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昨日までポカポカ陽気。今日一転して寒風と時雨模様。それでも少し空の雲の間から日がのぞくこともある。三寒四温を繰り返しながら冬が近づいてくる。人々にとって晩秋はさびしい季節である。昭和5年秋、俳人種田山頭火は、行乞をしながら放浪の旅に出て、時雨れの季節を迎えた。
行乞したわずかの銭で酒を飲み、一日の疲れを温泉の湯で癒した。昨晩の酒を身体から出すために谷の水を飲む。
酔ひざめの水をさがすや竹田の宿で 山頭火
宿には近くを流れる川の瀬音を聞きながら寝入る。庭には山茶花が美しく咲いている。小さな川に紅葉から夜露がしたたり落ちている。寝ながら、山頭火は明日の行乞を考えている。明日もまた時雨であろうか。澄んだ谷川の水をたくさん飲みたい。
昨日夕暮れの景色がうつくしかった。日没とともに大きな月が、山の端から登ってきた。栗名月。13夜のころ満月に至らない月が栗の形をしているので、こう呼ぶと知人が教えてくれた。