常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

秋景色

2015年09月29日 | 日記


朝、千歳山に登る。頂上から見える山形市は秋の景色だ。遠くの田は刈り入れ前で黄金色のに輝いている。馬見ケ崎側の流れも清冽に見える。この河原で、山形の秋の風物詩芋煮会が開かれる。親しい友人や会社の同僚、趣味の会など顔ぶれはさまざまだが、河原に作った竈に大鍋をのせて里芋を煮る。燃料は薪、火のつきやすい小枝などから薪に火を移して、燃え盛る竈にする行為はいまはなくなってしまっているが、芋煮会は昔の火の扱いを思い起こさせてくれる。

里芋のほかネギ、きのこ、こんにゃくなども入れるが、忘れてならないは牛肉だ。秋風の吹かれて、熱々の芋を頬張ると、昔のことを思い出す。酒を飲み過ぎて、河原の石の上に寝てしまう人もたくさんいた。トイレは市で簡易トイレを設置してくれるが、人が多くていつも行列ができた。話が弾んで、時の経つのを忘れていると、いつか日は西にかげり、つるべ落としに暮れていく。戸外で、こんなレトロな鍋を囲んで交流できるのは、山形ならでは芋煮会である。



散歩の途中、庭に目のさめるようなツツジの紅葉があった。山も公園も、少し色づき始めたばかりなのに、驚くような赤い葉の色である。唐の詩人杜牧が詠んだ楓林の景色を思い浮かべる。

車をとどめてそぞろに愛す楓林の暮れ
霜葉は二月の花よりも紅なり

杜牧のように、深山に行かずとも、この季節に人家のなかでこんな紅葉が見られることを不思議に感じた。8月の10日ほどまで続いた高温が、台風をさかいに一転平年よりも低温が続いたための現象であろうか。
コメント
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