晴天が続く。コロナには関係なく花々が咲き乱れる。ハナカイドウは華やかで、空の青さを引き立てている。昨日、テレビで「プチ登山」というコーナーがあった。山形市の北東に標高400mの大岡山がある。ここを案内しているのは、81歳になる自分と同年代の清水さんという方だ。この人の日課はひたすらこの山を登ることだ。引き締まった身体、強靭な足腰。とても80代とは思えない。聞けば一日3回、毎日登るという。自分も週1以上のペースで山歩きをして、この年代で多い方と思っていたがとても及ばない。ウォーキングでも山形市の健康ウォーク、スクスクに登録してみると、自分の歩数の10倍も歩く人はザラである。
城を見て歩く趣味の人がいる。城といえば、白壁の天守閣、水堀に石垣のイメージでそこに住む領主の権威を競うものと考えていた。ところが国境の山城は戦国時代、国を守る砦の役割果たしてきた。城は土が成ると書く。自然の地形を利用して、登りやすい尾根に空堀を掘り、掘った土を盛りあげて土塁にしたり曲輪を設ける。城を辞書で引くと、「土石を積み重ねた、戦を防ぐためのとりで」とあった。数百年も前に造られた城の遺構を見ることを趣味とする城歩きは奥が深い。本丸への道は、鋭い角度でジグザクに切られている。死角になった曲がった所に弓を引く隊を置けば、攻め上がってくる敵を容易に射殺すことができる。山城のなかの堀に入り、人工の切り岸を見れば、ここから攻め入ることの難しさが実感できる。そこで戦う武士たちの息づかいが聞こえてくる気がする。先日案内してもらった長谷堂城では、斜面一面に植えられた射干の花が開花を迎える。この花さえ、敵が登る足を滑らせ、掴まれば抜けてしまう。長谷堂城の射干の花を見るのも一興だ。