空知川雪に埋もれて
鳥も見えず
岸辺の林に人ひとりゐき
この12月は、爆弾低気圧をはじめ、北海道に大雪を降らせている。親戚が深川に住んでいるので
ついニュースで北海道の情報に気をとられる。石川啄木も、北海道の暴風雪の洗礼を受けている。啄木が北海道へ渡り、小樽で新聞記者になったのは、明治40年(1904)9月のことであった。だが、12月になって新聞社の事務長と意見があわず、殴り合い事件を起こし、退社。小樽を離れ、こんどは釧路の新聞社になった。
冒頭の歌は、釧路へ向かう汽車のなかで、車窓から見える風景を詠んだものである。旭川を過ぎて下富良野からは、汽車は空知川に沿って東へ走る。
ごおと鳴る凩のあと
乾きたる雪舞ひたちて
林を包めり
北海道の自然の厳しさを17文字のなかに切り取ることができるのは、その才能が並みのものでない証左であろう。
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