中国の風習では、正月7日を人日として、占いを行い晴れは幸いがあり、曇りは災いがあるとした。戸外を見ると、曇りだからさしづめ今年はいい年ではないらしい。人日の前は、家畜を割り当てた。1日鶏、2日犬、3日豚、4日羊、5日牛、6日馬の日とし、その日にはそれぞれの家畜は殺さず、人日には罪人の処刑は行わなかった。この日には、萌え始めた7種の若菜を摘み、粥にして食べるのが七草粥である。七草とは芹、なづな、御行、はくべら、仏座、すずな、すずしろで、新暦ではまだ手に入らないものばかりなので、なずなだけ入れるのが多いらしい。
薺粥箸にかからぬ緑かな 高田 蝶衣
この日は、一家の主婦は張り切って早起きをして、前日に用意しておいた野菜をなま板に乗せ、トントンと包丁の音も高く、口には囃し歌を歌いながら七草を刻んだ。「七草、なずな、唐土の鳥が、日本の橋を渡らぬ先に、ストトントントン」と調子をつけて、野菜を刻むのがかつてのならわしであった。我が家でも20年くらい前には、七草粥を食べた記憶はあるが、最近では絶えてない。因みに今朝は、今年はじめての朝カレーであった。