みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

花粉収まった今、始め時 舌下免疫療法/黄色の花。黄菖蒲とメキシコ万年草

2019-05-21 22:20:47 | ほん/新聞/ニュース
庭のあちこちに黄菖蒲(キショウブ)が咲き始めました。
いつの間にか雑草化して、どんどん増えています。

菖蒲という長ついていますが、菖蒲ではなく、
日本の各地に野生化しているがヨーロッパ原産の帰化植物。
強健な根茎を持ち髭の無いアイリス(Iris)の仲間。

枝垂れ源平花桃の下に生えているメキシコ万年草。
奥は紫蘭です。

星型の金平糖のような黄色い花を一面に咲かせます。




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後半は、
中日新聞生活面で花粉症の記事「花粉収まった今、始め時 舌下免疫療法」。
以前はできるだけ花粉に暴露されないように、
ということが主流でしたが、
最近は、アレルゲンの花粉を少しずつ取り込んで
身体を慣らしていく、舌下免疫療法が広がり始めています。
来年にむけて、今の時期からできる新しい治療方法です。

  花粉収まった今、始め時 舌下免疫療法 
2019年5月21日 中日新聞

 今や国民病といわれる花粉症。この春も目のかゆみや鼻水などに苦しんだ人は多いだろう。近年、注目されるのが、スギ花粉の成分に体を慣らす「舌下(ぜっか)免疫療法」だ。花粉の飛散が収まったこの時季が治療開始のチャンス。2年前にこの治療を始めた記者が体験を踏まえ、新薬が登場するなど変わる現場を紹介する。
 初めてスギ花粉症の症状に襲われたのは、三十歳を過ぎた十数年前の春だ。起床時は目やにでまぶたが動かず、常に鼻はズルズル。目薬とティッシュの箱が手放せなかった。
 発症から三年目、免疫療法によるアレルギー疾患治療に詳しい笹本明義さん(62)が院長を務める成城ささもと小児科・アレルギー科(東京)を受診。以降、飲み薬や点鼻・点眼薬の対症療法でしのいできたが、前年の暮れから苦しいことも。気象庁の「飛散開始日」は一平方センチ当たり一個以上のスギ花粉を二日連続して観測した場合の最初の日。しかし「花粉はそれ以前も飛んでいる」と笹本さんは言う。

●原因物質を摂取
 記者のアレルゲン(原因物質)は、ほぼスギ。一昨年、笹本さんに勧められたのが、アレルゲンを定期的に摂取し、体を慣らしていく舌下免疫療法だ。二〇一四年に保険適用になった薬「シダトレン」を試した。服用は一日一回。スギ花粉のエキスを原料とする液状の薬を舌の裏側に二分間とどめ、口の粘膜から成分を吸収させた後にのみ込む。
 初日は低濃度のものを院内で飲み、三十分間、かゆみや発疹などが出ないかどうかを確認。その後二週間をかけて濃度を上げ、数日おきの診察で経過を見る。この間は煩雑だが、医師が大丈夫と判断すれば十五日目以降は自分で管理・服用ができる。通院は月一度で、治療費と薬代を合わせて月三千~四千円程度だ。
 治療開始後、初めて迎えた昨春は、たまにくしゃみが続く程度で「本当に花粉飛んでる?」と疑うほど快適。今季も、マスクのお世話になることはなかった。

●処方、全ての人に
 ただシダトレンは冷蔵保存が必要。持ち運びが大変だった。そこで、昨年発売されたのが、常温で保存ができる錠剤のシダキュアだ。全ての年齢の人に処方が可能で、十二歳以上のシダトレンより広がった。実際は、落ち着いて口の中で薬をとどめておくことができる四、五歳ほどから処方する医師が多いという。薬を舌下にとどめる時間も一分に短縮。両方の薬を開発、販売する鳥居薬品(東京)によると、シダトレン、シダキュアを服用する患者は国内に約十六万人という。
 厚生労働省研究班の医師らは、舌下免疫療法を受けている男女三百五十六人を対象にアンケートを実施。昨年発表された結果によると、開始後初めてのシーズンを終えた百九人では「症状がなかった」「前年より軽かった」と答えた人は合わせて九割にも及んだ。
 ただ、効果の程度や効き始める時期には個人差がある。同薬品の担当者も「三~五年は根気よく治療を続けて」と話す。ポイントは花粉が飛ばないゴールデンウイーク明けから十一月いっぱいまでに始めること。服用を忘れないよう、日誌などを付けることも大事だ。万が一、強い副作用が出たらすぐに受診したい。
 この治療を受けられる医療機関は、まだ少ない。治療が可能かどうかの判断、副作用への対処などアレルギーの専門知識や経験が必要なためだ。同薬品では専用HP(「トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ」で検索)で受診可能な全国の医療機関を紹介している。
 (北村麻紀)

 <スギ花粉症> 春先に飛散するスギ花粉が原因で起こるアレルギー疾患。主な症状はくしゃみ、鼻水、目の充血やかゆみ。厚生労働省によると、約3000万人と推定される国内の花粉症患者のうち、スギ花粉を原因とする患者は約9割。残りはブタクサ、ヒノキなど。睡眠障害や思考力の低下、外出に支障が出るなどの影響による経済損失も指摘されている。 


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スクールセクハラの深い闇 教諭が何度も「生理ですか?」生徒の心に傷/赤紫の紫蘭とバラの花

2019-05-20 22:27:09 | ほん/新聞/ニュース
枝垂れ源平花桃の下に紫蘭が咲いています。
赤紫の清楚な花です。

大輪のバラも一輪だけ。
  
日に日につぼみがほどけて、

15cmくらいの大きな花が咲きました。

ツルバラ。
  
ひもで誘引したのですが枝垂れてしまいました。

濃いピンクの覆輪咲きです。

パートナーが田んぼの仕事で疲れたので、
岩盤浴と買い物に出かけました。

帰りに、京都のおからを見つけたので、
久しぶりに卯の花煮を作りました。

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  スクールセクハラの深い闇 教諭が何度も「生理ですか?」生徒の心に傷  
2019/5/14 西日本新聞

 教諭から繰り返しセクハラを受けた-。そんな投稿が取材班に寄せられた。中学生の娘が、ストレスで頭痛や吐き気が止まらなくなり学校に行けなくなったという。性暴力を告発する「#Me Too」運動が広がりを見せる中、教師と生徒の関係では被害が潜在化しやすい現状がある。子どもたちが声を上げやすい体制づくりが学校現場には求められている。
 関係者によると、問題は昨春、福岡市立中学校の不登校の生徒が通う教室で起きた。机に伏していた女子生徒に、男性教諭が「生理ですか?」と問いかけた。不快そうにする生徒に「生理は恥ずかしいことじゃない」「娘がいるから分かる」と続けたという。
 その後も、気分が悪そうにしている女子生徒複数人に同じ発言を繰り返したといい、うち1人はストレスで教室に行けなくなった。この生徒は「やめてくださいと伝えても、『体調を確認するのが仕事だから』とあっけらかんとしていた。それ以上、何も言えなくなった」と話した。
 保護者が「セクハラだ」と抗議した後も、別の女子生徒に対し、「○○さん(下の名前)も随分、女性ぽくなってきましたよ。少女じゃなくてちょっと女性に変わりますね」などと発言していた。
 市教育委員会によると、教諭は「体調を確認する目的で尋ねた」「教室に通い始めた頃に比べて成長したことを伝えたかった」と釈明。市教委の担当者は「生徒に寄り添おうと思ってのことだが、発達段階やTPOをわきまえず、配慮を欠いていた」として教諭を指導したという。
      ◇
 文部科学省によると、2017年度にセクハラやわいせつ行為で懲戒処分を受けた教員は210人。内訳は「体に触る」が最多の56人▽「盗撮、のぞき」42人▽「性交」38人▽「キス」16人-と続いた。会話などによるセクハラで処分された教員も11人いた。被害者は「自校の児童生徒」が46%で最多だった。
 NPO法人「スクール・セクシュアル・ハラスメント防止関東ネットワーク」(東京)の徳永恭子さん(72)は「性的なことは人に相談しにくいのに、相手先生だとさらに潜在化する。処分件数は氷山の一角にすぎない」と指摘する。
 言葉からエスカレートするケースもある。高校時代、文化系の部活動をしていた福岡県内の20代女性は、顧問の教諭から「好き」「かわいい」などのメールが繰り返し届いた。「気持ち悪かったけど、部活に支障が出ると思うと『やめて』と言えなかった」。個別指導名目でひざの上に乗せられたり、体を触られたりしたこともあったという。
      ◇
 セクハラは、加害者と被害者の認識がずれているケースが多い。千葉、神奈川の両県教委は毎年、児童生徒にセクハラアンケートをし、結果を教員への指導や研修にも生かしている。
 千葉県教委が17年度に公立小中高などの約47万人に行ったアンケートでは、308人が「教職員の言動をセクハラと感じて不快だった」と回答。「性的な話、冗談を言われた」が66人、「必要以上に体に触られた」が64人だった。
 04年度から対象を拡大しながら実施しており、担当者は「教員にセクハラの認識がないケースも少なくないが、児童生徒の声を毎回共有することで意識改革になり、未然防止につながっている」と話す。
 ただ、こうしたアンケートを行う教育委員会はまだ少ない。回答内容が“加害者”側の教員に知られることなどが懸念されるからだという。文科省は、児童生徒が声を上げやすいようスクールカウンセラーの配置を拡充し、会員制交流サイト(SNS)を活用した相談体制の構築も進めている。徳永さんは「プライバシーに配慮した上で、いじめ調査のように全国アンケートも実施すべきだ」と話した。
=2019/05/14付 西日本新聞朝刊=


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[性犯罪無罪判決]同意ないのに理不尽だ/花を手に「フラワーデモ」 性暴力への無罪判決に抗議/日本ミツバチの待ち箱の入れ替え

2019-05-19 21:42:17 | ほん/新聞/ニュース
一週間前に3番の待ち箱に入居した群の
日本ミツバチの巣箱を入れ替えることにしました。
明るいうちは働きバチが蜜を集めに出ているので、
暗くなりかけた午後6時から入れ替え作業。

トタンの屋根を外して、上二段を残して、
下の箱を入れ替えます。

上二段を持ち上げたところを下からパチリ。

蜂球のなかに白い巣が3列見えます。

持ち上げているうちに、待ち箱部分に
正規の巣箱を入れます。

待ち箱に残っている蜂はほどんどいなくて、
10分ほどで済みました。

事務所から持ってきた2番の巣箱。

5,6番の待ち箱。

探索は来ているのですが、午後から強い風が吹いたので、
いなくなりました。
分蜂する時期はあと少しです。

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  社説[性犯罪無罪判決]同意ないのに理不尽だ
2019年5月19日 沖縄タイムス

 女性が同意していない性交があったと認めながら、被告を無罪とする判決が相次ぎ、抗議の動きが広がっている。刑法そのものの不備を指摘する声もあり、市民感覚との「ズレ」が浮かび上がる。
 特に疑問視されているのは、19歳の実の娘に対する準強制性交罪に問われた父親に無罪が言い渡された3月の名古屋地裁岡崎支部の判決。長年の性的虐待と性交が意に反するものだったとする一方、拒めていた時期もあったなどとし「被害者が抵抗不能な状態だったとは認定できない」と結論づけた。
 必死の抵抗が受け入れられなかったり、その力関係から逃れることが難しいという状況下では、戦うことをやめてしまう心理がある。性被害当事者団体の代表が「日常的な暴力に抵抗する気力を保つのは難しい」と話すように、繰り返される性暴力ではそんなケースが少なくない。
 同じ3月、福岡地裁久留米支部では、酒に酔っていた女性への準強姦(ごうかん)罪に問われた男性が無罪となった。「女性が同意していると誤信した」として、抵抗できない状態につけ込んだとはいえないと判断したのだ。
 強制性交致傷罪を無罪とした同月の静岡地裁浜松支部の判決は、女性が「頭が真っ白になって」抵抗できなかったのに、男性が「抵抗を困難にさせたと自覚できず、消極的な承諾があると考えた可能性がある」とした。
 いずれも同意がないにもかかわらず男性が合意があったと思い込んだから無罪という理不尽な構図だ。
    ■    ■
 刑法の強制性交罪は「暴行や脅迫」によって被害者が抵抗することが著しく困難な状態だったと認定されなければ成立しない。準強制性交罪は抵抗できない「抗拒不能」が要件となっている。

 父親が準強制性交罪に問われた名古屋地裁岡崎支部の判決は、「以前に性交を拒んだ際受けた暴力は恐怖心を抱くようなものではなかった」とし「抗拒不能な状態だったとは認定できない」としたが、事実を軽視してはいないか。
 性暴力や性犯罪では、自分より体の大きい加害者に直面すると、被害者は恐怖で体が凍り付き動けなくなってしまうことがよくある。抵抗しなかったのは暴行や脅迫がなかったからとするのは短絡的で被害実態からかけ離れている。
 無罪判決に対する抗議デモや署名活動など波紋が広がっているのは、「どう考えてもおかしい」という市民感覚からである。
    ■    ■
 一連の裁判を巡り性被害当事者団体が、刑法の運用見直しや改正を法務相に申し入れた。
 性犯罪を厳罰化した2017年の改正刑法に20年をめどにした検討が盛り込まれていることから、同意のない性交を犯罪として処罰できるよう要件の見直しを求めているのだ。
 ヨーロッパを中心に世界的にも同意のない性交は処罰される流れにある。
 性犯罪の成立要件について、幅広い観点から検討を進めてもらいたい。 


  花を手に「フラワーデモ」 性暴力への無罪判決に抗議
2019年5月18日 毎日新聞

 今年3月、全国の裁判所で性暴力事件での無罪判決が相次いだ。裁判で性暴力の被害(ひがい)の実態が踏(ふ)まえられていないとして、被害者(ひがいしゃ)や支援者(しえんしゃ)が花を手に集まって抗議の声をあげる「フラワーデモ」が11日、東京・大阪・福岡の3都市であった。

 無罪判決は、福岡地裁久留米(くるめ)支部▽静岡地裁浜松(はままつ)支部▽名古屋(なごや)地裁岡崎(おかざき)支部▽静岡地裁--で出された。名古屋地裁岡崎支部では、当時10代だった実の娘(むすめ)に性的暴行をした罪に問われた父親の裁判で「(娘が)拒(こば)めなかったとは認められない」として、無罪が言い渡(わた)された。
 「フラワーデモ」の参加者らは、こういった無罪判決に抗議。被害者に寄(よ)り添(そ)う気持ちを示すために、花を持って集まり、次々とマイクを握(にぎ)った。大阪市北(きた)区には約250人が集まった。作家の北原(きたはら)みのりさんも駆(か)けつけ、「日本の法律は女性の視点を欠いてきた。判決はおかしい」と訴(うった)えた。福岡市でも約50人が「#MeToo」と書かれたプラカードを掲(かか)げて「性暴力のない世の中を」と訴えた。


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変わる食品表示ルール、来春完全移行/効果ない「機能性食品」も 薬剤師会の試験で判明/白から濃ピンクに花色が変わる「斑入りベニウツギ」。

2019-05-18 22:46:01 | ほん/新聞/ニュース
きょうは京都でWANの総会10周年のシンポに行ってきました。
シンポ後の懇親会は参加せずに日帰りです。

家の西の斑入りベニウツギが咲いています。

咲き始めは白から薄桃色になって、

徐々に花の色が濃くなっていきます。

葉は黄緑、白の斑入りで花色とのコントラストが美しい木です。



オキザリスの花もきれいなピンク。
  
白花大輪のクレマチス。
地植えではなく鉢植えです。
  
百日紅の新芽。


 

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  変わる食品表示ルール、来春完全移行 
2019年5月17日 中日新聞

 スーパーなどに並ぶ食品の表示が変わりつつある。二〇一五年に施行された食品表示法によって、添加物やアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)、栄養成分といった表記のルールが統一されたからだ。完全に実施されるのは来年四月一日だが、既に表示の方法を切り替えている企業も少なくない。食品選びの際、どんな点に注目すればいいのか。
 原産地を必ず示すことが求められるなど野菜や肉、水産物も含め食品の表示方法は全て変わるが、特に大きく変化するのは加工食品だ。これまでは原材料と添加物を区分することなく記していたが、二〇年の完全実施後は二つを明確に分けることが義務付けられる。
 至学館大(愛知県大府市)の小塚諭教授(65)=食品衛生学=によると、既に表示を切り替えている食品では、小麦粉、砂糖といった原材料と、乳化剤や酸化防止剤などの添加物の間に「/」を入れて分けている例が多いという。添加物の所で改行したり別欄にしたりする方法も。原材料名、添加物とも、使われている重量順に示すのがルールだ。「これらを見れば、コンビニで売られているソーセージ入りパン一つとっても、何種類の添加物を使っているかをメーカーごとに比べられる」と言う。
 アレルゲンの表示は、原材料や添加物一つ一つについて「大豆由来」「大豆・小麦を含む」などと記すのが原則。個別の表示が難しい場合は、一括して「一部に乳成分・大豆を含む」と書いてもいい。加えて、これまで「卵が使われているのは常識」として表記の必要がなかったマヨネーズなども、「卵を含む」などと厳密に記載することが求められるように。「アレルゲンだけを別欄にまとめて見やすくしている企業もある。その会社が食の安全に力を入れている姿勢の表れ」と小塚教授。商品を選ぶ時の判断材料にできそうだ。
 食品一袋分や一食分、あるいは百グラム当たりに、どんな栄養成分が、どれほど含まれているかを示すことが義務付けられた点も大きな変化だ。対象は、エネルギーとタンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウムの五成分。このうち、ナトリウムの量は、食塩相当量に換算して表示することが必要だ。厚生労働省では、食塩の摂取目標量を、男性(十二歳以上)は一日八グラム未満、女性(十歳以上)は七グラム未満と定めている。食塩相当量をしっかり見れば、健康管理の目安になるはずだ。
 食品を巡る事故が起きた際、それがどこで作られたものかという追跡もしやすくなる。製造者や製造所、所在地の明示が義務化されたためだ。小塚教授によると、背景には小売業者や流通業者が企画、販売するプライベートブランドの商品が増え、表示が「販売者」だけになっているものが少なくないことがある。
 製造者名の横にある「+AK」などは、メーカーが消費者庁に届け出た製造所固有記号。メーカーのどの工場で作られたかを示す。原則、同じ製品を二つ以上の場所で作っている場合に記す必要があり、電話番号など消費者の問い合わせ先を付すことも求められる。
 偏った食事などが原因となる国民的な生活習慣病が問題になっている今、食品表示の意味をよく理解し、健康管理に役立てることは非常に大事。小塚教授は「普段から表示に敏感になってほしい」と呼び掛けている。
 (出口有紀) 


 効果ない「機能性食品」も 薬剤師会の試験で判明
2019年5月14日 中日新聞

 健康の維持や増進が期待できるとされる、いわゆる健康食品。中でも、企業が論文など一定の科学的根拠をそろえて消費者庁に届け出るだけでいい「機能性表示食品」は1700種類に上る。手軽な分、口にする人も多いが、錠剤、カプセルなどが胃や腸で溶けず、成分が体内に吸収されない製品があることが、日本薬剤師会の試験で分かった。専門家らは「効果を過信しないで」と警鐘を鳴らす。
 「腸の状態を整える」「記憶力を維持」「美肌に導く」…。そうした働きがあると表示して販売されている機能性表示食品。二〇一五年に制度化された。業者が一定の科学的根拠を示して届け出れば、効果をうたうことができる仕組みだ。有効性や安全性を国が個別に審査、表示を許可するかどうかを判断する「特定保健用食品(トクホ)」に比べ、基準が緩いのが特徴。四月十七日現在、千七百八十五種類の届け出が公表されている(届け出後に撤回された分を除く)。
 日本薬剤師会の検査委員会が三年ほど前から調べているのは、体内できちんと溶けて崩れるかどうか。薬局などで手に入りやすい製品から二十一の食品を無作為に抽出。医薬品の品質を調べるのと同じように、体温と同じくらいに温めた水や体液に似た成分の液体に浸し、体が動くのと同じように振動を繰り返した。その結果、五つの製品は規定の時間内に崩れなかった。
 体内で溶けて崩れなければ、そのまま排出されるだけで成分は吸収されない。お金を出して効果のない製品を買っていることに。一方、崩れなくても一部が溶け出せば、錠剤やカプセルのコーティング剤や酸化防止剤などの食品添加物だけを取り続けてしまう可能性もある。
 規定の時間内に体の中で崩壊するかどうかを調べる義務は、本来、機能性表示食品にはない。消費者庁によると「サプリメント状のものは、事業者が自主的に調べることが望ましい」という程度だ。医薬品と同じ方法、基準で崩壊性を調べたことについて、検査委は「食品とはいえ、形は医薬品と同じ。しかも健康増進機能をうたうからには医薬品に準ずる品質が求められるべきだ」と指摘。「一律の基準がないため、粗悪品が含まれていても分からない」と警告する。薬剤師会は一月、結果を消費者庁に報告。日本医師会などへも情報を公開する予定だ。
 成分など機能性表示食品に関する情報は、消費者庁のホームページで見ることができる。だが、消費者がそれを基に、効果の科学的根拠を判断するのは難しいとの声も。国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター病理部長の小川久美子さん(55)は「買う時は、製造元が信頼できる会社かどうかを見極めることが大事。でも、まずは食べ物から栄養を取ることを心掛けて」と助言する。
 機能性を表示できる健康食品には、機能性表示食品とトクホのほか、栄養機能食品がある。検査委のメンバーで日本薬剤師会常務理事の村松章伊(あきよし)さん(71)は「健康食品を薬と同じように考え、医師が出した薬をやめる人もいる。決して病気を治療するものではない」と注意を呼び掛ける。
 (花井康子) 


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「戦争」発言 言論の自由とは言わぬ/維新丸山議員 言語道断の「戦争」発言/白い花たち~ナンジャモナジャ(ヒトツバタゴ)、エゴノキ、オーニソガラム

2019-05-17 21:19:54 | 花/美しいもの
日本ミツバチの待ち箱の前の、
ナンジャモナジャ(ヒトツバタゴ)が満開になりました。

細い糸のような花が木全体をおおうと、
雪をかぶったようです。

左から二番目には、昨夜のうちに、
事務所の蜜蜂の巣箱を引越ししました。



エゴノキの花も満開です。

台風で木が傾いていたので、花が咲き始めた時に
ロープで引っ張ってまっすぐにしてもらいました。

下向きに咲く白い花にはマルハナバチが蜜を吸いに来ています。
  


白い花びらのオーニソガラム「アラビカム」。
球根で増えるユリ科の多年草です。。

中心の真っ黒な鳥の目のような子房との黒のコントラストがすてきです。

お昼前にどっさり届いた寺町畑のイチゴ。
雨が少なくて味がよいです。

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 社説:「戦争」発言 言論の自由とは言わぬ 
2019年5月17日 中日新聞

 開き直るのはやはりおかしい。北方領土を戦争で奪還する、と言って、日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員。言論の自由を持ち出して辞職しない意向を示したが、筋違いも甚だしい。
 国会議員として許し難い暴言を吐きながら、居直って職にとどまることは言語道断だが、そんな議員に国会が毅然(きぜん)と対応できないのなら、国権の最高機関としての存在意義が厳しく問われる。
 衆院では丸山氏に対する議員辞職勧告決議案提出の動きが出ているが、丸山氏は提出された場合は「こちらも相応の反論や弁明を行う」と表明。与野党合意で審議に入れば「この国の言論の自由が危ぶまれる話でもある」として、可決されても議員辞職しない考えを重ねて示した。
 北方領土奪還には「戦争をしないと、どうしようもなくないですか」との丸山氏の発言は、自衛目的以外の武力の行使を禁じた国際法上認められず、憲法九条の戦争放棄と、九九条の国会議員の憲法尊重、擁護義務にも反する。
 にもかかわらず「言論の自由」を持ち出して議員の地位に恋々とするとは何事か。自らの発言の重大性に気付かない時点で、国民の代表たり得ない。辞職勧告を待たず、自ら進退を決するべきだ。
 国会議員の不適切極まりない発言は丸山氏にとどまらない。
 四月だけでも塚田一郎元国土交通副大臣が道路整備を巡り「安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相への忖度(そんたく)」を公言、桜田義孝前五輪相も「復興以上に大事なのは高橋(比奈子衆院議員)さん」と発言し、いずれも辞任した。
 自民党は今夏の参院選を前に失言を防ぐための注意事項をまとめた文書を党内に配布した。それほどの議員の質の劣化には暗澹(あんたん)とするが、口をふさぐより、政治家としての考え方の方が問題だろう。
 政治指導者による言動の影響も見過ごすわけにはいかない。
 安倍首相はしばしば「悪夢のような民主党政権」と発言し、野党側から反発や批判を受けている。
 選挙に向けて自民党内の奮起を促す意図があるにせよ、政治権力の頂点に立つものが穏当を欠く言葉を使い続ければ、それが当たり前となり、政治を巡る言論空間が荒れるのは当然だ。
 政治は言葉を駆使して理念や政策を実現する「可能性の芸術」でもある。「言論の自由」を持ち出せば、何でも許されるわけではない。言葉選びは、慎重の上にも慎重を期すべきは当然である。


  (社説)維新丸山議員 言語道断の「戦争」発言 
2019年5月15日 朝日新聞

 領土問題の戦争による解決を肯定するかのような言動は、平和国家・日本の国会議員として失格である。速やかに議員を辞職すべきだ。

 北方領土へのビザなし交流の訪問団に、「顧問」として同行した日本維新の会の丸山穂高衆院議員である。

 丸山氏は11日夜、国後島の宿泊施設での懇談の場で、元島民の団長に対し、いきなり「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」と切り出した。「戦争するべきではない」と否定されると、「戦争しないとどうしようもなくないですか」とたたみかけた。

 丸山氏は酒に酔っていた。東京に戻った後、「誤解を与える不適切な発言」として、謝罪・撤回をしたが、「不適切」というレベルを超えた問題発言であり、酒の上でのことと見過ごすわけにはいかない。

 憲法9条は国際紛争を解決する手段としては、戦争を放棄するとしている。北方領土を武力で取り戻すという選択肢は、そもそも日本の国是に反する。

 しかも、1992年に始まったビザなし交流は、領土問題の解決に向け、元島民らと北方四島に住むロシア人との交流を通じて両国の信頼関係を構築するための事業だ。そのような場で、戦争による問題解決に言及するのは非常識極まりない。

 丸山氏はルールに反して、夜間に外出しようともした。この交流事業は、日ロ双方の法的立場を損なわないよう、微妙な取り決めのうえに成り立っている。言動には細心の注意が必要なのに、顧問である議員自ら規律を乱すなどもってのほかだ。

 90歳近い元島民の団長は、からむように質問を続ける丸山氏に対し、「戦争はすべきではない」と何度も繰り返した。戦争によって故郷を奪われた悲痛な体験を踏まえた見識である。戦後生まれの35歳の丸山氏と、なんと対照的なことか。

 丸山氏はきのう日本維新の会に離党届を提出したが、党は受理せず、除名処分とした。党代表の松井一郎・大阪市長は「国会議員として一線を越えた発言だ」と批判し、自ら議員を辞職するよう促した。

 丸山氏は15年末、東京都内で飲酒した際、トラブル相手の男性の手をかみ、警察沙汰となったことがある。党から厳重注意を受け、議員在職中の禁酒を誓ったが、17年の総選挙後に「解禁」していたのだという。

 政治家としての見識を欠き、自らを律することもできないのでは、国会議員の資格がないと言わざるを得ない。本人は無所属で活動を続ける意向を示した。となれば、衆院として辞職勧告を検討すべきではないか。 


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キウイフルーツの雄花と花粉。スナップエンドウとサトウエンドウ/「半介護半X」で前向きに 農業、猟師、フットケア…

2019-05-16 23:14:10 | 花/美しいもの
キウイフルーツの雄木「早雄(そうゆう)」に花が咲きました。

キウイフルーツは、オスとメスが異株で、
オスの花の花粉が着かないと実がなりません。
ちょうどアップルキウイの雌花も開花。
ゴールデンイエローより花が大きいです。

まだメスの花のほうが多いので、
花粉とりをして人工受粉に挑戦してみましょう。



花粉とりは、咲く直前か咲いたばかりの雄花の、
採取した花弁と花糸を除いて、葯(ヤク)を採取します。

花糸の先についている黄色いものがヤク。

これが花粉かと思っていましたが、花粉をいれる鞘です。

この葯(ヤク)は、最初は閉じていて、
開くと花粉が出てきます。

葯を20~25℃くらいの暖かい環境に置くと、
一昼夜くらいで真ん中が割れて開きます。

花粉が飛ばないように葯ごと小さな容器に入れて、
慎重に咲いているメス花につけました。
花びらが落ちて実がふくらんでくれば受粉成功です。

庭にはシャガの花盛り

クローバーもあちこちに咲いています。

ピンクのお姫様「ヒメジョオン」。

寺町畑から、スナップエンドウとサトウエンドウが到来。
今年初めてのエンドウです。

サトウエンドウは筋を取って定番の卵とじに。

スナップエンドウは、そのまま茹でて食べるのがいちばんです。


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昨日の中日新聞生活面に「半介護半X」の記事がのっていました。
「半農半X」は地でいっていますが。
もう少ししたらわたしたちも「半介護半X」になるかも・・(笑)。

  「半介護半X」で前向きに 農業、猟師、フットケア… 
2019年5月15日 中日新聞

 介護の仕事をしながら別の分野でも働く「半介護半X」という生き方が、注目を集めている。「X」は、自分の好きなものや得意なことでもいい。介護との両立は大変そうに見えるが、実践者に聞くと、「両方とも大切なライフワーク」と前向きな答えが返ってくる。人手不足に悩む介護業界の一助になるだろうか。
 三月に東京で開かれた、介護や福祉のこれからを考えるイベント「おいおい老い展」で、参加者が「半介護半X」を取り上げた。
 富山県高岡市のケアマネジャーで社会福祉士の畑野充則さん(45)らのグループは各地で活動する実践者を紹介。「X」は猟師(長野県男性)、フットケア(富山県女性)、酪農(北海道男性)、ミュージシャン(福井県男性)と多彩だ。
 畑野さん自身もこの春から実践者となった。老人保健施設やデイサービスなどで通算約二十年、介護の仕事を続けてきたが、四月に実家で訪問介護などの事業所を設立。同時に「腰を痛める人が多い介護職のため、整体の技術を生かしたい」と、整体院も設けた。

 岩手県八幡平(はちまんたい)市の高橋和人さん(57)も実家を改装して介護施設を開き、親から引き継いだ農地も活用する。「人材不足の介護、後継者不足の農業。半介護半農は地域の介護と農業を生かす一つの道だと思う」
 高橋さんが理事長と統括施設長を務める施設は、デイサービスやグループホームなど五つ。計約二ヘクタールの水田と畑を持ち、コメや約三十種類の野菜を減農薬で育てる。利用者も農作業を手伝って各施設で食べたり販売したりする。利用者は農村で生きてきたお年寄りが多く、一緒に農作業すると元気になるという。
 職員約五十人のうち自宅で農業もするのは十人。午前中は介護、午後からは農作業といったふうにシフトを組んで両立している。
 グループホームの介護職員、工藤由里子さん(65)は午前六時半から十一時半まで施設で朝食や入浴介助を行い、午後は田んぼや畑に出る。「おばあさんがいるからと取っておいたヘルパー二級(当時)が役に立った。作ったコメや野菜がおいしいと言われたり、お年寄りから『ありがとう』と言われたり。両方にやりがいがある。私にはちょうどいい生活」と笑う。
 高橋さんは「規模を広げない農業なら、自分のペースを保って介護と同時に続けられる」と話している。

◆「一人多役」支え合う時代
 一九九五年ごろから「半農半X」を提唱している福知山公立大特任准教授の塩見直紀さん(54)は、「人口減少時代を乗り切るために、『一人多役』で支え合う世の中にすることは大切」と話す。
 塩見さんが提唱した半農半Xは、持続可能な農業のある暮らしを基本に置き、もう一つは個人の特技や好きなことを追求し世の中に生かすという考え方。「介護をベースにしてさらに自分だけのX、一人一人の個性を生かすような仕事や特技を持てば、相乗効果でもっと豊かな介護ができるのでは」と言う。手品や音楽が得意なら、その特技はお年寄りとの関係を深めるのに役立ち、介護の仕事で幅が広がる。
 中でも農業と介護の組み合わせについて、塩見さんは「自然と触れ合う農で癒やされ、人とつながる介護で癒やされ、自分自身を回復させられる」として、高齢化社会の生き方のモデルになると指摘している。
 (五十住和樹) 


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<働き方改革の死角>昼休み労働増加 残業減のしわ寄せか/バナナのような芳香「カラタネオガタマ ポートワイン」。田中ビワの実。

2019-05-15 22:08:54 | 花/美しいもの
家の西の日本みつばちの巣箱を見に行くと、
とても良い香りがします。
花がワインレッドの「カラタネオガタマ ポートワイン」です。

カラタネオガタマはバナナのような香りがするのですが、
花の色が濃いほど、芳香がも強いのです。

ポートワインより濃い紫色の花を咲かせる
「パープルクィーン」はこれから咲きます。
花の色が薄いほうが早く咲くようです。

フェンスのなかには、田中ビワの実が大きくなってきました。

その南下にはポット栽培のトマト。

稲の苗もすくすく育っています。


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  <働き方改革の死角>昼休み労働増加 残業減のしわ寄せか  
2019年5月13日  東京新聞

 正午から午後1時までの「昼休み」の時間帯に働く人が増えていることが、国の統計を分析した専門家の指摘で分かった。「働き方改革」で残業は減り、深夜に働く人は減少。ところが、そのしわ寄せが昼休み返上の仕事につながっている。 (池井戸聡)

 リクルートワークス研究所(東京)の坂本貴志研究員が、国が五年に一度行う「社会生活基本調査」の詳細を分析。二〇一六年に正午から午後一時までの時間帯に仕事をしていた人の比率は35・4%で、一一年(32・2%)より3・2ポイント増えていたことが分かった。

 この五年で深夜に仕事をしていた人は減少。だが昼休みの時間帯に働く人は増えた。なぜか。坂本研究員は「フレックスタイム制や在宅勤務の広がりで、この時間帯に働く人が増えた側面はある」と指摘。一方で「残業が減る中で仕事をこなすため、休憩すべき時間帯に仕事をさせられた人が増えたのでは」と強調した。

 労働基準法は労働時間が六時間超八時間以下の人に最低四十五分、八時間超の人に一時間の休憩を労働時間の途中に与えることを企業に義務付ける。違反した使用者には六月以下の懲役または三十万円以下の罰金が科せられる。

 だが残業を避けるため、昼休みに働かざるを得ない人が増えているのが実態のようだ。東京都内の大手損保で経理を担当するA子さん(42)は「働き方改革が言われだした三年ほど前から上司への申請が必要になり残業しにくい。だからお昼に働く」と告白。「時間がないのでいつもお弁当を十分以内に食べる。早く食べ終えるため、ご飯も少なめでつくる。トイレを我慢し働く日もある」と打ち明けた。

 働く人からすると、残業が減っても昼休みに働くなら長時間労働は変わらない。昼休みなどの休憩時間なく働かせるのはそもそも違法なため、残業手当(通常の25%増しで支給)もなく、全くの「タダ働き」となる。

 坂本研究員の分析では、昼休み以外にも働く人の比率が増えた時間帯が二つあった。一つは午前六~八時。残業を避けるため始業前に働く人が増えた可能性がある。午後三時~三時十五分も微増。坂本研究員は「『三時の休憩』を廃止する企業があったのでは」と推察する。

 休憩時間返上で働く人は今後、増える恐れも。四月から大企業を対象に残業上限を月百時間未満などと規制する法律がスタート。企業は昼休みを「抜け道」に使いかねない。

 残業規制は中小企業には来年四月からの適用で一年の猶予があるのも盲点。大企業が仕事を下請けに回せば、そこで働く人は「昼休み労働」を迫られる懸念も強まる。

 日本労働弁護団事務局長の岡田俊宏弁護士は「残業規制を守ると同時に休憩時間を与えるのは企業の義務。人員体制整備とともに労使で無駄な会議や仕事がないか点検することも重要」と話す。

<社会生活基本調査> 国民の生活習慣の変化などを調べるため、総務省が5年に1度行っている調査。直近は2016年10月の実施で10歳以上の約19万人が回答。このうち勤労者約6万人に特定日の生活時間配分を尋ねる調査は1日24時間を15分単位に分け、その時間帯に何をしていたか質問。回答者は「睡眠」「食事」「仕事」など20の選択肢から答えを選んだ。


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町村議会議員/なり手不足解消は正攻法で/地方選の低調 再統一検討してみては/女性の政界進出 政府目標達成には程遠い

2019-05-14 21:24:19 | ほん/新聞/ニュース
道のしたに受咲き大山レンゲが咲きました。
美しい大山レンゲの花は、うつむき加減に咲くので、
花が見えにくいのですが、上向きに咲く受咲き品種は、
花の咲く様子が蕊まで全部きれいに見えます。

開花してすぐはまっ白で、黄色くなって花びらが落ち、
真ん中のしべだけが長く残ります。
  
ふっくらしたつぼみから花が開く様もかわいいです。
  




畑に降りる坂の横に咲く紺ロウバイ。

ブルーベリーは花が終わって実が太り始めました。

  
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後半は、
4月の統一地方選を検証した記事を
三本紹介します。

  社説:町村議会議員/なり手不足解消は正攻法で
019年05月13 河北新報

 「選挙カーの運行は初日、中日、最終日の3日間だけ」。先の統一地方選で実施された北海道の月形町議選(定数8)では、立候補した9人のうち8人がこんな申し合わせをしていたという。
 選挙運動も人手不足か、あるいは地縁血縁頼りの選挙に遊説など無用と開き直ったか。いずれにせよ急速に活力を失いつつある地方議会の一断面ではある。
 地方議員のなり手不足があらわだという。自治体の規模が小さくなればなるほど深刻で、統一選では東北も35町村議選のうち10町村議選が無投票になった。
 有権者が選択の機会を奪われるのは確かに問題だ。議員も信任を得ないで住民の代表を名乗るのは気が引けよう。
 全国を見渡すと、後継を見つけられずに責任を感じた高齢の現職がやむなく引退を撤回したケースもあった。
 ただ、こうして無投票を回避したとしても、定数を1、2上回る程度の選挙戦では盛り上がりを欠き、今度は低投票率が問題になる。
 議員定数は地方自治法で昔から自治体の人口規模に応じて定められているのだから、ここに来てのなり手不足は人口減が原因ではない。
 政権選択の国政選挙と混同して政党の関与強化を求める意見もあるようだが、選挙戦を盛り上げるためだけに、地域課題を話し合う地方議会にイデオロギー対立を持ち込むのは根本的に間違っている。
 選挙のときだけ議会の体面を取り繕おうと奔走したり、もっともらしく嘆いたりするのは、もうやめたらどうか。無投票や低投票率に特効薬はない。むしろ4年の任期に意を注いだ方が有益だろう。
 議員のなり手不足の一因に報酬の低さを指摘する声もある。全国町村議会議長会の調査によると、町村議員の平均報酬は月額21万5000円。これでは家族を養って生計を立てられない、とされる。
 しかし一方で、定例会出席など町村議員の義務的拘束は平均で年間60日に満たない。財政的に報酬引き上げが難しいのなら、報酬に見合った活動を工夫すればいい。
 例えば北海道福島町議会では、傍聴席の住民による意見表明が日常の風景として定着している。これなら議員が住民の意見集約に時間を費やす必要もない。何より住民の議会参加を実現できる。
 報酬の枠内で議員活動の実を上げる議会なら、おのずと住民の関心を集め、議員を志す住民も増えると信じたい。
 総務省は今、議員のなり手不足を逆手に取って町村議会の権限縮小を画策している。地域の自治が危機にひんするという意味では、実はこちらの方が相当に問題だ。
 冒頭で紹介した月形町議選は、遊説自粛の申し合わせに加わらず、街頭で地道に地域課題を訴え続けた女性候補がトップ当選した。当然と言えば当然の結果である。 


  (社説)地方選の低調 再統一検討してみては  
2019年5月5日 朝日新聞

 先月の統一地方選であらわになったのは、変わらぬ低投票率と無投票当選の増加である。
 投票率アップやなり手不足の解消には自治体の努力と工夫が欠かせないが、それだけでは限界もある。すべての自治体の首長・議会選挙を一斉に行う。今回は27%だった統一率を再び100%に戻すといった抜本的な改革を考える時ではないか。
 前半の11道府県知事選の平均投票率は47・72%で前回よりやや持ち直した。一方、41の道府県議選をはじめ、後半の市長選、市議選は50%を割り、多くの選挙で過去最低を記録した。1950年代をピークに右肩下がりの傾向が続いている。
 低投票率の根本的な原因は、地方自治の活力の低下だろう。政府主導のお仕着せではなく、地域の実情にあった政策を打ち出し、賛否や成果を問う。こうなれば住民の関心はおのずと高まるはずだ。府知事と市長を入れ替えて「クロス選」に打って出た手法は決して是認できないが、大阪で「都構想」への注目が投票率を押し上げたのは間違いないだろう。
 鳥取県知事や総務相を務めた片山善博・早大大学院教授は、自治の再活性化に加え、すべての選挙を11月にずらして再統一し、4年に1度に固定することを提唱している。
 年度の始まりの4月に当選した知事や市町村長は、前任者がつくった予算での自治体運営を強いられる。首長選がある年は暫定的な当初予算が組まれるとはいえ、その後に新首長が使える財源はごくわずかというケースもある。自らの経験から、11月選挙なら翌年度の予算案づくりに最初からかかわることができ、メリットは大きいという。
 再統一すれば有権者の関心は高まり、政党が財政や分権など地方がらみの政策に本腰を入れる効果も期待できる。
 首長選を4年に1度に固定し、任期途中の辞職などの際は選挙時にあらかじめ指定しておいた副知事や副市長らが残り任期を務めるようにすれば、突然の選挙を避けることもできる。準備不足の候補者による短期決戦では、政策は二の次で知名度頼みの選挙になりやすい。時期を固定すれば、各候補者がじっくり練った政策を競い合って選挙の質を高めることができるし、今回の大阪のように現職側が有利な時に選挙を設定できる不公平も防げる。
 片山氏は任期を少しずつ延長して四半世紀ぐらいかけて11月に集約してはと提案している。法改正が必要だが、合意が得られれば、もう少し短い期間での集約も可能だろう。大胆な提案だが、手をこまねいてばかりいるよりは検討するに値する。


  社説:女性の政界進出 政府目標達成には程遠い
2019/04/26付 西日本新聞

 「政治分野の男女共同参画推進法」が施行されてから初めての統一地方選で、女性の政界進出はどの程度進んだのか。やや前進とは言えよう。だが、まだまだ物足りない。
 41道府県議選の女性当選者は過去最多だったが、全当選者の約1割にすぎない。九州7県議選は全国水準を下回った。
 全国294市議選の女性当選者も前回より増え、改選定数全体に占める女性の割合は18・4%と過去最高を記録した。全国で唯一、市制施行から約60年間、女性議員がいなかった鹿児島県垂水市の市議選で初めて女性が当選した。政治の世界に向けて女性の背中を押す風が、九州でも吹き始めたのだろう。
 とはいえ、2020年までに指導的地位に占める女性割合を3割にするという政府目標の達成には程遠い。女性の政治参加は道半ばと言うほかない。
 市民が議員になろうと思い立っても、多くは政治に関する知識や選挙戦のノウハウに疎く、資金面の壁も立ちはだかる。
 女性政治家が党派を超えて協力しセミナーなどを通して女性の政治参加を後押ししている。共同参画法は候補者を男女均等にする努力義務を政党に課している。政党は女性候補を公募するだけでなく、育成や資金援助など、きめ細かい施策で女性議員増に取り組む必要がある。
 男性中心主義が定着している議会の在り方を、女性が存分に能力を発揮できる場に変えていくことも大切なことだ。
 国、地方を問わず政界では、女性政治家に対する隠微なセクシュアルハラスメントの存在が指摘されている。労働界と歩調を合わせ、セクハラ対策の強化を急ぐべきだ。
 妊娠・出産した場合の対応も課題である。女性に限らず、育児や介護などの事情を抱える議員が働きやすい環境を整えるべく、議会は会議規則の見直しなどに取り組んでほしい。
 世界経済フォーラムが昨年末に発表したジェンダーギャップ(男女格差)の小ささに関するランキングによると、日本は政治分野では149カ国中125位と「男性優位」が際立った。
 この夏には参院選が行われる。立憲民主党をはじめ野党が女性候補の擁立に積極姿勢を示す一方で、与党・自民党の動きは鈍い。率先して共同参画法の理念を具体化することこそ、政権党の役割ではないか。
 多様な市民の価値観や意見を政策に反映させる上で、男性が圧倒的多数を占める議会構成の現状は不自然でいびつである。
 私たち国民も意識改革を求められている。「政治は男の仕事」という古い通念は、平成を最後に捨て去ってしまいたい。
=2019/04/26付 西日本新聞朝刊= 


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また日本蜜蜂の分蜂群が入った!自然入居は三つ目。/涼しげなブルーの丁字草、黄色のホウチャクソウは咲き終わり。

2019-05-13 21:49:41 | ニホンミツバチ
昨日15時前。突然、ゴオッーというような羽音とともに
ミツバチの群れが裏山から降りてきました。



お目当てのキンリョウヘンのネットに蜂球をつくったのはよいのですが、
なかなか箱のなかに入ってくれないのでヤキモキ。

近づいても嫌がる様子もないので、
アップでミツバチを写しました。

女王蜂がまだ外にいるのでは?と探したのですが、
見つからないので待ち箱のなかに入ったようです。

夕方には、花につく蜂はだいぶ少なくなりました。

一夜明けて、ミツバチたちは落ち着いて、
花粉集めに出かけています。
キリョウヘンを移動してスダレをかけました。

先に入った西の巣箱。強群です。
たくさんの蜜蜂が花粉を運んできます。


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きょうも日中は気温が高かったので、
いちばん東にまた日本ミツバチの分蜂群が入るかと思って、
見ていたのですが・・・残念。
夕方には雨が降り始めました。


涼しげなブルーの丁字草の花。

黄色のホウチャクソウはもう咲き終わりです。

カエデの新緑。




キンリョウヘンはカエデの下に移しました。



裏山は、黄金色のツブラジイの花が満開です。

この地方のニホンミツバチの分蜂は、
「山が黄金色に染まるころ」のようです。

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性被害「正しく裁かれる社会を」250人、無罪に抗議/母の日のプレゼント

2019-05-12 22:17:53 | ほん/新聞/ニュース
朝からあたたかくてよいお天気。
今日も分蜂日和なので待ち箱の見張り。
お昼すぎに健さんと子どもたちが、
母の日のプレゼントを持って訪ねてくれました。
袋の中に赤いものが見えたので、
一瞬、お花かな、思ったのですが、
生花ではなく造花でつくった赤いウサギさんでした。

午後には、日本ミツバチの一群が羽音を立ててやってきて、
西から3番目のいちばん大きなキンリョウヘンの待ち箱に蜂球を作りました。
日が暮れるまでには少しずつ待ち箱の中に入ってくれて、
ぶじ入居を完了したようです。

夕方、まど君たちが、母の日のプレゼントに
イチゴを摘んで持ってきてくれました。

ミツバチの3群目の入居のお祝いを兼ねて、
白ワインで乾杯。
イチゴは、大きくて甘くておいしいです。

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  性被害「正しく裁かれる社会を」 250人、無罪に抗議
2019年5月11日 朝日新聞

 なくならない性暴力と、性犯罪に対する司法判断に抗議するデモが11日、大阪市北区であった。女性を中心に約250人が集まり、女性の意思に反した性交にもかかわらず相次ぐ無罪判決の不当性を訴えた。

 被害者に寄り添う心情を花で表現する「フラワーデモ」。花柄の洋服を着たり、生花を手にしたりした参加者が次々とマイクを握り、自身の被害経験や無力感、憤りを語った。呼びかけ人で作家の北原みのりさんは「合意があったと男性が勘違いしたから無罪になる。さっぱりわからない。裁判官のジェンダーの視点を問い直したい」と訴えた。

 花柄のスカートを身につけた大阪府の40代女性は、人生で初めてデモに参加した。7年前まで同居した元恋人が当時中学生の長女に性交を強要し続けていたことを、昨年、長女から明かされた。全く気づかなかった自分を激しく責めつつ、警察に告訴。元恋人は事実を認めて逮捕されたが、当時の日記など物的証拠がなかったため強姦(ごうかん)罪(現・強制性交罪)ではなく児童福祉法違反で起訴されたという。現在、公判中だ。

 長女は「拒否したら行き場がない」「お母さんに言っても困らせるだけ」と口をつぐんできた。しかし結婚・妊娠を機に「罪が正しく裁かれる社会なのか、おなかの子どもに見せたい」と被害を訴え出たという。

 遠方で暮らす長女はデモに参加できない。女性は「自分一人で何かを変えられるわけではないが、何かを変えられるかもしれない。その気持ちでここに来ました」と語った。

 フラワーデモは先月、東京で開催。主催者によると、この日は大阪のほか、東京や福岡でもデモがあった。今後も毎月11日に各地で開催するという。(机美鈴)


  性犯罪「無罪判決」相次ぐ 「判断には被害者心理の理解が不可欠」専門家が訴え
2019年05月12日 弁護士ドットコムニュース

今年3月、性犯罪が問われた裁判の一審で、無罪判決が相次いだ。最初に報じられたのは、テキーラを一気飲みさせられた女性に対し男性が性行為に及び、準強姦罪で起訴された事件。福岡地裁久留米支部は3月12日、男性を無罪とする判決を下した。

その後も、全国で3件の無罪判決が続いたことから、ネット上では判決への批判が高まり、性犯罪の刑法改正を求める署名活動がスタート。5月11日には東京、大阪、福岡で性暴力と性暴力判決に抗議する「フラワーデモ」も行われた。

「無罪判決」はなぜ続いたのか。性暴力の被害者支援や、被害者や加害者の臨床に携わっている専門家が登壇するシンポジウムが5月9日、東京都千代田区の日比谷図書文化館で開かれた。イベントでは、被害者支援の立場から考えた裁判のあり方が話し合われ、専門家からは、性暴力を受けた被害者がどういう状態に陥るのか、その後も続く苦しみや恐怖を知ってほしいという意見が交わされた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

●今年3月で4件の無罪判決
今回のイベントで話題となったのは、次の4件の無罪判決だ。

【3月12日・福岡地裁久留米支部】 テキーラを一気飲みさせられた女性に対し男性が性交に及び、準強姦罪で起訴された裁判。報道などによると、判決では女性が抵抗できない状態だったことは認定したものの、女性が性交に同意していると男性が誤信する状況だったとして「故意」を認めず、男性に無罪判決を下した。

【3月19日・静岡地裁浜松支部】 40代のメキシコ国籍の男性がコンビニ駐車場で声をかけた面識のない20代女性に対して、強制性交し、けがをさせたとして、強制性交致傷の罪に問われた裁判。判決では、女性が「頭が真っ白になった」ため、抵抗できなかったという検察の主張を認めたが、男性からみてわかる形で女性が抵抗を示していたとはいえず、「故意」は認められないとして、男性に無罪判決を下した。

【3月26日・名古屋地裁岡崎支部】 父親が19歳の娘に対する準強制性交の罪に問われた裁判。長女が中学2年生の頃から頻繁に行われていたといい、長女が服を脱がされないように抵抗したところ、父親からこめかみのあたりを数回拳で殴られたり、太ももやふくらはぎを蹴られた上、背中を足で踏みつけられたりしたこともあった。判決では、長女の同意はなく、抵抗し難い心理状態だったと認めつつも、父親に服従せざるを得ないような強い支配従属関係にあったとは言えず、「抗拒不能だったとはいえない」として、無罪判決を下した。

【3月28日・静岡地裁】 父親が当時12歳だった長女に対し、2年間にわたり性行為を強要していたとして、強姦などの罪に問われた裁判。判決では、長女の証言が変遷したことや、7人家族で同居していた家族が誰も気づかなかったというのは不自然であることから、被害者の証言が信頼できないと判断、無罪判決を下した。なお、父親が携帯電話に児童ポルノ動画を所持していたとする罪については、罰金10万円の有罪判決だった。

●加害者にある「認知の歪み」、背景には女性蔑視の価値観も
この日開かれたイベント「「強制性交等罪―続く無罪判決から問題点を考える―」ではまず、加害者の臨床に携わっている精神保健福祉士で、大森榎本クリニック・精神保健福祉部長、斉藤章佳さんが、これらの判決について、再犯防止プログラムに取り組む性加害者30人にヒアリングした結果を報告した。

斉藤さんは「性加害者には認知の歪みがあります。加害者は刑事手続の段階で罪を軽くしたいと考え、被害者に与える影響を考えずに自己中心的な捉え方をします」と指摘。ヒアリングの中では、静岡地裁浜松支部の判決に対し、「真っ先に、『被害者に落ち度があったのでは…』と感じてしまった」といった反応があったと紹介した。

しかし、ある加害者からは、静岡地裁の判決について「長女の証言が変遷するのは明らかにPTSDの影響」といった被害者に寄り添った回答が得られるなど、再犯防止プログラムの効果もみられたという。「性加害者はその(加害の)瞬間で終わり、被害者についても覚えてないことがあるが、被害者にとっては、その後もずっと影響は続きます。その後を知ることで、想像力を働かせることができる」とした。

斉藤さんは、ヒアリングの結果からあらためて、「性暴力は決して被害者の責任ではない。加害者の責任であり、加害者には再発防止責任がある」とし、刑事裁判とは別に、責任のとり方をどうするかが課題だとした。また、「彼らは性犯罪者として生まれたわけではなく、社会の中で学習して犯罪者になる。前提としての価値観である男尊女卑や女性蔑視を変えていかなければなりません」と語った。

●気づいたら抵抗できない状態で行われる家庭内の性的虐待
また、被害者に寄り添って活動をしている臨床心理士で目白大学講師、斎藤梓さんは動画中継で参加した。「被害者支援の視点から考える裁判」として、判決でも判断のポイントとなった被害者の「抵抗」や、「抗拒不能」について、最新の臨床研究から知見を述べた。

まず、被害者は、見知った人からの加害だった場合など、それが性被害であると認識できない場合も多く、認識できなければ抵抗も困難であるとした。また、親子間などの関係性の中では、被害に対して抵抗できないことが特徴と指摘。加害者は日常生活の中で上下関係を作り、被害者をおとしめて弱体化させ、逃げ道をふさいで性交を強要するとした。

「家庭内で起きた性的虐待は、家庭内暴力があったり、家族が人質に取られていたり、気づいたら抵抗できない状態で行われることが多いです。加害者からは秘密にしろと言われ、継続すればするほど、開示が難しくなります。がんばって抵抗や開示を試みても失敗すれば、無力感に陥り、ますます抵抗できない状態になります」と斎藤さん。

その上で、裁判で「抗拒不能」と判断するには、心理学や精神学的な知見、被害者の心理の理解が不可欠であると指摘した。「もし被害者の抗拒不能を否定するのであれば、それなりの根拠を持ってほしいです」と訴えた。

●19歳の長女に性交をしていた父親はなぜ無罪になったのか
最後に、性被害にあった女性を支援している立場から、上谷さくら弁護士がそれぞれの判決を解説、その問題点を指摘した。「3月は判決が多く出される時期ではありますが、有罪率が99%を超えると言われる日本の刑事裁判で、1カ月に報道されているだけで、性犯罪の裁判が4件も無罪判決となれば、被害者支援の立場からは、こころ穏やかではありません」として、「性犯罪の場合は、法律の要件がとても厳しいです。背景として、そもそも法律の定め方に問題点があるかもしれません」と述べた。

そのうち、19歳の長女に対する準強制性交罪に問われた父親が無罪となった判決(名古屋地裁岡崎支部)については、次のように疑問点を指摘した。

「裁判所は『抗拒不能とまではいえない』という判断をしていますが、その際に精神科医による被害者の精神鑑定をしています。精神科医は、『性的虐待などが積み重なった結果、被害者は抵抗しても無理ではないかという気持ちになり、被告人に抵抗できない状況だった』としました。

裁判所は、この判定を信用が高いと認めましたが、法律判断としての抗拒不能に関する判断をなんら拘束するものではないとして、この意見を採用していません。専門家の意見は扱いが難しく、医師の意見は絶対的なものではないですし、裁判所の判断が別であるということはその通りです。ただ、高い信用性を認めながら、なぜ採用しなかったのかという説明が判決文を読み限り、不十分だし不合理だと思いました」

上谷弁護士によると、これら4件の無罪判決のうち、静岡地裁の裁判をのぞいて3件が控訴されたという。

●無罪判決をめぐる「感覚のズレ」が話題に
続くパネルディスカッションでは、一般人と判決との「感覚のズレ」が話題になった。上谷弁護士は、友人に「なぜ、娘をてごめにした父親が無罪なんだ」と聞かれたという話を披露、「これが一般国民の感覚なんだと思います」と話した。

質疑応答では、会場の一般参加者から、「今回の無罪判決は、法曹界ではどのように受け止められているのでしょうか。ネットを見る限りでは、無罪判決を批判する人を批判する弁護士がかなりいたようです」という質問があった。

これに対し、上谷弁護士は、「被害者支援を熱心にやっている人は、相当色々なことを思ったはずです。(一部の弁護士から)被害者や支援をしている人たちに対するバッシングが起こり、なぜ被害者や支援者の意見に耳を傾けることができないのだろうかと思いました」と答えた。

また、「被害者が裁判を起こしても、司法に認知の歪みがあったら救われません。法曹界の人たちはなぜ、一般人、被害者の感覚とズレているのでしょうか。これを変えるためにはどうしたらいいでしょうか」という質問も寄せられた。

上谷弁護士は、「現在の刑法が改正された際の付帯決議で、検察、警察、裁判官は被害者について勉強しなさいと言われ、一生懸命取り組んでいると思います。ここ数年で、裁判官も劇的に変わったと思われる部分もあります。裁判所も私を研修に呼んでくれます。『どこで先生が怒っているのかを聞きたい』と言ってくれますね。自浄力があると思います」と期待を寄せていた。
(弁護士ドットコムニュース) 


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