熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

クアルコム、ノキアとの特許紛争で和解合意

2008-07-25 23:19:43 | Weblog
クアルコムとノキアは、2001年に特許権使用についての契約を締結しましたが、2007年4月に契約が満了し、その後は両社間で訴訟合戦が続いていました。

その訴訟合戦もいよいよ終結となりました。
個人的に両社の戦いを興味深く見ていましたので、和解の内容が気になるところです。

新聞報道によると、「合意の対象となる通信規格には、世界で普及しているGSMのほか、EDGE (GSM規格をベースとしたデータ伝送技術)、CDMA(符号分割多元接続)、W-CDMA(広帯域・符号分割多元接続)、HSDPA(W-CDMAの高速データ通信規格)、OFDM(地上デジタル放送などの伝送方式)、WiMAX(ワイマックス、長距離伝送が可能な無線通信規格)、LTE(HSDPAをさらに進化させたもの)などが含まれる。
新たな合意は15年間にわたるもので、ノキアは、同社のモバイル機器や、ノキアと独シーメンスとの合弁会社であるノキア・シーメンス・ネットワークスのインフラ機器に、クアルコムのすべての特許権を使用するライセンスを得た。
 さらにノキアは、自社の特許権をクアルコムに直接対抗する形では使用せず、クアルコムがノキアの技術をクアルコム製チップセットに取り入れることができるようにした。
 和解合意では金銭面について、クアルコムに前払い金を支払い、その後は特許権使用料を支払うこととなった。」とあります。

「ノキアは、クアルコムのすべての特許権を使用するライセンスを得て、ノキアは、自社の特許権をクアルコムに直接対抗する形では使用せず、クアルコムがノキアの技術をクアルコム製チップセットに取り入れることができるようにした。」

この記事によると、クアルコムは、自社製品の製造販売についてノキアから特許権侵害の訴追を受けないと言う、製品対象ライセンスを許諾されたと言うことでしょうか。

ノキアが2008年にクアルコムに支払う特許権使用料は約6億ドルになるという算出予想もされています。

この金額、安いのか高いのか、通信ビジネス市場規模から考えると、安いのかも知れません。

何れにしても訴訟合戦が和解で終了したことは、両社にとって良いことです。
特に、知財担当者はホットしていることでしょう。
訴訟の大変さは経験者でなければ分かりませんが、寿命が短くなるようなストレスです。

個人的に気になるのは、この和解で、両社の弁護人はどの程度の報酬を得たのでしょうか。
天文学的な報酬でしょうね。

人様の懐を気にしても仕方のないことですが、それにしても気になる。



ブログランキングに参加しています。よろしければ、以下のURLから投票して下さい。
日記@BlogRanking


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする