
今朝、大粒の雪が降った。春になる前の名残のような雪だ。一時間ほどで、2~3㎝ほどの積雪になる。数時間で積もった雪はとけ、たちまちアスファルトが姿を見せた。今日は詩吟の練習日、山本有三の近代詩「心に太陽を持てを」を習った。ドイツの詩人フライシュレンの詩を、山本有三が訳した。原詩をを訳するにあたって、山本有三は意志的、行動的なイメージに作ったという。それは、日本が困難な時代を迎えていたことが、山本有三にそうする動機を与えていた。昭和10年、日本は国際的に孤立し、戦争の鼓動が聞こえ始めた時代であった。
心に太陽を持て。
あらしがふこうと、
ふぶきがこようと、
天には黒くも、
地には争いが絶えなかろうと、
いつも、心に太陽を持て。
くちびるに歌を持て、
軽くほがらかに。
山本有三がこの国の若者に伝えたかったメッセージがこの詩ににじんでいる。若者を戦争へと鼓舞する詩ではなく、逆境のなかで、希望を失わずに逞しく生き抜いてほしい、というメッセージである。