ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

帰りつつある父

2008年05月19日 17時21分58秒 | 家族
本当にご無沙汰続きでごめんなさい。

おかげさまで父は
救急治療室から一般病棟に移ることが出来ました。
半身の麻痺や嚥下障害、言語障害もあって
まだ寝たきり状態ですけれど、
こちらの言うことや、
わたしたちが誰かも、
随分わかっているようです。
そして少しずつ、父の発する音が
言葉としてわたしたちにも伝わるようになってきました。

昨日などは姉の言うことに
以前の父のような冗談で返したりも。
ゆっくりだったけど、全員に聞き取れる言葉でした。

どこまで意識があるのかわからない状態だったこともあり
父がすっかり変わってしまった気がして
正直、悲しい思いをしていたのですが、
あの軽口を聞いたとき、
うまく言えないけれど
「ああ、これは紛れもなく父だ」と
なんだかとても、ほっとしたのでした。



いろいろ障害を抱えた体ではあっても
その中には変わることのない父の意識がある。
わたしたちとの思い出を抱えたままの父の魂がある。
今はそれでじゅうぶん、と思えるくらい
うれしい出来事でした。

このまま容態が安定すれば
やがてはリハビリも待っていて
父にも家族にも長い道のりですが、
文字通り、一歩一歩、
退院までの道のりを、共に歩んでいけますように。

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父の手

2008年05月13日 21時23分51秒 | 家族

実は先週末に実家の父が倒れて入院しました。
過去数回経験した脳梗塞の発作の中でも
今回が一番状態が悪く、
意識不明にもなっただけに
一時はどうなることかと思いました。

今も絶対安静には変わりはなく、
どこまで認識出来ているのかは不明ですが、
どうにか全身の状態は安定しつつあり
ちょっとほっとひと息ついたところです。

そのため先週は、急遽実家に戻り、
入院先の病院に駆けつけたのですが、
その際、数十年ぶりで父の手を握りました。
あの時は意識もほとんどない状態でしたが
父の手はあたたかで、
そして思ったよりうんと、小さかった。
子供の頃は、もっと大きな手だと思っていたのに。



こんな年になってからだけど
しかもこんなとんでもない時だったけど
父の手をまたこうして握ることが出来て良かった、って
なぜだか、心からそう思いました。

普段元気なうちは手を握るなんてしないから、
下手したら、もう一生
握らないままだったかもしれないから。

来週から予定していたスイスの出張もキャンセルし
当面、実家と自宅を行ったり来たりになる上、
仕事でも忙殺されていて、
しばらくこのブログも更新出来ないかもしれないけれど
元気にがんばっていますから
どうか気長に待っていてくださいね。

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人を幸せにする質問

2008年05月09日 22時41分23秒 | 仕事・職場
昨日から職場では新しいインターンさんを迎えました。
ザンビアで半年ボランティアをした経験を持つ、
やる気に満ち、はきはきした、さわやかな青年。
ミャンマーのサイクロンの対応で
いきなりの怒涛の日々で申し訳ないけれど
笑顔で頑張ってくれています。

別れもあったけど、こうした出会いもあることが
本当にうれしくて、楽しい。

そして先日は、もう一人のインターン候補さんと電話で面接。
ラテン系(ジャマイカ人)とは思えないような
とてもやわらかで、落ち着いた受け答えをする人で、
面接の最後に、何かそちらから質問は?と尋ねたら
「この仕事の何が好きだと感じておられますか?」と。

あまりに新鮮で、
普段考えたことのない質問だっただけに
一緒に対応した上司ともども、
うーん、と考え込んでしまいました。

とりあえず思いつくことを答えはしたけれど
面接が終わった後になっても、
家に帰ってからも、ずっと考えました。

わたしは、この仕事の何が好きで続けているのかしら。



そうしたら、あの時答えた大きな答えのほかにも
たくさんの、小さな答えを見つけたの。
ああわたし、これも好きなんだ、
あれも、好きなんだ、って。

それらを、ひとつひとつ、数えていたら、
心がなんだかとても
まっすぐに、
しあわせに、
そしてちょっぴり謙虚になった。

当たり前になりすぎて、
こんな大事なこと、忘れてたなんて。
気に入らないことばかりに心が向いて、
幸せなことを、放ったらかしにし過ぎていたみたい。

それはわたしにとって、
インターン候補さんから贈られた、
「人を幸せにする質問」だったのでした。

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ハイジャック事件

2008年05月05日 11時05分49秒 | ねこ
お昼間遊んでしまったので
夜、少しでも勉強しようと机に向かったのに
突如現れたハイジャック犯が机を不法占拠。

にゃーと鳴きながら
ぴょんと机に飛び乗ってきたかと思えば、
わざわざ私の本やノートの上に
よっこらしょと座り込み
私が手にしていた鉛筆まで押さえこむという
大胆不敵な犯行。



平和的な解決をはかるべく
しばらくブラッシングしたり
なでたりを試みたものの
こう着状態を打開するに到らず、
その後やむなく、ソファーへと強制連行したのでした。

コメント (2)
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何と呼ばれようと

2008年05月04日 19時05分10秒 | 花・自然
初夏のような陽射しの中
風に乗って、甘い香りが漂ってきました。
くんくん匂いをたどったら
どうやら香りの主は、この花のよう。



大きな木いっぱいに
白い藤のような房状の花が満開。
あたり一面が何ともいえない、
ふくいくとした、いい香り。

家に帰って調べてみたら
どうやらニセアカシアという木みたい。
こんなにきれいな花をつける木に
「ニセ」なんて名付けるなんて、
誰が付けたか、失礼な話です。

でも、何と呼ばれようと構うことなく
花は清らかに匂いたち、
明日は、もう立夏。

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