畑のお隣さんから甘柿をいただいた。「奥さんは変わりないかね。甘柿でおいしいからコタツで食べな」といって渡してくれた。ビニール袋に重たいほどの量である。住宅は集合住宅だから、同じ階のの人でも、ひと月以上も顔を見ないことも珍しくない。少し離れたところにある畑では、作業の繁忙期には毎日のように顔を合わせる。畑を始めて5年以上も経っているので、隣の住人よりも話す機会が多い。畑の冬じまいになると、収穫の品を分け合ってさらに誼を通じあう。
柿一顆眺め飽かざれば癒えにけり 水原秋桜子
手で皮を拭いてそのまま口にする。ほんのりとやさしい甘さだ。大きな種がほろりと落ちる。昔食べた懐かしい味である。庄内柿などのブランドに押されて、この甘柿はほとんど市場にはでない。人での足りないところでは、木につけたまま、鳥の餌にしてしまうのも珍しくない。きのう車のタイヤを冬用に換え、雪の前の時期に心温まる贈りものであった。
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