萩の花
2019年09月12日 | 花
夜が明けて、東の空に美しい朝焼けが見られた。外に出ると、涼しい以上に冷たい秋風。一気に秋がやってきた。久しぶりに千歳山に登る。新しい靴の足馴らしのために、履き心地を確かめた。この小さな山に登るには問題はない。長い道を歩いたとき、足にあたる部分はないか。靴下に一工夫が必要と感じた。足元を確かめながらじっくりと登った。こんな小さな山も、足の運びを意識しながら、転倒しない安全な歩きを心掛けた。
頂上に萩の花が咲いていた。もう花は終わりを迎えつつあったが、今朝の涼しい山頂にはやはり萩は似合っている。昨日は24節季の白露であったが、葉に置く露は萩の花を咲くのを促す。
白露に争ひかねて咲ける萩散らば惜しけむ雨な降りそね 万葉集巻10・2116
早く咲けとばかりに置く白露に逆らいきれずに咲いた萩、この萩が散ったならどんなに惜しいことか。どうか雨よ降らないでおくれ。この一首を読んだだけで、万葉人が秋の萩をいかに愛していたかが分かる。万葉集には萩を詠んだ歌が137首あり、花を詠んだ歌では集中第一位である。