常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

神無月

2017年11月01日 | 日記


神無月は陰暦10月の異称。新暦では11月にこの異称が用いられる。朝の千歳山の頂上から西に目をやると、月山新雪がきれいに見えた。月がかわったので、カレンダーを11月にすると、残るは2枚のみになった。一年が走るように去って行く。神無月は、八百万の神々が、出雲大社に集まるのでとか、雷がない月、はたまた新穀で酒を醸す醸成月など諸説が広辞苑に書いてある。このほど第7版が出版されて、「ツィート」「自撮り」などの新語が取り入れられ話題を呼んでいる。

峠見ゆ十一月のむなしさに 細見 綾子

この月の気候が6月に似ているところから「小六月」と呼ばれることもある。日本語の季節の表現は豊穣である。川端康成の文章が懐かしい。ある小説で川端は、11月の夕景を、こんな言葉で紡ぎ出している。

「午前は晴れて、午後は薄雲の出る日が二、三日つづいた。ほんとに薄い雲で、入日の西空は、雲が夕もやに溶け込んでいた。しかし、もやの夕やけに微妙な色あいのあるのは、雲のせいらしかった。夕やけ空は煙るように垂れて、昼間の温かさを、ぼうっと甘くつつんでいたが、そのなかにも秋の夜冷えが通りはじめていた」

コメント
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