17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。
先日NHKのBSで録画しておいた、
カラヤン指揮、ウィーンフィル演奏の歌劇「カルメン」を
先日やっと見終わりました。
若き日のカラヤンが、彼独特の
目を閉じたままの端正な指揮で繰り出す、
ドラマチックで情熱的なカルメン。
大体の展開は知っていたけれど、
このオペラを最後まで見たのは初めて。
あれもこれも、カルメンの曲だったとは、と驚くほど
なじみのあるメロディーのオンパレードで
我が身の無知には、恥じ入るばかり。
でも、スペインを象徴するようなこれらのメロディーの生みの親、
ビゼーは、実は一度もスペインに行ったことがないのだとか。
時に想像力は、本物よりも本物の核心に迫ることがあるのかしら。
そしてこれが、カルメンの胸元を飾り、
ドン・ホセを誘惑する時に投げつけた花、カシア。
オペラや映画では赤いバラが使われることが多くて、
実際、カルメンといえば赤いバラのイメージだけど、
原作では、シナモンの仲間の、この黄色の小花。
バラよりは、はるかに地味だけれど、
野生的で、生命力にあふれた太陽の色のこの花は
枯れても強い香りを放つと言われていて、
それを思うと、自由で放埓なジプシーの血を持ち
死んでなお、ホセを惑わすカルメンにはふさわしいのかも。
ラジオ講座の「カルメンを読む」も
いよいよドン・ホセがカルメンに篭絡され、
これから破滅への道にまっしぐら、というあたり。
3ヵ月後に佐渡裕さんがこの物語を、
どんなオペラにして見せてくれるのか楽しみにしながら、
わたしも勉強を続けていくことにしよう。
近所に最近オープンしたフレンチカフェを見つけて
この週末、ランチしてきた帰りの道で
早咲きの桜の花を見つけました。
いつの間にか、もうそんな季節。
先週の金曜日はインターンさんたちの歓送迎会。
春は、別れと出会いの季節でもあって。
新しく迎えた人、旅立っていく人、さまざまに。
昨年秋まで一緒だった元同僚も来てくれて
久しぶりにいろんな話も出来ました。
念願の正社員になれたものの、
新しい職場は人間関係がいろいろと大変みたい。
そのせいか帰る道すがら、何度も何度も、
わたしたちと過ごした1年は本当に楽しかった、と
笑顔の中に、うっすら涙を浮かべて。
そして別れ際、わたしが「元気でね」って言うと
「元気でね、でなくて、またね、って言って」って。
わたしだって、本当は同じ気持ち。
あの日々は、贈り物のような時間だったから。
あれだけ気の合うメンバーが揃い、
あれほど楽しい時間を過ごせた日々のことを思うと
本当は、思い出すと今も切なくなる。
それでも"Life goes on"。
時は後戻りすることなく、進んでいく。
わたしは、後ろを振り向かず歩いて行けるタイプではないから
ことあるごとに、振り返り、懐かしみ、
これまでのたくさんの贈り物の時間に感謝しながら
わたしの今を、一歩一歩、歩いていくことにしよう。
今のこの時間も、これから訪れる時間も、
すべてが贈り物であることを信じて。
1月から始まった冬学期のフランス語の授業も
いつの間にか、残りあとわずかに2回。
クラスメイトはわたしを入れて結局4人で、
うち2人はフランスに1年以上の滞在経験者だとか。
えっちらおっちら、最後尾からついて行きながらも
最近は少しずつだけど、会話に参加出来るようになってきました。
相変わらず言いたいことの10分の1も言えず
もどかしくて、言うのを諦めてしまうことも多いけど
それでもほんのわずかずつ、進歩の手ごたえ。
実感、というか、まだ予感、程度なのだけど、
その感覚が楽しくて、続けていけるみたい。
だから授業に行くのは、毎回楽しい。
「次回も4人ならクラス閉鎖」という話もあったけれど
みんなの勧誘活動の結果、続行が決定しました。
この春も引き続き、このクラスで頑張りますね。
今日、小学校時代の恩師から
懐かしいお葉書が届きました。
小学校の1・2年の時の担任の先生で、
その後も毎夏、中学の頃までだったか、
いつも決まったメンバーで
先生のお宅に遊びに行ったものでした。
先生のお宅の立派な居間で
ふざけてクッション投げをして
大切な飾り物を壊してしまったことも。
また蝉取りに近くの神社に連れて行ってもらったら
手の平サイズの巨大なクモが
びっしり木にはりついていて
ぎゃあぎゃあ大騒ぎしたことも。
厳しくて、でも誰よりも優しかった先生。
わたしたちの成長を親のように
ずっと見守って下さっていた先生。
なのに、成長するに従って次第に足が遠のき、
いつの頃からか、年賀状を交わすだけとなっていて。
その先生も、もう80の齢を幾つか過ぎられたのだとか。
今年頂いたお年賀状には
あまり先も長くないだろうから一度会いたい旨の
心細い言葉が書かれてあったのが気になっていて
先日、お便りをしたところでした。
お体の具合でもお悪いのではと、心配して書いたものの
逆に、父のことなどをお伝えしたわたしに
温かいいたわりと気遣いの言葉が
先生らしい達筆で、びっしりと綴られていました。
あまりにうれしくて、ありがたくて。
母に昔「自分一人で大きくなったような顔をして」と
よく叱られたものだったけれど
本当にその通りだと、改めて思いました。
わたしは、わたし一人でここまで来れたんじゃない。
日常にまぎれて、そんな大切なことも忘れて。
両親のこともあって今すぐは難しいにしても
先生がお元気なうちに何とか時間を作って
先生のお宅におじゃましに行ければいいのだけれど。
時間はもう、あまりないかもしれないから。
また、先生の生徒として
先生に甘えて、そして叱って頂くために。
そしてこの数十年間、ずっと見守って頂いた、
感謝の思いを、わずかでも伝えるために。
今日から弥生3月、花見月。
この週末はぽかぽか陽気となったため、
わたしも恒例の春じたくで大忙し。
まずは、みみにゃんの年1回のワクチン接種。
健康診断も兼ねているのですが、
鳴き叫ぶ6kgを自転車の前かごに載せて
武庫川を渡って、ひた走ること20分。
近所にも動物病院はあるけれど
ここは年中無休で、土日も午前・午後やっているので
尿路結石症を患ってからは、
いつでも対応してくれるこの病院のお世話に。
体重が微増してしまった以外は、(Oh,no!)
尿検査も健康診断もすべて問題なく、
ワクチンも無事済ませて、ひと安心。
わたしも疲れたけど、みみにゃんもお疲れさま。
そして2つ目の春じたくは
ベランダにお花を植えつけること。
苗ばかりだと、ちょっと淋しいので
既に咲いているお花も取り混ぜて、
土まみれになりながら、7割ほど終了。
残りはまた、ぼちぼちと。
毎日の水やりは大変になるけれど
お花があると、ベランダがぱっと明るくなって
朝カーテンを開けるのが、楽しみになるから。
そして最後は、うさぎのおひなさまの飾りつけ。
うっかりしていて、今年はぎりぎりになっちゃったけど
これでわたしも、春を迎えられそう。