常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

妖怪

2021年04月10日 | 日記
目に見えない恐怖。一向に収まらない新型コロナウィルスはさしづめ現代の妖怪であろうか。このウィルスは、人間の身体に入って生きのびる。やっかいなことは、無症状の人のなかでウィルスが息をひそめて、新しい生き場所を求めていることだ。

室町時代の『御伽草子』に付喪神というのがある。つくもは九十九の意味で、百にひとつ足りないこと、つまり年老いたもののことである。道端に捨てられた古い文書があった。人のために尽くして、ぼろぼろに古くなった文書だが、人の扱いの余りのひどさに激怒した。「われらこの時、この身を虚ろにして造化の手に従はば、必ず妖怪となる。」というと、船岡山の
麓に住みつき、京の街に出没しては、貴賎、男女はもちろんのこと、牛馬などあらゆる動物を捕らえて食った。

妖怪は勝ち誇って驕り集い、街中で囲碁、双六、博打、絵合わせなどにうち興じその数をどんどんと増やして行った。一方、現代の妖怪は、京都などの狭い世界ではなく、人の住む世界中で勝ち誇って地球狭しと暴れまわっている。京都の妖怪のその後は、護法童子から諫められ自分たちの非を悟る。その上、一連上人の教えに従って帰依して仏になった。この護法童子の役目を担うのは、世界各地で開発されたワクチンである。このワクチンの力で猖獗を究める妖怪、コロナウィルスがその勢力が衰えていくはいつの日であろうか。

コメント (2)
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