スモッグという言葉はもう死語になったようだ。かわりに登場しているのは、大陸から飛来するPM2.5である。日本は環境で先進国だということもあちこちで聞くが、1990年代まで自動車の排気ガスのオキシダント濃度が高まり、光化学スモッグ予報が出されたいたことは覚えておく必要がある。
スモッグを毒霞とも呼ばんとす 佐藤 春夫
佐藤春夫が亡くなったのは、1964年のことであるから、この時代にすでにスモッグが俳句に詠まれるようになっていた。スパイクタイヤによる粉塵は、春風に舞いあがり、ベランダに白い洗濯ものを干すことできないほどに汚染されていた。それから見れば、大気の汚染は減ったかも知れないが、異常に発達する爆弾低気圧、異常高温、大雨など地球の温暖化による災害は増える一方である。災害のない穏やかな暮らしができるように祈るばかりである。