常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

川の辺

2021年04月26日 | 日記
川の辺につい足が向くのは、川の傍で育ったせいなのだろうか。不思議な符合があった。あの長谷堂城址の射干がもう咲いているころかと、考えながら歩いていると須川べりの花壇にひと群れの射干が咲いていた。それにしても川音が懐かしい。蔵王の雪解けがすすんで、川の流れ込んでいるのか、川底の石にあたる水音が心地よく響いている。土手に野の花が咲き、川岸の木々は芽吹きはじめた。1日ごとに、緑が濃くなっていく。

川の流れは、昔のことを思い出させてくれる。流れに足を入れて、姉たちと持っていた手ぬぐいを広げて小魚を掬うのが面白かった。その思い出に出て来る姉たちは、もうこの世にはいない。思い出のなかにだけは生き続けている。鮭が遡上してくる川であった。広い川を埋めつくすように登る鮭は手づかみでいくらでも獲れた。土地の老人たちから聞いた話だ。
コメント (2)
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