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吾妻連峰の家形山は、板谷駅から行く滑川温泉から行くひっそりとした山である。山道は急な登りもあるが、刈払いもしっかりとしてあって歩きやすい。崩落の進んだ尾根筋、コメツガやダケカンバのある吾妻連峰特有の林相だが、頂上に立っても存在感の少ない山だ。そのすぐ眼下に五色沼の景観がなければ、あまり登る価値のある山とは思われない。五色沼に魔女の瞳というニックネームをつけたのは誰だろう。
この日、雨の予報があったが、曇りのち晴れ、という予報を信じて、家形山への山行を実施した。登りはじめから、青空が広がり、五色沼がみえることを確信した。急登と聞かされて登ったが、7時に登り始めて4時間、11時には頂上に着いた。ところが、晴れていた空に雲が広がり、霧雨が降りはじめ、期待していた五色沼は霧のなかで、その姿は少しも見えない。沼の方角から吹きあげてく風も冷たく、頂上の広場から少し離れたところで昼食にした。弁当も食べ終わってくつろいでいたころ突然雲が吹き払われて、魔女の瞳がその姿を現した。
霧が晴れていくにつれて、刻々と色と表情を変える五色沼。山行の参加者から、大きな歓声がわき上がった。魔女の瞳と呼ばれるにふさわしい五色沼の姿が眼前に広がった。