歳時記を引くと、サボテンの花は夏の季語になっている。我が家では、南に面した日当たりのよいガラス戸の前に置いてあるので、冬でも日があたれば暖かくなるので花が咲くのだろうか。季語とは関係なく花時を迎える。昨日から気温が上がり、雨模様である。道路の雪はすっかり消えた。
仙人掌の針のなかなる蕾かな 吉田 巨蕪
サボテンは水やりの必要もなく、鉢に植えてベランダに出しておけば知らないうちに花をつけている。鉢の花はあまり手にかけなくともいいと、いつの間にか疎遠になってしまう。鉢をそばに持ってきてよくみると、針の形や花の蕾が丸く並んでかわいくみえる。葉や体が、環境に合わせて生き延びようとする植物の不思議だ。