雪が降って外出する機会が減ってしまった。朝の散歩も、室内のスクワットに変えた。写真も家のまわりにある季節感を写すのみである。錦織選手の活躍で、テレビから目を離せないせいなのか。
耳うとき嫗が雑仕や冬ごもり 内藤 鳴雪
明治の冬は静かであった。もう耳の遠くなった老女中が、家事をやってくれている。静かな室内で本を読んだり、書き物をしたりして過ごす冬の日は、内藤鳴雪のような文士にはかえって都合がいいのだ。株価がどうだとか、殺人事件が今日も起きたとか、殺伐とした世の中ではなかなか静かな冬ごもりもできない。