アサギマダラは蝶としては大型で、羽に鮮やかな色彩を持っている。際立った色彩は、草原のなかでも目立つ存在だ。自らの身を守るには、不利なように考えられるが、実はこの色を強調することによって毒を持っていることを敵にアッピールしている。幼虫はガガイモ科の植物を食草とし、成虫はフジバカマの花から蜜を吸う。これはいづれも毒性のあるアルカロイドを体内に取り込むことができる。体内に強い毒を持ち、そのことを敵にアッピールすることで身を守っている。
アサギマダラは海を渡る蝶として知られている。マーキングということが行われ、大分県を飛び立ったアサギマダラが北海道の函館で見つかった例が報告されている。10センチに満たない小さな体で、1000キロを超える飛行をしているのだ。いくら省エネの飛び方をしても、海で休むこともしないで飛んでいくのだろうか。漁師が海に浮いているアサギマダラを見た、という報告もある。近づくと、海面からぱっと飛び上がりそのまま飛び去ったという。