goo blog サービス終了のお知らせ 

常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

瀧山

2016年02月23日 | 登山


いつも家の東に見えている瀧山だが、視点を南に移してみはらしの丘から見ると、これほども違う印象になる。左に走る尾根が、家からいつも見ている部分である。瀧山の奥の方には蔵王温泉、画面には見えていないが、右手の奥には、蔵王山の山並みがさらに白く見えている。もう瀧山には、何度も雪の時期に登っている。1362mとさして高くはないが、雪のなかの登山にはさまざまな危険も潜んでいる。狭い尾根にできる雪庇が、いたるところにできる。山の仲間も、その雪庇を踏み抜いて滑落事故を起こしたこともある。

今年の山行計画は、月に2、3度に減らしている。瀧山へは雪の時期でなく、秋紅葉の季節になった。この山は、蔵王温泉の方から見るのもよい。その切り落ちた峩々たる山容は、山の魅力に満ちている。登山道には、ブナの林が広がり、ちょっとした林の向こうに山形盆地のなかの市街地を目にすることもある。それにしても、昨年の12月から行った山はたった一回。もっと身体を鍛えて、山登りの回数を増やしていきたい。

更科源蔵の「知床日誌」を読みながら、山への飢渇を癒す。

白銀のような朝だ、はれている。午前3時がというのにもうすっかり明るくなり、鶯や山鳩の声が麓の雲の中から聞こえてくる。山の頂だけが雲海の上に島のように浮かんでいる。オホツク海は勿論雲海の底に沈んでいて、その上に知床の山々が投影する。6時出発。山鳩や鶯の声や雪渓を見れば春の山であり、穂薄のかげに虫の声はもう秋である。(昭和11年7月31日)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする