常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

アサギマダラ

2015年09月16日 | 日記


アサギマダラは蝶としては大型で、羽に鮮やかな色彩を持っている。際立った色彩は、草原のなかでも目立つ存在だ。自らの身を守るには、不利なように考えられるが、実はこの色を強調することによって毒を持っていることを敵にアッピールしている。幼虫はガガイモ科の植物を食草とし、成虫はフジバカマの花から蜜を吸う。これはいづれも毒性のあるアルカロイドを体内に取り込むことができる。体内に強い毒を持ち、そのことを敵にアッピールすることで身を守っている。

アサギマダラは海を渡る蝶として知られている。マーキングということが行われ、大分県を飛び立ったアサギマダラが北海道の函館で見つかった例が報告されている。10センチに満たない小さな体で、1000キロを超える飛行をしているのだ。いくら省エネの飛び方をしても、海で休むこともしないで飛んでいくのだろうか。漁師が海に浮いているアサギマダラを見た、という報告もある。近づくと、海面からぱっと飛び上がりそのまま飛び去ったという。
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吾亦紅

2015年09月16日 | 日記


野草園に行ってきた。今年のうちに撮っておきたい写真があった。それはワレモコウである。だが、花は終わりに近づき、道の方へ倒れ掛かった枝に、かろうじて終わりかけの花をつけていた。派手な花ではなく、バラをドライフラワーにしたような暗紅色である。誰がみても秋の淋しさが人の心を捉える。

吾亦紅すすきかるかや秋草のさびしききわみ君におくらむ 若山 牧水

野草園には秋の七草である女郎花や藤袴が咲いていた。この藤袴をめざして、アサギマダラがやってくる。遠い旅たちを前にして、この花の蜜を一生懸命に吸っていた。この蝶の写真を撮りに大きなレンズをつけたカメラマンが集まっていた。蝶々の数と同じくらいの人が集まっていた。

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コスモス

2015年09月16日 | 


コスモスは秋桜ともいう。実はメキシコ原産で、明治20年ごろ渡来した帰化植物が、これほど日本の風土に溶け込んだ例も珍しいだろう。さだまさしが作詞して、山口百恵が熱唱した「コスモス」も、大ヒットして国民的歌謡となった。私が高校生であったころ、一駅区間の汽車通学をした。ホームにある小さな花壇に、秋になると数十本のコスモスが風に揺れた。デゴイチの蒸気が吐き出されると、コスモスはいっそう激しく揺れ乱れた。

心中をせんと泣けるや雨の日の白きこすもす赤きこすもす 与謝野晶子

コスモスは、明治20年ごろに渡来したと言われているから、コスモスは晶子の時代は新しい花で
あった。心中などという日本の女性の悲恋は、江戸の昔にあった古い情感である。新しい花と古来からの伝統的な情感、晶子はその二つを組み褪せて、明治の新しい女性の世界を詠みあげた。

その子二十歳櫛に流るる黒髪のおごりの春のうつくしきかな 与謝野晶子
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