9月9日を重陽という。もっとも陰暦のことであるから、秋はさらに深まっている。畑の菊は、まだ蕾も見えない状況だが、その頃には満開の菊が香りを放っていることであろう。写真は昨年撮ったものを使った。中国では重陽の日に、邪気払いの風習がある。一家揃って小高い丘に登って、菊の花を酒に浮かべて飲む。これによってあたりに発散する邪気を払い、家族揃って健康に過ごせるということだ。白居易の詩に
寒に耐うるは唯だ東籬の菊のみありて
金粟の花は開いて暁さらに清し
と詠んで、百花の枯れ果てた後に、独り気高く咲く菊花をほめ称えている。その気高い花を酒に浮かべて飲むのは、身体によいことであると信じられていた。