四月も半ばを過ぎるとめっきりと日が長くなる。夜明けも早いが、日が沈むのが遅々としている。秋の夜長とは反対に、日永のことを漢語で遅日という。詩経に「春日は遅々たり」の句が起源である。この季節になると、西のベランダから西日が真直ぐに入るようになる。例年のことだが、日よけにゴーヤを植えたりするが、とりあえず簾をかけて日よけにした。
野山には、春が足早に進んでいる。コゴミが伸び、ワラビが姿を見せ始めた。ヤマザクラが咲き、山吹の黄色も鮮やかだ。コシアブラの新芽が出始めて、山菜採りの季節が始まった。深い山に入って山菜取りをする年寄りの遭難のニュースも聞こえてくる。
朝から雨になった。晴天と雨天が2、3日間隔で交代する。今年は春が早すぎてサクランボやリンゴの花に、霜害が出ている。春が早いと、寒がもどり咲いた花の上に雪が降り、霜が花を枯死させる。果樹農家にとっては、ひと夜で収穫に被害が出てしまう。せめて、今日明日の雨が木々の癒しになってくれればいいが。