今年の登山もいよいよお仕舞いになる。先月、私が参加しない関山旧道の山行で、落石によるトラブルがあったものの、大過なく一年のシーズンが終了しようとしている。今日は、山寺の裏山へ登る。ピークは550m、400mから上は積雪になっている。50cmほどだが、カンジキを履いて登る。雪の予報であったが、朝方は日がさす。ただ、気温は低い。木に着いた雪が、気温の低さを物語っている。推測だが、明け方は-5℃、登山じでも-3℃ぐらいのような気がする。
有名な山寺の展望台のある天狗岩や奥の院は、この尾根道のすぐ右下にある。あの階段を登ったことのある人なら、この尾根道の下は急勾配の崖や岩場でそこへ行くことはできないことが分かる筈だ。尾根筋には所々に祠があり参拝した形跡もある。その上、根本中堂の裏手から回ってこの尾根筋に出られるらしく、目印や踏み跡らしきものもある。見慣れた観光地の山寺でも、山中は踏み跡のような道は雪に埋もれ、地元に住む人でなかれば、迷うことも考えられるのでわき道へ入ることは避ける。
550のピークの先には、別の尾根が走っていてそこへ登るには、かなりの急登と雪と薮が遮っているので、今回はここで止めて、登山口へと引きかえすことにする。
新雪を踏むさびしさにふりかえり 那須 乙郎
山の新雪は、さほど淋しい感じはしない。けれども、一歩上がるごとに雪の量が増えていく。新雪を踏みながら、振り返ると来た踏み後の傾斜に驚く。こんなにも登ったのかと、考えながらさらに高みへと歩を進める。そんな繰り返しが、雪の山を登ることである。周りの光景には、必ずその日見つけた新しい感動がある。
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