卯の花といえば、佐々木信綱が作った唱歌を思い出す。
卯の花の匂う垣根に
ほととぎす早も来鳴きて
忍び音漏らす
夏は来ぬ
卯の花は別の名はウツギである。木の髄が空洞になっていることから、空木と呼ばれる。この唱歌にもあるように、ホトトギスと卯の花は並べて詠むことが、ほとんど慣わしになってきた。写真の花はタニウツギ、この地方ではガザ花とも呼ばれる。この花が咲けば、ワラビの最盛期である。山の近くに住む人は、この花をワラビ取りにいく目印としてきた。
卯の花には、種類も多く、垣根に咲くものは芳香を放つが、なかには悪臭のものもある。正岡子規が、俳号に子規(ホトトギス)を用いたのは、肺病で喀血したことがきっかけとなった。ホトトギスが鳴くとき、ちらりと見せる舌が血を吐いたように赤いからである。
卯の花をめがけて来たか時鳥 子規
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