熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

知財教育

2016-03-25 08:45:45 | Weblog
企業内研修では知財教育の重要性が認識されていますが、大学教育ではまだ道半ばというところですね。

日本企業は「技術で勝って、事業で負ける」といわれて久しいですが、国際市場で苦戦している日本企業は、知的財産戦略として“オープン&クローズ戦略”という高度な戦略を採り入れて対応しているケースが多いのが現状です。

その知的財産戦略を担う人材が、企業の事業戦略を練る高度な専門家に留まっている点が、日本の大きな課題といえます。

学生が企業に就職すると、特許や実用新案などの基礎を社会人として社内研修で初めて学び、1~2年間で特許出願などの業務に対応しています。

最近は知的財産戦略の重要性を意識し、東京理科大学大学院、大阪工業大学大学院、日本大学大学院の3大学院では、知的財産についての専門職大学院として教育態勢を整えています。

このように大学院では、知的財産の専門職を養成する教育が拡充されているのに対して、大学生時代に知的財産の教育を受ける機会は、日本ではほとんどないのが現状です。

こうした実態を打破しようと、山口大学は、3年前の2013年度から全学部の1年生約2000人に知財教育を必修科目としました。

現在のところ、全学部学生にカリキュラムとして知財教育を教えているのは、山口大学だけだそうです。

日本の各大学・大学院では、何らかの講義の一部として、特許庁などの知的財産の専門家を招いて、特別講義を実施していれば、いい方で、その理由の1つが、日本では知的財産教育の一般向けのカリキュラムや教材がほとんど確立されていないからであるといわれています。

私も企業の知財コンサルタントとして技術者教育を行っていますが、あくまでも基礎的な教育にとどまっているのが現実です。

一部の大企業は体系的な知財教育を実施していますが、大半の企業、特に中小企業は専門家不足に悩んでいますね。

企業の実情がこのようなものですので、大学はもっと深刻でしょうね。

私も大学の知財教育のお手伝いをしたいのですが、なかなかお呼びがかからない。

企業の知財業務を経験した弁理士は、企業活動に有効な知財教育が実施できるのですが。

大学関係者の積極的な弁理士活用をお願いしたいですね。







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