春来常に早起し 幽事頗る相関す 唐の詩人、杜甫の詠んだ句である。幽事とは、世を避けて静な、老後の暮らしを意味している。だが、春眠暁を覚えず、という句もあるように、朝の寝心地のよさに、つい寝過ごすこともままある。たまたま、早起きして、暁の空を見ると、びっくりするような空の美しさに驚かされることもある。今日は、この春一番の好天。朝は少し霞んで、朝焼けが淡く、美しかった。
屋上に身し朝焼けのながからず 加藤 楸邨
梅一輪一輪ほどの暖かさ 服部 嵐雪
大坊川の親水公園を散策する。思いがけない紅梅と、これも珍しいマンサクの赤い花が咲いていた。寒すぎる春に、家に引きこもりがちであったが、戸外では確実に春が進んでいる。水戸に梅が咲いたというニュースに接してから、そう日が経っていない。やはり、雪が少ないだけ、春が来るのが早いということか。昨日、義母の様子を見て来る。経口のものを摂れないない、点滴だけだが、その生命力の強さに驚く。どこまでも周りの人にやさしく、静かに日を送っている。