常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

猿岡山

2022年12月04日 | 登山
今年の登山も終わりに近づいた。街の郊外の里山へ仲間と出かける。街には雪はないが、昨日降った雪が、山の上には消えずに残っていた。昨日までの荒天がうそのように晴れ上がり、山の上は冷たい風が吹いていた。日ごろ、散歩のときに目にする千歳山の隣の三つの山だ。なかなか急な道を登り、また急な道を下る。仲間以外には人がいない静かな山だが、足元には、朝の足跡が一人分残っている。

青い空の向こうに、大朝日、月山、葉山の雪景色がくっきりと見える。やはり、こんな自然のなかで、気の合った仲間と談笑することで、喜びに満たされる。睡眠と運動が、老人の元気の秘訣だが、もう一つ仲間と他愛のない話題に笑うことが加わる。ただ、雪の朝は、濡れた木の葉や、湿った土の急斜面で滑りやすい。気をつけたつもりでも、足をすべらせて3度ほど尻もち。

先日、流山にひ孫を見に行ったが、娘の夫が会うとすぐに差しだした本がある。武田文男『山で死なないために』、『山靴を履いたお巡りさん』。言われなくとも、高齢の私で、山で危険な目に会うなといいいたいのだろうとわかる。ひ孫の成長を見届けるために、長生きをせよとの思いもあるだろう。そんな気持ちは痛いほど分かる。だが、こんな自然のなかで、急な山を夢中で登る達成感、そして得られるあまりにも美しい自然の美、仲間との楽しい談笑。これを失ってしまえば、長生きの意義の多くが失われる。

人生の最後に残しておきたい習慣。「恐れと向きあう」恐れと取り組むことで、自分の人生に責任を持つ。そしてつかむ達成、幸福感。それは、生きていることの意味でもある。息子の心配に配慮しながら、安全に、体力を越える山登りは避ける。しかし、できる範囲で、恐れを克服するような身体の動きは、人生の終りまで持ち続けていきたい。
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師走

2022年12月01日 | 日記
予報通り、寒い師走の入りとなった。寒くなると覚悟をきめたこともあって、冷たい空気のなかを歩いても気持ちがいい。冬の花、ヤツデの地味な花が玄関わきに咲いていた。人間が手のひらを広げたような形の葉の上の白い花。この時期、扇のような花がひろがり、人の心を和らげる。ふと見上げると、瀧山が冠雪して白く光った。

生き残る蠅が集へり花八つ手 松田茂代

今年、手元に置いて、折にふれてページを開いた本。『毎日の暮らしが輝く52の習慣』の、最終52場目の習慣は「寛大な心を持つ」である。今年ほど、周りの人たちの心に、寛大さを感じたことはない。寛大でやさしい心に取り囲まれて一年を過ごしてきてように思える。そうした心に習って、自分でも寛大さを身につけたような気がする。人の心の寛大さを受け入れる。この年になって初めて身に沁みたことであった。そこから初めて温かい人間関係が生まれる。
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