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熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

米国知財セミナー

2008-07-15 21:39:52 | Weblog
大手法律事務所が主催するセミナーに参加してきました。

「Quanta Computer,Inc. 対 LG Electronics,Inc.事件の最高裁判所判決がビジネスおよび法務に与え得る影響」と題して、3人の弁護士が講演をしました。

この事件で論点となったのは、①消尽論または「ファースト・セール・ドクトリン」、②黙示のライセンス理論、③条件付販売です。

何れも今後の裁判に影響を与えるものなので、実務家はしっかり勉強しておかないといけません。

今回の講演を聞いて、私が誤解している点がありました。
それは、「消尽論」と「黙示の許諾論」との関係です。

BBS事件で最高裁は、国際消尽論を採用せず、黙示の許諾論を採用したと考えられています。
私は、「国際消尽論」と「黙示の許諾論」とは二者択一的なもので、最高裁判決により、国際消尽論は日の目を見ないものと考えていました。

しかし、Quanta事件で、黙示の許諾論で判断して事案の妥当な解決が図られる場合は黙示の許諾論で、妥当な解決が図られない場合は、消尽論を採用して解決するという考えが取られているようです。

考えてみれば、BBS最高裁判決も、事案の解決に適した「黙示の許諾論」を適用したもので、黙示の許諾論では妥当な解決が図られない場合は、消尽論を適用したのかも分かりません。

そうすると問題となるのは、「消尽論」の適用要件と「黙示の許諾論」の適用要件との相違が何かを明確にすることです。
明確にし過ぎると、結果の予見可能性は高くなりますが、事案の柔軟な解決ができなくなる虞がありますので、グレーゾーンは残すほうが良いでしょう。

これも論文のテーマとして魅力的ですね。


この法律事務所のセミナーは、魅力的なテーマが多いので、なるべく参加するようにしています(参加料が無料で、休憩時間にコーヒーとケーキがサービスされるのも魅力です)。

次回のテーマは何か、楽しみです。



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コメント (2)
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