ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

たった一つのものを抱えて

2008年05月03日 21時54分19秒 | ノンジャンル
草むらで、たんぽぽの綿毛を見つけました。
黄色い小さなおひさまみたいな
たんぽぽの花もかわいいけれど、
ふわふわまん丸な綿毛も、かわいい。



地べたを這うようにして生まれ
人に踏まれながら育ったこの花は
春の終わりがくると
いともたやすく、空を飛ぶ。
当たり前の光景だけど
自然の作り出すものは、なんかすごい。

人は、技術の粋を集めて、
鳥に似せた重い鉄のかたまりに
ゴーゴーうなるエンジンを幾つもつけて
やっとの思いで、空を飛べるようになったのに。

思えば、それはたんぽぽが、
花という飾りをあっさりと捨てて、
たった一つの大切なものだけのために
生命を尽くすから出来ること。

人は、何が本当に大切か分からないまま、
ありったけ抱え込んで、手放そうとしないから、
綿毛みたいに軽やかに飛べないのも、
無理はないのかもしれません。

コメント
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