ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

うれしかったよ

2008年10月14日 17時33分51秒 | 家族
週末、父のところに行ってきました。
無精ひげがのびかかっていたので
それを綺麗に剃って、
絞ったタオルで顔を拭くと
気持ち良さそうにして。

元気だった頃には
無精ひげ生やしてるところなんて
見たことなかったから。
父はさっぱりしてる方が
やっぱり、いいみたい。

殆ど言葉も話さなくなったけれど
帰る頃、椅子もないので床に膝をつきながら
父の枕元の掛け布団にあごをのっけて、
「お父さんの顔見られて、うれしかったよ」って言ったら
父はわたしの目をじーっと見て、
「父さんも、お前の顔、見られて、うれしかった」
と回らない舌で、ゆっくりゆっくり言ってくれた。



その日父が話した、殆ど唯一の
ちゃんとした文章になった、言葉。
それが、本当に、うれしかった。

「うれしい」という言葉は
周りの人までも、うれしくさせる力があるみたい。
父の言葉でそんなことを思いながら
コスモス揺れる田舎道を帰って来ました。

コメント
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