型選挙とはなにか/今までの議員、従来型選挙との違い」

1)「議会」と「議員」を理解する
2)市民派議員の仕事~基本は「発言」
3)市民型選挙で当選する~当選する人、しない人
4)市民型選挙とは何か=当選するために必要な要素
●「わたしの市民型選挙・市民派議員としての仕事」

◆ セッションB. 市民型選挙:実践編
テーマ:政策・メッセージをつくり、とどける

1)「市民型選挙には政策が必要」
2)書き言葉でのメッセージ/選挙における「メッセージ」とは~政策・スタンス・思い・・・
3)政策のつくり方のじっさい/リーフ・ニュース・選挙はがき・ポスター」をつくる
4)話し言葉でメッセージを届ける/街頭演説の必要性と手法・スキル

◆ セッションC 法律・ルール編
テーマ:公選法を熟知して、選挙違反をしないきれいな選挙を

1)政治活動をすすめるにあたって/政治活動と選挙運動の違い~政治活動をすすめるときの留意点
2)公職選挙法の基本と概念/ルールを知ってきれいな選挙/「公選法」を使いたおす
3)選挙の流れを理解する~スケジュール表に沿って
4)リーフ,ニュースを配る手法~市民にメッセージを届け支持を広げる
5)思いの強さがひとを動かす/ネットワークを広げる
●「わたしのやりたい市民型選挙~理解したこと、選挙のすすめ方の点検」
●まとめ  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前回4年前の2007年1月の選挙直前講座の様子、
講座参加者の市民型選挙の実践報告は、以下を参考にしてください。

☆市民型選挙集中セミナーPart1「勝てる選挙~市民型選挙の手法」

☆07統一自治体選挙特集《わたしの市民型選挙》

★寺町みどりのwebページ(『む・しの音通信』)
⇔メールアドレスはこちら

以下のブログには、『市民派議員になるための本』の
第一部「市民と自治」から第二部「勝てる選挙」9章までがアップしてあります。
寺町みどりのブログ 


オマケ
前に中日新聞の白井さんの<うぇるかむシニア>の記事で紹介された、
岐阜の垣見ゆき子さんが、明日のTBS朝8時30分からの
「はなまるマーケット」に出られるそうです。

自治体の灰溶融炉 相次ぐ休止・廃止
/社交ダンスのプロテストに合格した 垣見ゆき子さん(2011-01-20)


華麗なステップのダンスが披露されるということなので、
ぜひご覧ください。全国放送だそうです。

最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

河村・大村流の行方/蜜月「いつまで」(上)(中)(下)/名古屋トリプル投票

2011-02-10 09:16:41 | 選挙関連
ブログをはじめて、この1月で丸6年、
毎日アップし続けて、2月に7年目になります。。
昨日は「アクセスランキング」が、つれあいと並んだ記念すべき日!?

つれあいのブログは名古屋のトリプル投票関連のアクセスが増えていて、
アクセスが急上昇しては高止まりの日が続いていました。
ここ数日ちょっと下がってきて、わたしと並びました。

     
昨日のアクセスは、わたしがひとつ上だけどね(笑)。

昨日は、1月から取材を受けていた「市民派議員になるための選挙講座」の記事が
中日新聞夕刊にかなり大きく出ると聞いていたので、
外出中のコンビニで3部買い占めたのですがなぜか見当たりません。

今日の中日夕刊にはかくじつに載ると聞いているので、
中部地方の方は(東京新聞だといいな?)ぜひご覧ください。

「市民派議員」選挙戦を指南 名古屋で受講募集
/30日告示・2月6日投票焼津市議選/秋山ひろこさんの挑戦(2011-01-30)



応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

ということで、
選挙講座の記事が出たら、今日のブログにアップしようと思っていたのですが延期して、
同じ選挙がらみで、中日新聞社説と「河村・大村流の行方」という連載記事を紹介します。

【社説】河村旋風 納税者の反旗と恐れよ 
2011年2月8日 中日新聞

 河村たかし名古屋市長の望んだ通りの結果となった名古屋でのトリプル投票。候補者を擁立して河村氏の陣営に挑み、惨敗した民主、自民両党などの既成政党は、有権者の批判にどう応えるのか。
 愛知県知事選、名古屋市長選、市議会解散の是非を問う住民投票のトリプル投票を吹き抜けた「河村旋風」は、投開票から一夜明けて中央政界をも揺さぶった。
 最も大きな打撃を受けるのが与党民主党だろう。愛知県は二〇〇九年衆院選で全十五小選挙区を制した「民主王国」。
 その牙城で、民主党推薦の県知事選候補は当選した大村秀章氏のみならず、自民党の県連推薦候補の後塵(こうじん)をも拝する惨敗を喫した。元衆院議員を擁立した市長選でも河村氏に最多得票を許した。
 もちろん地域独自の選挙事情はあろう。しかし、本紙出口調査によると市長選で民主党支持層の77%が河村氏に、県知事選では57%が大村氏に投票したという。民主党離れが明確に読み取れる。
 歴史的な政権交代から一年半。政治主導や無駄な事業見直しによる財源捻出、緊密で対等な日米関係などマニフェストの約束は、ことごとく反故(ほご)にされてきた。
 無駄の削減を早々に諦め、消費税率引き上げ論議にシフトするありさまだ。にもかかわらず、菅直人首相ら政権中枢から真摯(しんし)な反省を聞くことはない。
 枝野幸男官房長官は「政権の行っていることが国民に十分伝わっていない」と敗因を口にしたが、伝わらないことではなく、行っていること自体が問題なのだ。
 自民党も安閑としてはいられない。知事選は事実上の分裂選挙となり、市長選は候補を擁立できなかった。県知事選の候補が民主党候補を上回ったことは朗報だろうが、敗因に「私どもに対する閉塞(へいそく)感があった」(大島理森副総裁)ことは否定のしようがない。
 減税と議員報酬引き下げというトリプル投票の争点は、そのまま国政の課題とも重なり合う。
 民主、自民という二大政党がそろって増税路線をひた走り、昨年の参院選で各党が声をからして訴えた国会議員自らが身を削る話も雲散霧消している。
 国、地方を問わず、税金の集め方や使い道に対する目はより厳しくなった。
 既成政党は、トリプル投票の結果を納税者の反旗と恐れ、身を正さねばならない。さもなければ国民の政党離れが加速し、いずれ見放されることになる。
 


蜜月「いつまで」 河村・大村流の行方(上) 

◆議会・中京都構想にズレ
 6日の「トリプル投票」で、愛知県知事選は大村秀章氏(50)が初当選、名古屋市長選は河村たかし氏(62)が再選された。圧勝した「河村・大村流」は今後どのような影響をもたらすのか展望する。
 「トリプル投票」の投開票から一夜明けた7日朝。河村は名古屋市名東区の地下鉄一社駅前で叫んだ。
 「次の市議選は絶対に現職に入れたらいかんよ」。傍らで、河村が率いる地域政党「減税日本」の市議選候補予定者3人が通勤客にあいさつを続ける。
 河村は、看板政策の恒久減税を認めない市議会の総入れ替えを狙い、解散請求(リコール)を主導した。トリプル勝利の余勢で、3月13日の出直し市議選で減税と報酬800万円を公約する減税日本の新人を大量に擁立。民主、自民など既成政党の「現職」の駆逐をもくろむ。
 「日本を変えるには議員の性格を変えないかん」。一切の妥協を許さない。
 盟友の大村も4月の県議選に自ら発足させた地域政党「日本一愛知の会」の候補を擁立するが「現職でも一緒にやってくれるなら民主、自民など党籍は問わない」。念頭にあるのは古巣・自民党の県議団からの引っこ抜き。親しい県議に「自民の仲間を助けるノアの箱舟になってもいい」と漏らし、既成政党を打破する河村との違いを口にする。
 2人はいずれも元衆院議員。議員特権の廃止にこだわってきた河村は身内の民主党からも「変人」扱いされ、幾度となく挑んだ党代表選では20人の推薦者を一度も集めることはなかった。
 一方、エリート官僚だった大村は実務能力を生かし、自民党内の派閥競争をくぐりぬけて厚生労働副大臣などのポストを射止めてきた。
 大村をよく知る県議は「議会と対決した河村氏の轍(てつ)は踏まないはず」と期待を込めて話す。
 看板政策に掲げる「中京都構想」でも2人には温度差がある。
 選挙戦に向け、2人は名古屋市の繁華街で手羽先をさかなに焼酎をあおりながら、戦略を練った。河村が「形はどうでもいいがや」と話すと、連携のシンボルにしたい大村は「そんなんじゃだめだ」と声を荒らげたという。
 大村は県と市が合体し「唯一の司令塔をつくる」と、将来的には都で一人の首長を想定する。しかし、市の解体を懸念する河村は「愛知が名古屋になることだってある」とけむに巻く。
 トリプル投票は河村・大村連合の完勝に終わった。それは2人を結び付けた動機の一つが消えることも意味する。蜜月ぶりをアピールする姿をながめ、自民県議は「2人の良好な関係がいつまで続くのか」と話す。
 これまでも多くの人間が河村に近づき、去っていた。ブレーンの一人だった名古屋大大学院教授の後房雄は政治手法をめぐる違いでたもとを分かち、民間出身から鳴り物入りで副市長に迎え入れた大西聰(さとし)も7日、職を去った。
 河村は最近、周囲にこう漏らした。「大村も知事になったら離れていくのかなあ」 


減税攻勢が政権に一石 河村・大村流の行方(中)  
2011年2月9日 中日新聞

 8日午後、東京・永田町の衆院第1議員会館6階。名古屋市長に再選された河村たかし(62)と、愛知県知事に初当選した大村秀章(50)は民主党元代表の小沢一郎(68)を訪ねた。
 河村が「わしは昔から皆に嫌われとりました」と水を向けると、小沢も「私も嫌われ者だ」と笑いを誘う。
 「小沢さんも減税をやると言ってくださいよ」。河村が本題に切り込むと、小沢も「最初に減税と言ったのは私だよなあ」と含みを持たす。取り囲んだ報道陣がフラッシュを一斉に浴びせた。
 民主出身の河村は衆院議員時代から小沢を師と仰ぐ。2年前、党内の猛反発を押し切って市長選に名乗りを上げた河村を後押ししたのも小沢。この日は異例の1時間に及ぶ会談で2人を歓待し、蜜月ぶりを見せつけた。
 政治資金規正法違反(虚偽記入など)の罪で強制起訴され、離党もささやかれる小沢。永田町では河村の地域政党「減税日本」を受け皿に小沢が民主から20~30人を引き連れ、新党を立ち上げるとの観測も。河村は「ちっぽけな地域政党では小沢さんに失礼」と否定するが、小沢側近の農林水産政務官松木謙公(51)とは今も密に連絡を取り合う。
 トリプル投票の前日、民主関係者はJR名古屋駅前で、河村の演説を見守る聴衆の中に、小沢と親しい前総務相原口一博(51)の姿を確認した。松木の秘書も河村の選挙運動を手伝った。河村をよく知る一人は「民主内の動きを見ながら次の一手へのタイミングを計っているはず」とみる。
 「愛知、名古屋から日本を動かす」とぶち上げる「河村・大村連合」。目玉公約である「中京都構想」一つとっても地方自治法の改正が必要で、国政とのパイプは欠かせない。大村は「自分のマニフェストを実現するためには国政に影響力を持ちたい」と話す。
 2人が当面、目標とするのは4月に行われる衆院愛知6区の補欠選挙での候補擁立。議席のあった民主議員が今回の名古屋市長選に出馬したことで空席となっている。
 さらに地元政界では、市長選で過去最多の66万票を獲得した余勢を駆り、河村が次期衆院選で市内の全5選挙区に候補を立てるのではないか、との見方も出ている。
 河村は「減税勢力を日本中につくらないかんよ」。民主も自民も「消費税増税」で足並みをそろえる中、減税が新たな政治の対立軸になると読む。
 愛知県は一昨年の衆院選で民主が15選挙区すべてを制した「民主王国」。今回の知事選、市長選では党幹事長の岡田克也(57)が4回も県内入りしながら、惨敗。王国は移ろいやすい民意の上に立つ砂上の楼閣だった。
 その岡田の地元、三重県で4月に知事選が行われる。
 関係者によると、河村は水面下で、候補擁立も含め対応を検討している。民主や自民という既成政党の枠組みは、もはや視界にない。(文中敬称略)


多数派工作したたか 河村・大村流の行方(下)

 9日、愛知県知事選で当選した大村秀章(50)はあいさつのため都内を忙しく回った。訪問先は、衆院議員時代の自民党の同僚ら。その中に「兄貴」と慕う党幹事長石原伸晃(53)も含まれていた。
 党を飛び出し、名古屋市長河村たかし(62)とタッグを組んで知事選に出馬した大村。石原は告示前の1月10日、重徳和彦(40)を推す党県連のパーティーで「愛知、名古屋で独裁政治がまかり通ろうとしている」と批判したが、あいさつを終えて部屋を出た大村は「まあ、おれと石原さんの仲だから」。
 大村は河村と年齢でちょうど1回り若い。が、妥協を許さぬ「破壊者」のイメージがつきまとう河村に対し、与党経験の長い大村はメンツや利害を巧みに操り、実利を目指す調整型。演説でも「河村さんは織田信長、私は徳川家康。2人で天下を目指す」。同僚だった国会議員は「抜け目のない大村氏だから、石原氏と相談しながらことを運んだのでは」とみる。
 大村が自民とのパイプを温存するのは、公明を除き「オール野党」となる県議会対策のため。定数104のうち、自民県議団は過半数を占める。河村が古巣の民主を敵に回し、対立する市議会との間で行き詰まるのを見て「学習した」という。
 地域政党「日本一愛知の会」を旗揚げした大村がモデルとするのは、自民大阪府連推薦で当選した大阪府知事橋下徹(41)率いる「大阪維新の会」。自民府議を次々と取り込み、府議会最大会派に育てた。
 告示前日の1月19日。大村はひそかに、名古屋市中村区にある県議、寺西学(75)の事務所を訪ねた。寺西は10期目の重鎮。かつて自民県議36人を束ねる最大派閥「寺子屋」を率いたが、現県連執行部からは疎まれている。
 「ご迷惑をおかけします」とあいさつした大村に、寺西は「勇気ある決断。がんばれ」と激励したという。寺西は、大村県連会長時代の会長代理で、今は現執行部への不信感で一致する。
 出馬の際、大村は自民県議らに「重徳を応援するなら4月の県議選で刺客を立てる」と宣告している。大村・寺西の密会を知ったある県議は「誰を許し、誰を許さないか。大村は『えんま帳』を見せて寺西と相談したのでは」とおびえる。
 「敵か味方か」を迫り、逆らえば刺客を送る。小泉純一郎元首相の「郵政解散選挙」をダブらせつつ、着々と県議会の多数派工作に向け布石を打つ大村。そのしたたかさに、よく知る関係者は「河村というモンスターと付き合えるだけのことはある」と舌を巻く。
 その河村も3月の出直し市議選で、自身の地域政党「減税日本」の候補をぶつけ、多数派をもくろむ。トリプル投票で圧勝した「河村・大村流」は混乱を招くだけか、それとも地方政治の新たなうねりか。本質が問われるのはこれからだ。(文中敬称略)
     ◇
 この連載は寺本政司、大村歩、宮本隆彦、岩崎健太朗、北島忠輔が担当しました。



河村氏の手法は「邪道」 片山総務相が批判 
 2011年2月8日 朝日新聞

 片山善博総務相は8日午前の記者会見で、名古屋市の河村たかし市長が市長選など「トリプル投票」を制したことについて「市長を辞めて、また選挙に出て、いやが応でも関心をもり立てるというのは邪道だ」と述べ、河村氏の一連の手法を批判した。
 片山氏は河村氏が市民税減税を公約に掲げていることについても「私が首長なら、行政改革を一生懸命やり、自治体が抱える巨額債務を減らす方に振り向ける。巨額債務があるのに減税するのは、長期的な財政運営の観点からいかがなものか」と語った。
 そのうえで片山氏は「名古屋市民、愛知県民の信託を受けた皆さんは、自らの掲げたことを誠実に実行し、それをまた有権者が評価、判定すると思う」と語った。  


河村市長、市議選に「減税日本」公認候補38人 

 出直し名古屋市長選で再選を果たした河村たかし市長(62)は7日、読売新聞中部支社の天野誠一・編集担当の単独インタビューに応じ、市議会解散に伴って実施される来月の市議選について、自ら代表を務める地域政党「減税日本」の公認候補が最終的に38人になるとの見通しを明らかにした。
 また、2011年度の住民税減税のために用意しながら宙に浮いた状態になっている161億円に関し、当面は支出せず、12年度の減税財源に充てたい考えを示した。
 減税日本は既に32人の公認を決めており、残る立候補予定者を近く発表する方針。名古屋市議会は定数75のため、38人を擁立することになれば、全員当選で過半数を確保できるぎりぎりの数字になる。河村市長は公約の恒久減税実現などのため、これまで「過半数確保」を目標に掲げてきたが、この日は「第1党は絶対とりたい」と述べ、まずは最大会派をめざす意向を示した。
(2011年2月8日07時45分 読売新聞) 



最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ  クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月9日(水)のつぶやき

2011-02-10 01:24:11 | 花/美しいもの
22:00 from Tweet Button
きょうのブログ。○パープルダイヤル-性暴力・DV相談電話/こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る4,5 #goo_midorinet002 http://t.co/AKLUR2n
by midorinet002 on Twitter
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パープルダイヤル-性暴力・DV相談電話/こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る4,5

2011-02-09 21:39:45 | ほん/新聞/ニュース
昨日2月8日から、
「パープルダイヤル-性暴力・DV相談電話-」が開設されました。
受付は、2月8日 (火)10:00~ 3月27日(日)22:00 まで。
日本語のほか、英語、タガログ語、タイ語、中国語、韓国語、スペイン語も。

関連の記事とともに、内閣府男女共同参画局のページを紹介します。

   
  パープルダイヤル
-性暴力・DV相談電話-
0120-941-826

受付期間:平成23年 2月8日 (火)10:00~
3月27日(日)22:00


あなたは一人ではありません。
被害を受けたあなたに責任はありません。
一人で悩まず、どんな相談でも
私たちに声を聞かせてください。

電話の音声案内に従って次の番号を押してください。
[1]1年以内に性暴力被害にあった女性の方
24時間対応
[2]女性の方([1]を除く)
24時間対応
[3]男性の方
平日    11:00~23:00
土日祝日 12:00~23:00
[4]外国人の方
毎日     9:00~21:00
6か国語(英語、タガログ語、タイ語、中国語、韓国語、スペイン語)
※匿名での電話も受け付けます
※被害にあわれている方のご家族・ご友人からの相談も受け付けます。
※性暴力は、加害者や被害の時期を問いません。
・「パープルダイヤルのリーフレット」 PDF(表 裏) JPEG(表 裏)
・「パープルダイヤルの英語リーフレット」 PDF(表 裏) JPEG(表 裏)
・「パープルダイヤルの韓国語リーフレット」 PDF(表 裏) JPEG(表 裏)
・「パープルダイヤルのスペイン語リーフレット」 PDF(表 裏) JPEG(表 裏)
・「パープルダイヤルのタイ語リーフレット」 PDF(表 裏) JPEG(表 裏)
・「パープルダイヤルのタガログ語リーフレット」 PDF(表 裏) JPEG(表 裏)
・「パープルダイヤルの中国語リーフレット」 PDF(表 裏) JPEG(表 裏)
お気軽にお電話ください。
内閣府男女共同参画局



  性暴力やDV、電話で相談を パープルダイヤル開設
2011年2月9日 朝日新聞

 性暴力やDV(ドメスティック・バイオレンス)に苦しむ人々が気軽に相談できる環境を作るため、内閣府の男女共同参画局が24時間無料の相談電話「パープルダイヤル」(電話番号:0120―941―826)を期間限定で開設した。期間は2月8日(火)午前10時から3月27日(日)午後10時までで、男性からの相談や、日本語以外の英語・タガログ語・タイ語・中国語・韓国語・スペイン語の6言語での相談にも対応。匿名での相談も可能だ。(アサヒ・コム編集部)
 内閣府の調査によると、配偶者暴力相談支援センターでの相談件数は年々増えており、平成21年度には7万件を超えた。殴る、蹴るといった身体的暴力や、セックスを強要するなどの性的暴力だけでなく、パートナーの交友関係を監視する、メールを見る、生活費を渡さないという精神的・間接的な暴力もDVとなる。
 今回のパープルダイヤル開設に合わせて、8日には都内で「パープルツリー」点灯式が行われ、林久美子文部科学大臣政務官とタレントの優香さんが出席した。ツリーが紫色の光に包まれると、「この瞬間にもDVに苦しんでいる人がいるので、このツリーの光のようにパープルダイヤルが救いになるよう、頑張っていきたいと思います」と林政務官が意気込みを述べた。パープルダイヤルの告知CMに出演している優香さんは「悩んでいる人はどこに相談していいかわからず、独りぼっちだと思います。(CMなどで)私を見かけたらぜひパープルダイヤルに電話をしてほしいです」と語った。
 パープルダイヤルの受付期間終了後も、DVや性暴力に関する相談は内閣府の「DV相談ナビ」(電話番号:0570―0―55210)や各都道府県警察に設置された相談コーナーで相談できる。そのほか法務省による「女性の人権ホットライン」(電話番号:0570―070―810)も、パートナーによる暴力やセクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)など様々な相談に応じている。
-------------------------------------------------------------------
性暴力・DV被害に24時間の無料電話相談 内閣府
2011年2月6日 朝日新聞

 性暴力や配偶者暴力(DV)の被害者、その家族や友人のために、内閣府が8日から24時間の無料電話相談を実施する。3月27日までの緊急事業で、全国どこでも同じ番号でつながる。国が性暴力被害者のために24時間電話相談を実施するのは初めて。
 「パープルダイヤル」という名称で、0120・941・826。8日午前10時にスタートする。
 電話を受けるのは、DV被害者支援をしてきた全国の民間団体のスタッフ。まず話を聞き、必要に応じて医療関係者や弁護士、警察などを紹介する。
 「性暴力被害の対策は未整備。何が求められているのか調査する意味もこめて実施する」と内閣府男女共同参画局。外国語での相談は9~21時。男性からの相談も受け、受け付けは平日18~23時と土日祝日12~23時。



応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

後半は、毎日新聞で連載していた、「こうのとり追って:第2部」。
2月4日に、「病気、障害「治療のせい?」/5」までが終わり、
3月に反響特集があるそうです。

こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る

施設で異なる治療方針/4
(毎日新聞 2011年2月3日)

病気、障害「治療のせい?」/5
毎日新聞 2011年2月4日


こうのとり追って:第2部・不妊治療を知る/5止 病気、障害「治療のせい?」 

◇自責、後悔越え「生まれてくれてよかった」
 近畿地方の主婦(35)が1年半の不妊治療を経て授かった長男(2)は、生まれつき心臓や血管に疾患があった。妊娠は、夫の精子を医師が排卵に合わせて子宮に注入する人工授精だった。「不妊治療と疾患は関係がないだろう」と医師には言われたが、気持ちは揺れた。「何か特別なことをしたのは不妊治療しかない。治療で薬を使ったからなのか。苦しい思いをさせてまで、産んでよかったのか」と、自分を責めた。治療中は妊娠することが目的になっていたが、「子供を産んでからがスタートだった」。
 それでも、我が子はいとおしい。ひざの上に抱き上げると、自分が抱かれているような気がする。自分に見せる笑顔や、無条件に頼ってくれるのがうれしい。「この子がいなかったら生きていけない」と思う。最近、主婦は再び不妊治療を受け始めた。母親(66)は長男の疾患は不妊治療が原因という思いがぬぐえず、「無理に2人目を産まなくても」と言う。妊娠したら「治療しないで自然にできた」と伝えるつもりだ。
     ◇
 産業医科大小児科の白石美香・NICU(新生児集中治療室)医長は、これまで複数の病院で勤務し、赤ちゃんに障害や病気があったとき、精神的に受け入れられない母親を数多く見てきた。ある母親は、後遺症が残る可能性のある病気の赤ちゃんを見て「とても育てられない。呼吸器を外して」と頼んだ。病気の赤ちゃんを出産した別の母親は「こういう子はうちの家系には生まれないはず」と言い張った。「あんなに苦労してできた子なのに、障害があるなんて許せない」。そう訴える母親もいた。
 「不妊治療を受けて産んだお母さんには、産むことが最終ゴールになっている方も多い」と白石さんは語る。こうした女性たちに白石さんは、母乳を持ってきてもらい、赤ちゃんに触れるよう促すなど、少しずつ、母親としての自覚や愛情が芽生えていくように促していくという。
     ◇
 17年前、体外受精で双子の男児を出産した近畿地方の別の主婦(49)も自責の念にとらわれてきた。次男は仮死状態で生まれ、知的障害が残った。
 子宮に戻した受精卵は4個。日本産科婦人科学会は08年、多胎による母体への負担や早産といったリスクを減らすため、原則として子宮に戻す受精卵を1個とする見解をまとめている。しかし、主婦が治療を受けた当時は、いくつ戻すかは医師の判断次第で、受精卵が複数着床して多胎妊娠につながる可能性は、現在より高かった。
 医師は仮死状態だった次男に障害が残る可能性があると告げた。長男に比べ成長が遅かったが、はっきりと事実が分かったのは2歳になるころに受けた検査だった。
 夫の転勤で地元から離れて暮らしていたため、頼れる人は身近にいなかった。「死にたい」と毎日のように思い、治療を受けたことを後悔した。子供たちはかわいいが、疲れている時は、悪い考えがよぎった。「治療しなければ生まれてこなかった命なのに」「子供がいない人生を受け入れればよかった」
 この2~3年、次男が目に見えて成長してきた。以前は自分の思い通りにならないと我慢できなかったが、主婦が忙しい時は手が空くのを待てるようになった。主婦が着替えに手を貸そうとしても断るなど、少しずつ自立心が芽生えている。
 今は「生まれてくれてよかった」と心から思う。そして「生まれてきて幸せだ」と、子供たちが感じてくれていたら、と願っている。=おわり(五味香織、丹野恒一、下桐実雅子、須田桃子、藤野基文が担当しました。3月に反響特集を掲載します) 
毎日新聞 2011年2月4日 東京朝刊


最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月8日(火)のつぶやき

2011-02-09 01:25:09 | 花/美しいもの
19:09 from Tweet Button
きょうのブログ。○名古屋トリプル投票:「河村劇場」第2幕へ/当選者に聞く:河村たかし・大村秀章 #goo_midorinet002 http://t.co/N5Ares5
by midorinet002 on Twitter
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名古屋トリプル投票:「河村劇場」第2幕へ/当選者に聞く:河村たかし・大村秀章

2011-02-08 18:20:04 | 選挙関連
名古屋市長選と愛知県知事選から一夜明けて、
当選者のインタビューが届いた。

河村たかし市長と、大村秀章知事の微妙に違う温度差。
元民主党と元自民党のひとの蜜月は、ながくは続かないだろう、
という見方も出はじめているが、
とりあえず、今回の選挙の当選者と落選者の弁を、記録と記憶にとどめておこうと思う。

【愛知県知事選】大村さん「新しい政治が起きる」 当選者に聞く

党派を超えたタッグで知事選、名古屋市長選を制した大村秀章さん(50)と河村たかしさん(62)。既成政党に満足できず、変化に期待をかけた有権者の心をつかみ、圧倒的な勝利を手にしたが、その前途は多難だ。選挙戦で共通の看板政策に掲げた「減税」や、県と名古屋市を合体させる「中京都構想」は今後どう道筋を付けるのか。自らが率いる地域政党は来るべき名古屋市議選、続く県議選でどう戦うのか。激戦を終えた2人に今後のかじ取りへの考えを聞いた。 (聞き手・志村清一中日新聞編集局長)

◆国から独立する気概でやる 
 -勝因をどう自己分析するか。
 河村さんと組んだインパクトが一番大きい。民主党の国会議員だった河村さんと自民党の国会議員だった私が党派を超えて組み、新しい政治が起きるのではないかという期待感があったと思う。国政に対する不信感もあって、地域政党が今度こそ本当の変革をやるという訴えに共鳴してもらえたのではないか。

 -三河が生んだ初の知事だ。
 人口が少ないので出にくかったと思う。そういう意味では画期的なことだろう。県民と約束した236項目のマニフェスト(選挙公約)をすぐに進める。4月から半年で全部の仕掛けをつくりたい。県議会と真剣に協議し、秋をめどにあらゆる政策の方向付けをする。企業誘致を進め、地元の主力である自動車産業をさらに盤石にする。経済力があって初めて自立できる。

 -公約の県民税10%減税はどう進める。
 減税に必要な原資は350億円。県の人件費は7200億円あり、本年度も3%削減し、210億円を生み出している。民間給与が厳しいのだから、無理のない形で職員の皆さんに協力してもらう。県民税は法人税が中心で、景気が回復すれば財源を生み出す余力はあると思う。最短コースで2012年度予算に反映させたい。

 -中京都構想の狙いは。
 県と政令指定都市の名古屋市は重複する分野があり、二重行政になっている。お互い違った方向に向くと力が出てこない。司令塔を一つにして企業誘致や産業振興をする。ライバルは上海とシンガポールだ。これに勝てないと人材や企業の海外流出が一段と進む。国から独立する気概で取り組むつもりだ。

 -2月県議会はどのような姿勢で臨むか。
 当面は公明党を除いてオール野党だから、丁々発止の議論をすることになる。ただ、議論は徹底してやるつもりだが、最後は多数で決めるのが民主主義のルールだ。東三河担当の副知事を増員する条例案を出したい。

 -4月の県議選で自ら率いる地域政党「日本一愛知の会」から候補を出すのか。
 政策を実行するために議会で多くの仲間がほしい。新人を立てるつもりで既に何人かから話が来ている。これまでの経緯を水に流し、現職の方でも一緒にやってくれるというなら民主、自民でも構わない。市町村議も含めて出たい人を公募するつもりだ。もちろんマニフェストに賛同してくれることが前提。

 -国政に戻る気はあるのか。
 私のマニフェストは国政が変わらないと実現しないので、国政に影響力を持ちたいと思うが、県政に全力投球する。圧倒的な民意がバックにあれば、国政への影響力は行使できると思っている。
中日新聞 2011年2月7日


 河村さん「地殻変動だ」 当選者に聞く
2011年2月7日 中日新聞

 党派を超えたタッグで知事選、名古屋市長選を制した大村秀章さん(50)と河村たかしさん(62)。既成政党に満足できず、変化に期待をかけた有権者の心をつかみ、圧倒的な勝利を手にしたが、その前途は多難だ。選挙戦で共通の看板政策に掲げた「減税」や、県と名古屋市を合体させる「中京都構想」は今後どう道筋を付けるのか。自らが率いる地域政党は来るべき名古屋市議選、続く県議選でどう戦うのか。激戦を終えた2人に今後のかじ取りへの考えを聞いた。 (聞き手・志村清一中日新聞編集局長)

◆自ら「給料年800万円」大きかった 
 -自らの当選、大村さんの当選、住民投票の勝利で3冠。勝因は何だと思うか。
 端的に言えば、公約を貫く姿勢を支持していただいたのだと思う。自分が給料を年800万円にしたのも大きい。政治の庶民性というか、当たり前の政治像が市民の皆さんの中にあったのでは。名古屋は保守的なんだけど、反骨精神も意外とあるのではないか。

 -三つの勝利で一番うれしいのは。
 住民投票ですね。権力に対する闘争。まさに庶民革命。ようここまで来たな。(住民投票の法定署名数)36万人はできんのじゃないかと思った。10万人ならどういう辞め方をするか考えていた。名古屋の民度は相当高い。市民が直接的に政治を動かす決断をした。地殻変動が起きた。

 -民主党推薦だった初当選時と何が違うか。
 前回だって組織は付いていない。私がやっているのは時代が求めていること。国の政治に対する不満もでかい。

 -再選後にまず手掛けることは。
 予算編成と3大公約(減税、地域委員会、議会改革)実現。何と言っても市議選。否決されないように仲間をつくる。ここで現職に投票したら何ともならんと言いたい。民意を実らせる戦いになる。あと地域委員会を早く広げたい。国会議員を辞めた大きな理由はこれなんだ。児童虐待や孤独死など、今までの枠組みではできない取り組みが動き始めている。

 -市議選で減税日本が過半数に達しない場合、減税と議員報酬半減をどのように実現していくか。
 市長選で明確な争点になったのに、新しい議員が否決できますかね。いったい市長選、住民投票は何だったとなる。議員は地域の代表という面もある。市全体のことは、あらためて住民投票で問うということになる。

 -河村さんが独裁化するという心配もある。
 800万円の独裁者がどこにいるのか。独裁者は私腹を肥やす。2400万円なら後ろで議会と手を握って長くやろうとなる。800万円なら理想に殉じようと思う。

 -減税より福祉や教育、景気対策に力を入れてほしいという声をどう受け止めるか。
 減税そのものを問えば賛成が多い。減税分を寄付という流れになると、柔軟な福祉になる。

 -大村さんは、支持を受けた公明党の「低所得者に手厚い減税」を検討するという。市と県の減税政策が異なってもいいのか。
 相談はする。減税税率を累進構造にしてもいいと法律を変えてもらうしかない。

 -3大公約以外に新しい試みは。
 久屋大通公園の両側の道をやめて、巨大な公園にする。広小路通より南は酒飲み解放区。テレビ塔より北は自然ゾーン。名古屋で1日ぶらっとすると、どえらい面白い。木造の名古屋城天守閣も絶対やらないかん。 


応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

選挙:トリプル投票 「河村劇場」第2幕へ/連携実り大村氏(その1)/愛知  

 ◇「庶民のための政治に」
 前名古屋市長の河村たかし氏(62)が仕掛けた知事選、出直し名古屋市長選、同市議会解散の賛否を問う住民投票の「トリプル投票」が6日、投開票され、連携して選挙戦を展開した河村氏と前衆院議員の大村秀章氏(50)がそろって市長と知事の座を射止めた。住民投票も賛成票が半数を上回り、「河村流」の圧勝に終わった。投票率は、知事選52・52%(前回52・11%)▽名古屋市長選54・14%(同50・54%)▽住民投票54・17%。地域政党を設立するなど、党派を超えて支持を集めた河村、大村両氏に対し、民主、自民などの既存政党は存在感を示せなかった。09年4月の市長就任以来、市政を舞台に展開された「河村劇場」は、県政を巻き込んで第2幕を迎える。
 河村たかし氏の当選が決まると、名古屋市東区の事務所は歓声で沸いた。河村氏は支援者らの握手攻めにあい、再選の喜びを分かち合った。
 前回市長選は民主党の推薦を受けたが、今回は市議団との不和が原因で民主との全面対決に。しかし、任期中に市民税10%減税や地域委員会、議会改革をめぐって市議会と対立を続けたことで、河村氏に注目が集まった。不可能とみられた市議会解散請求(リコール)の署名集めを成し遂げ、知名度は揺るぎないものとなった。
 組織の支援を受けない河村氏は、得意の自転車街宣スタイルを貫き通した。街頭では知事選候補の大村氏や、自身がつくった地域政党「減税日本」の次期市議選立候補予定者らと共に、「職業化した議員のあり方を変え、庶民のための政治を作る」と訴えた。【高橋恵子】

 ◇「歴史的審判もっと先」 石田氏、敗戦の弁も強気
 石田芳弘氏(65)は午後8時過ぎに同市中区の事務所に姿を見せた。敗戦については「市民の判断として受け入れる」としながらも「河村市政は、財政的にも政治スタイルとしても持続不可能。歴史的審判はもっと先に下る」と強気の弁を貫き、「市議選の結果次第で、半年以内に市長選がある可能性もある」と見通した。
 衆院議員を辞職して臨んだ選挙。河村氏の減税政策や議会と対立を続ける姿勢を批判、「議会に予算編成権を与えることが地域主権に必要」と訴えて追い上げたが、河村氏との差を縮められなかった。【丸山進、秋山信一】

 ◇八田氏「知名度生かせず」
 八田ひろ子氏(64)は同市中区の事務所で「手応えのある選挙戦でしたが、皆さんに培っていただいた知名度を十分生かせず、おわびしたい」と集まった支援者らを前にあいさつした。
 先に知事選出馬を表明していた土井敏彦氏とタッグを組み、国民健康保険料の1万円引き下げや住宅リフォーム助成の拡大などを訴えた。元参院議員として知名度もあったが、トリプル投票に持ち込んだ河村氏の戦略の前に、存在感を発揮できなかった。【沢田勇】

 ◇「賛成」圧勝に歓声 議員報酬「高すぎ」支持
 名古屋市議会解散の賛否を問う住民投票で「賛成」が過半数を占めることが確実になると、前市長の河村たかし氏が設立した「減税日本」の事務所(同市東区)に集まっていた「ネットワーク河村市長」のメンバーらは歓声を上げ、万歳を繰り返した。
 河村氏は、議会を解散に追い込んだ場合には自身も市長を辞職し、知事選と合わせた「トリプル選」が行われるように時期を図り、昨年8月27日に署名活動を始めた。しかし、「法令に反した署名収集が行われている」との情報が市選管に多く寄せられ、署名活動の中心となる請求代表者10人が集めたとする署名が全体の4分の1を占めたことを、市選管が疑問視。審査期間を1カ月延長したため、河村氏のトリプル選構想は崩れた。審査の結果、一時は有効署名数が住民投票実施に必要な数を1万2004人分下回ったが、請求代表者を中心に約3万4000人分もの異議申し立てを行った結果、必要数を確保して住民投票実施にこぎ着けた。
 その後、議会側は「4月の市議選を3月に1カ月前倒しすることで、3億2000万円の税金が無駄に使われる」などと訴えて対抗したが、「年1630万円の議員報酬は高すぎる」と訴え続けた河村氏に支持が集まった。【丸山進、福島祥】

==============
 ◇名古屋市長選=選管最終発表
当 662,251 河村たかし 62 諸前
  216,764 石田芳弘  65 無新
   46,405 八田ひろ子 64 無新
   23,185 杉山均   54 無新

==============
河村たかし(かわむら・たかし) 62 諸前(2)
 [元]市長▽地域政党「減税日本」代表[歴]古紙回収会社役員▽衆院議員・逓信委員会理事・国会等移転に関する特別委員会委員長・法務委員会野党筆頭理事▽民主党政調副会長・税調副会長・副幹事長▽一橋大

==============
 ◇住民投票開票結果=選管最終発表
賛成 696,146
反対 252,921
毎日新聞 2011年2月7日 地方版

----------------------------------------------------------------------
選挙:トリプル投票 「河村劇場」第2幕へ/連携実り大村氏(その2止) /愛知

■2011知事選
 ◇党派超えて浸透
 名古屋市中区の繁華街にある大村秀章氏(50)の事務所では、報道各社の世論調査で優位が伝えられていたため、関係者や詰めかけた支持者らは柔らかな表情で開票速報を見守った。「当選確実」の報が流れると事務所は歓声に包まれ、拍手の中で登場した大村氏は「愛知から日本の変革の嵐を起こしたい」と活躍を誓った。
 5期15年務めた衆院議員を辞して挑んだ知事選。地域政党「日本一愛知の会」を設立し、中京都構想や減税を掲げて、出直し名古屋市長選に立候補した前市長の河村たかし氏と連携。大阪府の橋下徹知事の応援も受け、話題性は抜群だった。
 重徳和彦氏を推す自民党県連とは対立したが、同党の一部国会議員が大村氏支援を表明。県連会長時代から親交のあった公明党県本部の支持も取り付け、党派を超えて浸透した。【稲垣衆史】

 ◇支持者らため息 重徳氏、自民支持層一角崩され
 大須観音(同市中区)に近い重徳和彦氏(40)の事務所では、自民党県連幹部や黄色いジャンパー姿の支持者たちからため息が。重徳氏は「多くの素晴らしい仲間に支援していただいたが、期待に応えられなかった。心よりおわびする」と、妻美佐子さん(39)と共に頭を下げた。
 ラグビー選手だった重徳氏は若さを武器に「民間の経営感覚を生かした県政」を掲げ、引退する神田真秋知事の全面支援に加え、党本部も大島理森副総裁ら幹部を続々と投入して追い上げを図った。だが前県連会長の大村氏に自民支持層の一角を崩された。【福島祥、山口知】

 ◇「こうも大差で…」 御園氏、政権支持率低迷も響く
 同市中区の御園慎一郎氏(57)の事務所には、支持者らがつく深いため息が満ち、「こうも大差で敗れるとは」と陣営スタッフはうなだれた。
 民主党は告示以降、岡田克也幹事長が全国会議員に愛知入りを要請するなど総力で支援。片山善博総務相、蓮舫行政刷新担当相など閣僚級も連日のように応援に駆け付けた。だが河村・大村連合に話題をさらわれ、菅政権の支持率低迷も影を落とし、民主支持層すら固めきれなかった。
 御園氏は「(有権者に)訴えが十分に理解されなかった。私の力不足。誠に申し訳ありません」と深々と頭を下げた。【宮島寛】

 ◇「次もチャレンジしたい」 薬師寺氏に風は吹かず
 薬師寺道代氏(46)は、みんなの党関係者や同党の統一地方選立候補予定者らが集まった同市中区の事務所に現れ、「着実にみんなの党と薬師寺道代が何をしたいのかが愛知県に広がっているということを、肌身を通じて感じた。皆様にお許し願えるならば次もチャレンジしたい」とあいさつした。
 昨夏の参院選愛知選挙区で次点に終わったが、無党派層に浸透して約53万票を獲得。党は知事選を統一選に向けた党勢拡大の好機と位置づけ、知名度が上がった薬師寺氏を擁立した。渡辺喜美代表ら党幹部が連日愛知入りするなどてこ入れを図ったが、風は吹かなかった。【高木香奈】

 ◇「多くの問題提起できた」 土井氏、出馬表明の遅れ響く
 土井敏彦氏(64)は落選が決まると、同市中区の事務所に集まった支援者約30人を前に「残念な結果に終わったが、さまざまな問題提起ができた」と選挙戦を振り返った。地域医療の現場に長年従事している土井氏は、国民健康保険料の引き下げなどを訴えたが、出馬表明が昨年12月と遅れたことが、最後まで響いた。【沢田勇】

 ◇集計ミスで有権者数訂正--県選管
 県選管が5日に発表した知事選の選挙人名簿登録者数のうち、津島市と長久手町分に誤りがあったと、県選管が6日発表した。津島市は県内転出者を除外したため321人少なく、長久手町は県外転出者を含めて集計したため231人多く、県選管に報告していた。このため5日現在の登録者数は581万1097人と訂正された。【山田一晶】

==============
 ◇知事選開票結果◇=選管最終発表
当 1,502,571 大村秀章  50 無新
    546,610 重徳和彦  40 無新
    487,896 御園慎一郎 57 無新
    324,222 薬師寺道代 46 み新
    141,320 土井敏彦  64 無新

==============
大村秀章(おおむら・ひであき) 50 無新(1)
 [元]衆院議員▽地域政党「日本一愛知の会」会長[歴]農水省課長補佐▽経産政務官▽内閣政務官▽自民党厚労部会長・県会長▽副内閣相▽副厚労相▽衆院厚労委筆頭理事・決算行政監視委員長▽東大
毎日新聞 2011年2月7日 地方版



最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月7日(月)のつぶやき

2011-02-08 01:24:16 | 花/美しいもの
16:51 from Tweet Button
きょうのブログ。○名古屋のトリプル投票:河村陣営圧勝!/7日朝刊各紙の社説 #goo_midorinet002 http://t.co/QXcSVgf
by midorinet002 on Twitter
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名古屋のトリプル投票:河村陣営圧勝!/7日朝刊各紙の社説

2011-02-07 16:03:01 | 選挙関連
昨夜、名古屋のトリプル投票締め切りの午後8時にNHKテレビを見たら、
8時の開票とほぼ同時に、河村氏の「当確」、つづいての知事選は大村氏の「当確」、
住民投票の結果は「解散に賛成」、とテロップが流れた。

トリプル投票は、河村・大村チームが圧倒的勝利、
名古屋市議会は解散、という河村氏の思惑通りの結果になった。

予想通りとはいえ、その後の投票結果の詳細を見ていたら、
ダブルスコアどころか、トリプルスコアの市区が続出。
議会解散の民意を受けての市議選でも、河村陣営の独走態勢は続きそうだ。

河村氏、空前の得票 名古屋市長選、16区すべてトップ(2011年2月7日 朝日新聞)

大村氏、全域で圧倒 知事選、重徳氏・御園氏らに大差(2011年2月7日 朝日新聞)

7日は、焼津市議選も投開票日で、午後11時過ぎ、
全5回の選挙講座に参加され、無党派・市民派の市民型選挙をつらぬいた
秋山ひろこさんから、「当選しました」との、うれしい一報が届いた。

一夜明けて、あらためて詳報をきくと、
はじめての選挙で「得票3070票、定員21名中、6位当選」とのこと。
すばらしい!、の一言である。

「市民派議員」選挙戦を指南 名古屋で受講募集/
30日告示・2月6日投票焼津市議選/秋山ひろこさんの挑戦(2011-01-30)


既存政党とキョリをおいた市民型選挙は、
「庶民革命」をかかげる河村流選挙とは、
「似て非なるもの」というか、むしろ「対極」にある。

河村氏のターゲットは、つぎの名古屋市議会議員選挙で、
市長派の議員をたくさん当選させて、議会で「多数派」を形成すること。
その思惑が実現したとき、名古屋市は河村独裁政治+河村翼賛議会となることを、
わたしは危惧する。
民意が示されたとはいえ、それが本当に市民が望んでいる自治の姿、なのだろうか。

 【社説】河村市長へ三つの注文 名古屋・トリプル審判 

 名古屋のトリプル投票で、河村たかし市長の訴えが圧倒的に支持された。地方自治は新たな時代を迎えるのだろうか。期待を込め、三つの注文をしよう。
 市議会を解散し、愛知県知事に盟友の大村秀章氏を-と河村氏が自らも辞職して仕掛けたトリプル投票。その三つともかなえさせてくれた民意は、市民税減税や議員報酬半減など河村氏が「庶民革命」と名付けた改革の推進力になるに違いない。
 今の地方自治は名古屋に限らず大方が停滞気味だ。住民が変えたいと思ってもなかなか変わらない。だから河村改革は全国の注目を集め、市民の支持を集めた。

 「独裁型」はいけない
 改革は全力で進めてもらいたい。しかし、期待が大きいだけに、あえて市民のための改革となるよう三つの注文をしよう。
 第一は「独裁型になってはいけない」ということだ。
 三つの勝利も、河村氏にとっては実はほんの前哨戦にすぎない。
 「次はいよいよノルマンディー上陸だ」
 第二次世界大戦の勝敗を決した連合軍の大作戦と河村氏が見据えるのは、この住民投票の結果、三月に行われることになった出直し市議選だ。
 河村氏は自らの地域政党「減税日本」から四十人ほどを擁立、議会(定数七五)の過半数を占めようとしている。議会を制すれば改革を一気に進めることができる。
 憲法にある通り、日本の自治は首長と議会の二元代表制である。両者の緊張関係、チェック・アンド・バランスの機能が住民の総意により近いという考えだ。対立の果ての多数決より、知恵と時間を使った歩み寄りの方が地域の和はよりよく保たれる。
 市長と議会のなれ合いはその誤用、悪用にすぎない。市長の言うままの議会に、もし、なってしまえば、民意は偏ってしまう。

 首長は社長でもある
 二つ目は「名古屋市という会社の社長たれ」という注文だ。
 「政治能力と人気は抜群。だが経営者としての能力と関心は極端に低い」。前の市長選でブレーンだった政治学者、後房雄・名古屋大教授は残念だが、そう言った。
 減税をてこに、役所の無駄を減らせる。一石二鳥-。後教授の周到な作戦だった。
 しかし河村氏は議員報酬と議員定数の半減という新たな争点を持ち出し、議会との対決をより強める。結局議会は「財源が不透明」と減税を一年で打ち切ってしまった。減税に必要な百六十億円は行財政改革でまかなったが、借金にあたる市債の発行残高は前年より三百億円増えて、一兆八千五百億円。つけは次世代に回る。
 名古屋市という会社の収支をよく考えてくれなければ、市の「社長」とは言えまい。
 三つ目は「よく聞いてほしい」ということ。
 昨年末の減税継続を否決され「もう一度、信を問いたい」という河村氏の辞職理由も市民の思いとは、ずれがある。
 本紙が先月下旬に行った世論調査で、新市長が優先的に取り組むべき政策を尋ねたところ、民主党候補の公約の「医療や子育てで使えるサービス券」が40%近くあり「減税」はその半分だった。
 一律10%の河村減税では、所得の多い人ほど恩恵が多く、少ない人にはほとんどない。河村氏の訴えに拍手を送ったのはそんな庶民たちだ。
 高額の報酬をもらう議員では庶民のことなど分かるまい。そんな不満を募らせてきた人々が変化への望みを託した。耳を傾け、言葉だけでなく改革を実行してほしい。
 いうまでもなく地方自治は、私たちの暮らしに最も身近な政治である。もっとも働いてもらわなければならないし、もっとも接触し参加する機会のある政治である。だから各地で地方議会改革の波が起こり、首長と議会の衝突も起きている。今は胎動をもはや過ぎ、実行実現の時になっている。

 魅力の足りない国政
 名古屋などの運動が注目されるのは当然だ。政治的には四月の統一地方選への重要な試金石である。トリプル投票では大物国会議員が続々と応援に来た。名古屋の審判はそれらを、ほとんど寄せ付けなかった。河村人気は圧倒的だった。しかし、すべてをそのせいにはできまい。政治の魅力が足りないのだ。やると言ったことができていないのだ。とりわけ民主党政権は猛省すべきだろう。
 地方自治の歯車は回り出した。掛け声の分権、主権でなく住民のための本物の自治とは何か。首長は、議会は、そして住民は何をしなければならないのか。名古屋の問いかけは、日本中が考えるべきことである。その意味で統一選の今年は、地方自治元年となるかもしれないのだ。 


応援クリック人気ブログランキングへ してね 
本文中の写真をクリックすると拡大します。

名古屋選挙―次は、働く議会を作ろう 

 衝撃的な結果である。
 愛知県知事選、名古屋市長選、議会解散の是非を問う同市の住民投票の投開票がきのうあった。河村たかし前市長の率いる勢力がそろって勝利した。いったん辞めて再立候補した市長選、市民に呼びかけた住民投票、連動させた知事選でも盟友を押し上げた。
 これまで票をたばねてきた政党や労組、業界は、大きく力を失ったように見える。いまやこうした組織を見限った個人が、河村氏へ吸い寄せられていった、という図である。
 河村氏は「市民税減税が政策の1丁目1番地」と強調する。だが、街頭でみるかぎり、議員報酬半減の提案をはじめ、徹底した議会との対決姿勢が強く市民に受けていた。
 政権交代後の混迷もあり、社会の閉塞(へいそく)感は強まっている。市民は、議会と激突する河村氏に喝采を送った。
 市民の側から「議会を守れ」という運動がほとんど広がらなかったのが象徴的である。むしろ特権にあぐらをかいていた議員が攻撃され、右往左往するさまが格好の見せ物になった。
 議員は高い報酬を得ながら地域の暮らしにどう役立ってきたのか、多くの市民に実感させられなかった。
 山口県防府市長が議員定数半減を提案したのをはじめ、議会と対決する首長が各地に現れている。リコールの要件を緩めたり、住民投票をやりやすくしたりする地方自治法改正の動きが進んでいるが、現状では対立を激化させる道具にならぬか心配だ。
 だが、忘れてはいけない。こんな議会を許してきたのもまた市民である。4年前の統一地方選で市議選のあった全国の15の政令指定都市のうち、名古屋市の投票率は最低の39.97%だった。平均より10ポイント近く低かった。
 冷静に考えてみよう。議員報酬を半減させたところで、浮くお金はせいぜい6億円だ。小さいとは言えないが、河村氏がいう10%減税に必要な200億円に遠く及ばない。
 では行政改革で財源が本当に生み出せるのか。市民サービスが削られないか。いまこそ行政への監視が必要なときだ。市民の代表である議会を攻撃するだけでは結局、市民が損をする。
 住民投票で議会解散が決まり、3月に出直し選挙がある。報酬問題について市民の判断はもう明らかだろう。
 次は議会にどのような人材を送り、どう再生するか、である。
 各党、各候補者に知恵を問いたい。地域政党を率いる河村氏も「壊す」の次に「作る」方策を見せてほしい。
 全国の有権者も考えよう。あなたの街の議会もふがいないかもしれない。だが、攻撃し、個人で留飲を下げるだけでいいか。議会は社会が連帯し、公の問題に取り組む場所だ。主権者として、議会をもう一度働かせよう。 


社説:名古屋ショック 既成党の埋没は深刻 

 地殻変動を感じさせる異変である。愛知県知事選、名古屋市長選、同市議会解散の是非を問う住民投票が同じ日に重なる「トリプル投票」が行われた。いずれも市民減税を掲げ支持を訴えた河村たかし前市長の陣営が勝利し、「河村旋風」の猛威をみせつけた。
 統一選を前に中央政党の推す候補があえなく敗れる様子は、民主党をはじめとする既成政党の埋没ぶりを物語った。政令市として初のリコールによる議会解散も自治の歴史に刻まれる事態だ。政党や地方議会への重い警告と受け止めねばならない。
 フタを開ければ河村氏の狙い通りの審判だった。2月にもともと予定されたのは愛知県知事選だが、これをトリプル投票に仕立てあげたのが河村氏だ。10%の市民減税をめぐり対立した市議会へのリコール運動を主導して住民投票を実現、自らも任期半ばで辞任しての出直し選で、決戦の舞台を用意した。
 その戦略が皮肉なことに古巣、民主党を直撃した。知事選は大村秀章前衆院議員(自民党を離党)が河村氏が代表を務める地域政党の推薦を受け、民主党推薦の官僚OBらを制した。市長選も、河村氏が前民主党衆院議員らをしりぞけた。
 地方選で苦戦続きの民主党だが、愛知はさきの衆院選で15小選挙区すべてを制した「民主王国」だけに、深刻だ。政権交代以来、政治の変化が実感できない有権者の失望といらだちが河村氏への追い風を呼んでいるのではないか。菅内閣の今後の求心力にも影響しよう。
 自民党もふがいない。知事選は事実上の分裂選挙となり、市長選は候補を擁立できなかった。大阪でも、橋下徹府知事が主導する地域政党が台風の目となりつつある。政治が迷走する中で、2大政党がかすむ現状の裏返しでもある。
 「旋風」のもうひとつのエネルギー源は、地方議会への住民の不満だ。議員報酬半減を主張する河村氏は名古屋市議会と激しい対立を演じてきたが今回の投票から、住民の市議会への強い不信感が裏付けられた。大都市での署名集めなど高いハードルを越えての住民の「不信任」を改革に二の足を踏む多くの地方議会は他山の石と受け止めるべきだ。
 一方で、市議会との対決路線をひた走り、解散を主導した河村氏の手法も危うさをはらむ。
 市民減税の行方は最終的に、解散に伴う名古屋市議選で決せられる。河村氏の下で地域政党は候補を擁立するが、対立勢力を攻撃し続けるばかりでは市政の歯車は回らない。
 減税と市財政の健全化をどう両立させるかなど、河村氏はより踏み込んで住民に説明すべきである。
毎日新聞 2011年2月7日 東京朝刊



最後まで読んでくださってありがとう
人気ブログランキングへ クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月6日(日)のつぶやき

2011-02-07 01:23:07 | 花/美しいもの
16:23 from Tweet Button
ぎょうのブログ。○経験と歴史 つなぐ道探る 昭和の<自分史>を完結 色川大吉さん(歴史学者) #goo_midorinet002 http://t.co/CdDXWKt
23:52 from web
焼津市議会議員選挙に立候補していた秋山ひろこさんから「当選」の知らせがありました。やりたい市民型選挙をやりぬいた秋山さんに、こころからのおめでとう!
by midorinet002 on Twitter
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする