今日は、24節季の清明。万物発して「清浄明潔」と、中国の歳時記にある。清浄明潔を縮めて清明。寒食が明け、野に出て青草を踏み、先祖の墓参りをする風習も残っている。清明と聞いて思い出すのは、杜牧の詩。
清明の時節 雨紛紛
路上の行人 魂を断たんと欲す
借問す酒家何れの処にかある
牧童遥かに指さす杏花の村
この季節は雨が多い。この地方でも、昨日まで続いた晴天が崩れ、雨となった。雨のなかで、桜をはじめとする花々も、生気を増し一段と風情が豊かになっている。
雨が降っても、杜牧のように気を滅入らせることもない。花を愛でながら、居酒屋で一杯やるのは、古今変わらない人の気晴らしだ。コロナの感染が広がらないように、この楽しみを奪うことは容易なことではない。