
久しぶりに悠創の丘に行った。あたりはすっかり夏の装いである。若竹が大きく伸びて、竹林のなかで一番高くなっている。葉は黄色くなって、散り始めている。竹の秋である。若竹は、この落ち葉を栄養にして、さらに大きく葉を繁らせるのだ。生命の継承には、その生物ごとに特有のロマンを秘めている。
竹の秋狐が庫裡をうかゞひぬ 沢田 緑生

春に目を楽しませてくれた桜は、実を熟させている。黒く艶やかな実に、青空が写りこんでいるのは、この実のなかに宇宙を孕んでいるかのようだ。思わず一粒を口に含んでみた。ほろ苦い甘さが口のなかに広がっていった。子どものころ、桜の木登りをして遊んだとき、この実を食べたことが思いだされる。
桜の実紅経て紫吾子生る 中村草田男
今年の梅雨も、雨は局地的である。九州や四国で、雨の被害が出ている。こちらは、どちらかといえば、空梅雨。野菜畑には、もう少し雨が欲しいが、贅沢というものであろうか。

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