常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

倉手山

2019年09月22日 | 登山

台風17号が列島をうかがっている。比較的にゆっくりした台風の動きで、この日幸運にも絶好の登山日和となった。前日の予報では、曇り雨が当日になって、晴れマークがついた。最初の予定では、御所山の尾花沢コースであったが、御所山荘からの情報で、新人が入ったメンバーでは、コースタイムが長すぎて無理なこと、宮城側の大滝コースは、取り付き林道が悪路のため、乗用車の乗り入れが無理であるために、6月に予定して雨天中止になった倉手山に変更した。

写真は頂上から望む、飯豊連峰の壮大な山並みである。石転び沢を上りつめた、北俣岳の鞍部に山小屋が小さく見えている。この光景を見るたびに、かってこの沢の雪渓を詰めて、北俣へ登った日のことが、昨日のことように思い出す。沢の雪渓には、蟻の行列のような登山者の姿が見えていた。行列は遅々として進まない。雪渓の高度を上げていくと、そのスケールの大きさが次第に分かってくる。進まないのは、その雪渓の巨大さゆえなのだ。7合目ほどに達すると、勾配が急にきつくなる。雪渓の外れたあたりに、コバイケイソウの大きな花が咲いていた。あれからもう20年を経過したか。当時はまだ若く、体力もあったのだろう。北俣の鞍部に着いたのは昼近く、山荘を出て5~6時間ほど登り切ったように思う。

倉手山の登山口には、朝の7時過ぎ。朝の霧も上がって、信じられないような好天になる。登山口からすぐに取り付いた急坂は、すっかり乾燥して歩きやすい。今日は、買ったばかりのツオロミブーツとスマートウォッチの使い勝手を試す機会でもある。皮の靴を履き続けてきたので、新しい靴がどう馴染んでいくか。心拍数を管理しながら、登山のペースどの程度のたもてるか。二つとも、自分の晩年の登山のあり方を決める大事なポイントだ。

登山口で準備運動をして、7時15分登山開始。標高340mの登山口から、660m地点まで急登が続く。ここまで標高差300mを1時間10分で歩く。ペースはゆったり、心拍数を見ると急登にもかかわらず76をキープしている。靴の状態も砂利や木の根で滑ることもなく、きわめて順調だ。後ろからくる、新人を含む4名の女性も軽い足どりで登ってくる。支尾根780mのピークには8時54分に着く。ここから尾根道、10mほど下ると小さな鞍部そして最後の急登が始まる。標高差で200m足らずだが、倉手一番の急登である。特筆すべきは、この急登でも心拍数は75を維持。登り始めの状態をキープしている。登山口から頂上までの所要時間2時間10分。コースタイムも2時間となっているからいいペースであるようだ。新人を含め、女性チームも疲れた様子の人はいない。

今回は男性一人で、チームを引っ張って来た。経験の少ない新人もいて、快適な登りのペースを維持したり、危険個所での注意喚起など、いつもにくらべて気を使うことも多く、その分緊張を余儀なくされた。その辺を察知してくれたか、ペースを乱すような人はいない。急坂で身体からは汗が吹き出してきたが、心地よい秋のそよ風に吹かれて頂上に立った。ここからの飯豊連峰の壮大な景観は、登って来た苦労を労ってくれに余りあった。ここで、車座になって弁当を開く。リラックスできる最高の時間である。

帰路は登った道をそのまま下る。いつも感じることであるが、勾配を実感するのは下りである。こんな急な坂を登ったのか、と不思議な感じがする。ツオロミブーツの強みは、下りでも発揮できた。革靴では疲れた足が上がりにくいが、この靴は軽いだけ、安心感がある。滑りに対しても、安定感がある。10時半に下り始めて、12時10分には車を置いた駐車場につく。飯豊の山なみは深い。飯豊への尾根道を見て、こんな急な坂を登れるかと感じながらも、この道を行けばどんな世界が広がっているだろうかと想像がふくらんでくる。温泉は川入荘、梅花皮荘に隣接した日帰り温泉だ。話好きな支配人が、いろいろ教えてくれる。窓から見える梶川尾根を登る飯豊本山への道、飯豊の展望が素晴らしい樽口峠への道。峠の茶屋の営業についても情報を得た。

鶏の唐揚げ上げで有名な峠の茶屋に立ち寄って、唐揚げを買う行列に加わる。見たところ数十人の行列なのですぐ買えると思ったのが大きな誤り。行列の全ての人が、その場で揚げる鶏のももを持ち帰るのだが、一人が買う量が半端でない。段ボールにつめて、大型バイクの荷台に積む人もいて、1時間ではける行列は10人足らず。諦めて、めざみの里のコロッケにかえた。行列しているときの、販売方法への批判がしきりに飛んだ。

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